GET!(金沢有倖)/桜桃書房・GUST COMICS


美貌の生徒会長・花恩寺京に一目惚れした天衣無縫なキャラクターの良介。クールでお高い生徒会長に果 敢にアタックをくりかえすが、なかなか報われない。花恩寺の心が少し開きかけた頃、良介は彼を狙う奸計を知るが、花恩寺はその首謀者が良介ではないかと誤解を抱く。(J)

じゃあな

 私もいよいよ、かの有名な金沢アリーナ姫(もう勝手にあだ名作ってるし…)の作品に華麗なるデビウ。読むのにものすごく時間がかかった上に、ついに読み終わらなかった。理解出来ないものが登場すると「これは何なのだろう…」と、ここに存在する以上これはアレなのだろうが、アレにはとても見えず、では何に似ているのだろう…と思考がぐるぐるループしてしまって先に進めなくなるのである。およそ三十分近くかけて(私はコミックス一冊読むのに大抵15分から20分)半分まで読み進んだところで、自分はストーリーを何も追っていない事に気づいた。あれもこれもどれもこれも凄いので、絵に目を奪われてしまい筋書きなんて頭に入ってこないのだ。
 何しろ本文1P目をご覧いただきたい。花恩寺のバストショットがあるのだが、首からわら人形がぶら下がっている。………美貌の生徒会長の首にわら人形がぶら下がっているわけがない。これはネクタイだ。たぶん。そう見えなくてもネクタイだ。そうやって自分を納得させるのに、数分を要したというのに、次のページで生徒会長殿は「そこの二人、校章がついていませんね」と生徒を指導している。校章がない事なんかよりアンタの首からわら人形がぶら下がってる事の方が問題だよ!!! …憤怒笑死悶絶卒倒など、ここまででたっぷり五分はかかっている。一時が万事この調子なのだから、そりゃあ読み終わるのに時間がかかっても仕方ない。
 新田先生はコダワリとともに「すげえトーン持ってるな」と思わせるが、アリーナ姫は何か違う意味で「すげえトーン持ってるな」と思わせてくれる。そして普通 の人だったら、買っても一生使わない様なトーンを、あえてメインのパーツに使うその姿勢がご立派だ。なんで制服のズボンがミツウロコ模様なんだ。松葉柄のわら人形(ネクタイ)も凄いがな…。二人の私服については、もはやかける言葉すら思いつかない。
 「Wink」が断ち切りに失敗して「Nink」になってしまったのはもはやご愛敬であるが(姫、どんな原稿用紙の使い方をしておられるのですか)手書き文字・効果 書き文字のへなへなさは俺のあさひといい勝負だ。むしろ洋服の衿がもう少し洋服らしく描ける分、あさひの方が勝っているかも知れん…あさひ、WIN?!
 最終ページを開いたら、姫がおん自ら膝を屈して「読んでくれてありがとう」と謙虚な謝辞を述べておられた。ごめん、読み終わらなかったから、どうぞ顔をあげて欲しい。

死兆星



ジェイルバード(小澤奈央)/松文館・ダイヤモンドコミックス


世間体ばかりを気にする両親と、資産家の息子としてガッチリ敷かれたレールに乗った人生に嫌気がさして、はなれの屋敷にひきこもりになってしまったかずい。新しい主治医はこれまでの監視役とは違って、かずいの家から与えられる恩恵の事などかまわず、かずいだけを見てくれていた。(J)

じゃあな

 表紙だけ見るとちょっとイケてるアスカコミックスという感じがするが、そこはそれ松文館。中身は「登場人物が二人出そろったらサクサクといたし、適当にまとめて、はいオワリ」という作品の数々だったが、絵がかわいいのでさっさと読める。続き物やシリーズ物を描いてくれたらもっと読み応えがあっていいかも。ともかく今の時点ではただのホモ短編マニュアル。「この参考書通 りに描けばあなたもボーイズラブ作家〜四十八手〜」みたいだ。
 私は「Betrayal Game」に出てきた岡嶋さんが受としてマグナムヒットなタイプだった為、彼が攻である事に非常に憤りを覚えています。なによ、岡嶋産業の岡嶋さんって事は、御曹司じゃないの。しかもやり手であのルックスよ。受よ受。こなくそ。




