二人の王子様(森村せん)/オークラ出版・アイスコミック


隣国の王子同士、人目を忍ぶ仲のジークとシェリル。森の中でひそかに愛し合う二人だったが、シェリルにお妃選びが強要されて…。お妃候補の中にまぎれこんで「絶対に自分を選んでくださいね」と張り切るジークだが?(J)

じゃあな

 なんか名前からいくとジークが攻みたいだが、彼はショタ黒髪チビ美少年で、年上長髪おっとり系のシェリルが攻である。私としては逆の方がタイプだが…。表題作はそんなわけで「むー。逆じゃないのか」と思ってむうむうと読み終わったのだが、読み進むにつれてどこに着地するのかわからない話が続々と登場して、可愛いだけに終わらないコミックスだった。特に収録作品「おいしい時間」は「誰と誰がカップルなんだ? えっ、あんたか」という意外性と、やっている事は御料理を作っているだけというシチュエーションの特異さで、あからさまに物珍しいわけではないがなんか「どっか違う」感にあふれていた。じっくり味わうと非凡な作風だ。 突飛な設定の表題作が一番凡庸だったとも言える。世継ぎが出来ないシェリルの国も大変だろうが、王子が嫁に行ってしまったジークの国の立場って一体。

★★



FLASH・モード(島あさひ)/芳文社・花音コミックス


ひょんな事からスーパーモデルの龍介に見初められ、付き人のアルバイトをする事になった高校生の甲斐。両刀の龍介は甲斐を口説く一方で、彼にモデルとしてデビューする事を熱心にすすめる。(J)

じゃあな

 島あさひが描くスーパーモデルである。もうそれだけで、私の中では話題性十分。どんな凄い服が出てくるだろう、どんなオカマなデザイナー(何故かボーイズラブに描かれるファッション業界には必ずオカマのデザイナーが出てくる)が出てくるだろうとわくわくしながら購入した。
 なんだか急激に吉川うたたに絵が似通ってきた島あさひ
。もはや表紙の龍介のアクセサリーだけで「アンタこれ魔女っ子変身アイテム?」と味わい深く、表題作見開き表紙の花(花?)はバラなのかカラーなのかどうしてもわからない。そんな些末なことにはときめき続出だが、お話の方はいたってつまらなかった。じゃあこれまでの作者の作品が抜群に面 白かったかと言えば返答に窮するが、ともかく甲斐がモデルになる/ならないというネタが永遠に続き、しかもそれが一進一退。ちょっとその件に関しては決着ついたんじゃないの? と思っても、次の話になるとまだ振り出しに戻っている。本作はワンツーパンチ。汗かきべそかき読むしかない。が、なんでそんなにまでして。
 場面転換が一瞬で「えっ、さっきまで事務所にいたのにもうマンションの中?」「さっきまで外にいたのにもう屋内?」と、龍介は続々とテレポートを見せてくれた。そりゃあこの勢いでテレポートすればパリだろうがロンドンだろうが日帰り出来るでしょう。作中の「ちょっとコレクションを勘違いしてないか?」という台詞が他人事ながら胸に痛かった…。

俺様
ああ、島あさひはいつでもイイ仕事するな〜。表紙だけでかなり語り合ったよ。 そして裏表紙とも…。ページをめくれば口絵と語り、1話を読み始めれば 見開きのタイトルページと語る。すいません先生、先に進ませて下さい。 何にしてもスーパーモデルは何をとってもスーパーすぎてたまりません。 カリスマ美容師だってそんな事は出来ないだろうというような謎な髪型。 謎なアクセサリー。謎な服。謎な人間…。謎な花?島先生がバックに よく描いていたのはカラーですか?1話の見開きタイトルページを 見て宇宙生物だと思い、そうかこれはSFか〜と思ったのは私だけで しょうか?ちなみにその時私はじゃあなちゃんからモデルの話だと 聞かされていたんですけどね…。そして思った通り出てきた オカマなデザイナー。私にはKAN森本のセンスがハイレベルすぎて 凡人な私にはまるっきりどこがすごいのかよくわかりません。 些細な事にこれほど視線が奪われ、かんじんな話の内容が掴めてないのですが、掴まなくてもいいかな〜って感じです。 とりあえず私はこれからも自分なりの島あさひの楽しみ方を変えずに行こうと思います。

満月物語(中村春菊)/ビブロス・ゼロコミックス


絶世の美女と都で評判のかぐや姫。隆明は彼女を一目見たいという友人の付き添いを 渋々引き受ける。ところがかぐや姫の正体はっ?!(O)

俺様

ホモでも何でもないんじゃ…。でも面白い。普通このパターンではかぐやは誰かに手ごめにされていても良いのにな…。隆明も男に興味なしってのが新しいパターンでグーです。色々と大変な過去や出来事が起きているのになんかのん気なのは、じじば ばと成人のおかげかもね。私はこの人の描く一癖ある年よりが結構好きなんだが、今回の年寄りは癖ありすぎじゃよ…。かぐやも女々しくなく雄雄しくとてもたくまし い。むしろ隆明が一番女々しいのではないだろうか…。逃避するたびに何かをするの は良いのだが、その方向性は間違っているぞ…。子供の頃の隆明の笑顔は何かがとり憑いているかのようだ。あの笑顔を見せる子供と友達になりたいと思う成人は度量 のある奴かもしれん…。そしておまけマンガのかぐやの疑問だが、そんな事考えるあんたが変ですっ!