独占欲(金沢有倖)/桜桃書房・GUST COMICS


社長の御曹司である生綱(なづな)にさからえない雅水(まさみ)。仲のいい幼なじみだったはずなのに、いつからか生綱は雅水に飽くことを知らない独占欲を見せるようになった。思えばクラスメートの昌太と雅水が親しくなった頃から、生綱の態度はおかしくなりはじめたのだが…。(J)

じゃあな

 「Get」でギブ入ったのでもうやめようと思ったのだが、識者によれば本作が姫の作品の中ではもっともまともな人気作らしい。と、いうことで、挑戦してみた「独占欲」。生綱のキャラクターがあまりにもしょーもないので今回はしばらくストーリーに集中出来て、おっ、読める、まだ読むことが出来るぞ! と思ったのだが、たびたび出てくる雅水たちの制服のあまりのみょーちきりんさ、一コマ目から私のハートをわしづかみにしてくれたすごい制服のデザインに見とれてしまい、やっぱりなかなか読み進まない。そして「…そう言えば開襟シャツでネクタイをする事が可能だろうか…?」という根元的な疑問にぶつかったところで、本を置いてしまった。
 品行方正(な筈)の生綱のシャツが常にあの形になっている以上、あれはYシャツの第一ボタンを開けているのではなく、元から折り襟になったシャツだと考えるべきだが、その下をどうやってネクタイは回っているのだろう。ノットはすごい低い位 置に来ると思うんだがいいのかなそれでも。そもそも「襟元を絞める」というネクタイの存在意義を完全に無視したデザインではあるまいか。学生らしさってどうなるんだろう。ああ謎が謎を呼ぶ。
 私だって別に、マンガを読むたびにいちいちそんなつまらない事を考えるわけではないのだが、風呂のフチに腰掛けた雅水の裸体を見るにつけ「こんなに胴が長いなんて…。ここらへんに心臓があるとして、正常な位 置に胃があった場合、ここからここまで全部腸なんだ…。こりゃ消化に悪いわ」としみじみ同情してしまった。日本人は外国人よりも腸が長いから便秘しやすいと聞いたことがあるが、姫の世界の住人などは大変である。これはもう一週間は出ないだろう。だから直腸を洗浄する必要のある性行為に走るのだろうか…うわっ、理にかなっている…。
 「これなら私も小説家になれるかも!」と思わせてくれた作家は過去にもいたが、ドラえもんの絵描き歌を書いてすら画才の無さが知れるこの私をして「これなら私も漫画家になれるかも?!」と思わせてくれたのは姫が最初で最後であろう。ちなみに姫はコミックスのカバー見返しの、作者プロフィールのところはいつもちょっと気の利いた事を書いてくれるので、ここに関してのみはセンスあるかなと思っていたのだが、本コミックスの嫌いな物「汚い印刷」には、いやそれ以前の問題だろうとちょっとNG。それともこれ全部印刷のせいなのかな。

死兆星



斉藤くんの学園生活(金沢有倖)/大洋図書・SHY COMICS


美少年・斉藤香流の通う男子校は誰も彼もがホモばかり。親友の田中と、清く正しく生きようとする斉藤だが、彼の体を狙う委員長に執拗に追いかけ回されてもう大変。斉藤君の貞操をめぐる学園ギャグストーリー。(J)

じゃあな

 私が読んだ中ではアリーナ姫の最高傑作だ。何しろ最後まで読み終えることが出来た。しかも結構面 白かったかも…。少なくとも、シートマスクのパックをしながら読んでいたのだが、パックがゆがむのが心配になるくらいには笑った(顔の筋肉ニヤリ)ぞ。グランチャイス・ジョルジェ・山田くんのポエムは、ありがちだと思いつつもこのテのギャグに弱い私にはかなりツボだった。
 ただ、美形とされているキャラクターの顔は、人間よりはヘムレンさん(ムーミン村)に近かった。そして人体のバランスは、美形とされているキャラクターよりもマッチョなアニキたちの方が正しかった。姫はこっちの作風で攻めた方が良かったのかも知れない。需要があるかどうかは知らないが。




働きません!(山田ユギ)/徳間書店 キャラコミックス


入社したばかりの会社が倒産してしまい、塩見はいきなり 職を失ってしまう。後輩の池内にその事を酔いながら愚痴ると 嫁にくればと言われてしまう。赤尾の気持ちをはじめて知った 塩見は…。 (O)

俺様

後書きで本人も書いていたが脇キャラが際立ちすぎです。 ついつい主人公は赤尾だと思ってしまうではないですか。 最初に出てきた社長とシオちゃんがどうにかなってしまうかと 思っていたのであっさり流されたキャラとしては社長はかなり もったいないかと思います。しかし、その後に続々出てくる キワキャラ達。おかまのADはかなり気に入ってしまいましたが、 そう考えると赤尾はどっちもOKなのでしょうか。相変わらず 女性キャラの力強さには感服します。まだはじまったばかりな 今年ですが、いきなりもうオブジイヤー候補が出てきたって 感じですか。池内はゆっくりと時間をかけてシオちゃんを 守りながら自分を好きになってもらうために努力していたのですね。 でも、奴の家庭環境は今の私には怒りの対象でしかないけどな。 で、結局シオちゃんと池内はラブラブ生活に入るのかな? 赤尾と坂巻のその後も気になりますが、タイトルは男性陣を 指しての事なのですね。ところで戸川さんは元旦那が 友達&社長である赤尾と出来てしまっても、締め切りの方が 大事そうですな。

★★★★
じゃあな
 面白いのはホント、間違いのないところなんだけど、確かに脇のキャラがみんな立ちすぎていて攻の池内がいちばん没個性の人だった。ゆえにどうも池内以外の人を応援してしまい、新キャラが出てくるたびに「この人こそシオちゃんの運命の人かも!」と私が勝手によろよろよろめいていた。
 私としては最初から最後までもっとも注目していたキャラは社長だっただけに、漫画好きの社長が職を求めて坂巻のアシスタントに…という展開をこっそり期待していたのだが、それどころか作者の希望は塩見×社長だったとは。くそっ、悔しいけどそっちの方がイイ!(そうか…?)負けたぜ山田ユギ…と一時兜を脱いだが、いやいや装着。俺の心に鎧が走る。職を求めて流れ流れる社長が、赤尾と出会うというのはどうだろう。赤尾と社長で社長×社長だ。もちろん攻は赤尾だ(コラ)。フジのドラマの影響か、どうも赤尾は藤木直人に見えてならないのだった。
 何にせよあんなに色っぽい社長が、貧乏で食うに困って身を持ち崩さざるをえないというのはスバラシイ設定である。ボーイズラブ界の貧乏人受はいつでもいただいていいと相場が決まっているのだ。三途の川も金次第。生き馬の目を抜く世の中って、コワイざますわね。ホント。
★★★☆


つきよの不思議(千歳ぴよこ)/ビブロス・BBC


柔道特待生として高校入学した松岡は、男子寮で同室になった大野の肢体の美しさに一目惚れ。大野を想ってトイレで一人励む日々だが、ある日大野の怪我が心配で柔道部のコーチを放り出してしまい、あわや奨学制度をフイに?(J)

じゃあな

 月夜よりも人体が不思議だよあたしゃ。本文1P目の松岡の四段ブチヌキを見て「アンタの体はどこまであるんだ?!」と、目が飛び出しそうになった。この作者のキャラクターを元にフィギュアを作ったら、まず立てまい。アニメ絵好きの私としては、顔が可愛いだけにこの超級な頭身は惜しい限りだ。
 表題作は十二頭身の人体を除けば別に何ということはない話だったが、同時収録の「幽愁」という話は、オイ何とかしたれやコイツらと思った。何の罪もないのに窓ガラスに顔つっこまれた哀れな男子生徒がいたが、彼のその後の人生は…。いい美容整形外科医に治療してもらうんだよ。そして罪もないと言えば、卑屈な弟にやけに恨まれていた出来のいいお兄ちゃんは、あそこまでされるほどひどい人だっただろうか。一生懸命努力してスポーツや勉強が出来るようになっただけで、冴えない弟にあそこまで恨まれたらたまりません。しょーもない弟に異常な執着を見せる奈津だが、彼のエキセントリックな愛情の理由がわからないあたりがまたいい加減なストーリーであった。



またたび先生走る!(ししゃも歳三)/心交社・ショコラコミックス


名医と町の人々に親しまれた父が亡くなり、天涯孤独になってしまった春太。ところが家には突然、見たこともない男が住みついて、近所の人も何故かみんな彼を父の弟子だと思いこんでいる。わけのわからない春太だが、実は謎の男の正体は、父が可愛がっていた猫・またたびの化けた姿だった。 (J)

じゃあな

 キャラはみんな元気良く可愛く、ストーリーもまずは及第点(先は読めるが)。しかし「いつドカンと面 白くなるんだろう」と期待していたのに、最後まで完全燃焼しないまま終わってしまった。何が悪かったって、物語はすべてゲストで出てきたホモカップルをまとめる事に終始していて、またたびも春太も結局はただの狂言回し。最後まで主人公たちに焦点が合わないまま終わってしまったのが残念な限りだった。この後シリーズとして続くのだろうか? 続くにしても、コミックス一冊かかって離陸出来ないんじゃ助走が長すぎだ…。
 と、いうわけで、同時収録の中編の方が読み応えがあって面白かったが、タイトルが「我が命誰が為にある」なんて軍歌みたいな代物だとは、あのキュートな絵柄とポップな作風からはわからなかったよ。
 作中に出てくる猫がちっとも可愛くないのがかわいかった。特にまたたびの鳴き方の可愛くなさは猫好きには愛しいのう。余計なお世話かも知れないがプロフィールにあった妹さんのP.N.もうデビューしてるのかどうか知らないがあまりにも売れなさそうだから変えるべきだとどうか伝えて欲しい。

★☆
俺様
タイトルからしてこれはやばい方向に走るのでは…と心配させられたが、 なんの元気なギャグマンガではないか。うーむ何だか可愛くない猫にとっても癒されるじゃないか〜!話の展開は読めてしまうのだが テンポと勢いはかなり好きでした。シリアスになりきれない所が 良いのかもねん。気になるのはまたたびと桂順の出会いかな。 ホモ的な事は言葉だけで絵的な表現がほとんどない所もまた 良かったのではないでしょうか。あとは春坊の将来が心配だが、 あれだけおせっかいな物の怪が側についているのだから あまり心配はないか…。



マンハッタン恋物語(天禅桃子)/コアマガジン・drapコミックス


マンハッタンの花屋で働くダイヤモンドの恋人は、若き財閥総帥のロック。多忙なロックとはなかなか会えなくて、寂しい日々が続くけれど、茶目っ気たっぷりの恋人は時に不意打ちでダイとの時間をもうけようとする。(J)

じゃあな

 絵はタイプだが、話は短くてどれも物足りない。どのカップルの物語もあっという間に「はいっ、時間切れ」とばかりに終わってしまう。なんか観光地の望遠鏡みたいだな…。
 一応、シリーズ物の形をとっているのは嬉しいのだが、まずダンとロック、その次はダンの同僚のカナン、その次はカナンの恋人の甥っ子のラファエル…、と、ホモの輪がどこまでもマンハッタンに満ちていくのはどうなんだろう。LOVE MODEもホモの友達はホモ、メビウスホモ、と言った覚えがあるが、こちらはマイムマイムホモである。
 コミックス全体、細部にいたるまで丁寧に作られているので、こんなに細切れではなく、もっとじっくりと長い話が読みたかったなあ。設定もよかったのだが、惜しい惜しい。

★☆





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