★★★
じゃあな
 うまいねえ。元気良くたくましいキャラクター達も魅力的。そして各話ごとの視点の移り変わりと設定の掘り下げ方がお見事。逆に各話ごとに少しずつメインキャラがずれていっているので、カメラが隆明とかぐやに固定してくれず、要するに二人がくっつくだけのページを貰えなかったというところはあるが。
 ビブロスからの初コミックスという事で、うきうきしながらカバーを外したら、そこには何もなかった…。駄 目じゃんビブロス! アンタ中村春菊の使い方間違えてるよ! そしてマガジンゼロの「セルナンバー8」のイラストに何だか悲しい気持ちになった…。
★★★★



星に願いを(水野透子)/桜桃書房・ジェネラスコミックス


外国で事故に遭い、死んだとばかり思っていた叔父が生きて帰ってきた。大好きな「まぁにぃちゃん」と再会出来た高春だが、嬉しいのに何故かぎこちなくて…。(J)

じゃあな

 松文館から出ているコミックスより、エッチシーンが若干短い分、ストーリー部分は長くなっている筈なのだが、それで読み応えが出たかというとそうでもない様な…。ほぼ全ての収録作品が、強姦というか、強引に行為を強いられてその後なし崩しに…という形をとっているのだが、いやよいやよと抵抗している筈の受全員に「お前その体勢なら蹴れるじゃん」とつまんないツッコミをしたくなる。
 何でか「アシスタントがいらない様な画面だなあ」という印象を受けたのだが、どうしてかと思ったらこの人の画面 は極端にベタが少ないのだな。鋼と日々野先輩の話があったのはちょっとだけ嬉しかったです。ちょっとだけ。
 ところで告白します。私、この方と「遙かなる時空の中で」の水野十子先生を、同一人物だと思っていました。いや絵は全然似てないけど、透子時代がよっぽど昔の作画で、巧くなったのかと思ってたんだよ。だって近所の本屋で訳知り顔に並べて平積みしてあったんだよ?! だましやがったな、あおい書店!



走っていく日、キラキラと愛を知る(高橋悠)/大洋図書・クラフトコミックス


保育士の瀧は元暴走族。園児の隆の保護者・瓦緒に一目惚れするが、思い出して見れば彼はゾク時代、敵対するチームのマスコット的存在の少年・杉本だったのでは? 何故ちがう姓を名乗って、自分の子供でもない隆を育てているのか、瀧の関心は止まらないのだが…。(J)

じゃあな

 一昔前のビーイング系みたいなタイトルである。絵は好みだし、子供が出てくる話というのも結構好きなのだが、何となくハートに火がつかないまま読み終えた。交換日記をする暴走族の火の玉 野郎ってどうなんだろうね…あと、奥さんを酒乱にして生徒をホモにした先生もどうなんだか…。居酒屋のあんちゃんがやけにステキポイント獲得。
 収録短編の「永遠の蝉」も、最後まで読み終えると「えっ、違うんじゃないの?!」と思った。こういう、好きなタイプの作家が、好きなタイプの作品を書いてくれないとどうも不完全燃焼で焦れったい。私は直野儚羅でも同じ様な事をブツブツ言っていたような気がする。ホモって難しいね。作品の巧い下手だけじゃなくて、個人的嗜好までジャストミートしてくれないと納得出来ないのね。ホモ読者って贅沢ね。
 でも、もうひとつの収録短編「人魚姫の海」は非常に良かったです。あの刑事コンビの次回作を期待しています。

★★
俺様
お見合い結婚で結構トキメキポイントが高かったので期待して買ったのだが、 私が精神的に一番ダメダメな時に読んだものだから、なぜかダメダメ感が広がってしまった。冷静に思えばホモ二人はともかく回りはみんな不幸だらけだもんなぁ…。ところで本当に弱々な時に読んでしまったため、「B地区」という とても小さなギャグが私の心にメガヒット…。誰もいない会社で腹を抱えて笑ってし まった。 やはり人と人でないモノの恋は直野儚羅という大家がいるので、あまり心にこなかったのだが、人魚姫の海は良かったです。この人達で1冊出してみませんか? !
★★


雲とあるこう(南天 佑)/桜桃書房・ガストコミックス


山奥にある全寮制の高校に、スクールカウンセラーとしてやってきた千春。自身の傷を癒すためにもやって来たこの場所で、千春は本当の自分の気持ちを見付け始める。 (J)

じゃあな

 こんなに悩みのない学生ばかりの学校に、どうしてカウンセラーが必要なのだろうか。しかもそのカウンセラー、やっている仕事と言えばホモの斡旋である。これではカウンセラーではなく同性愛伝道師だ。絵も話も、可もなく不可もなくといったところ。唇の書き方が苦手なタイプだ。目新しいのは黒野先生のキャラクターと、結局千春の心の傷とやらが明かにならなかった点だろうか。なんだったのかなとは思うけど、まあ知らなくてもいいや…。

★☆
俺様
表紙ではあまり気にしていなかったのだが、口絵のたらこ唇軍団にちょっと困惑。 何か問題があるからカウンセラーが必要なわけであって、この学校のどこにカウンセラーが必要なのだろう?癒しの力なら前任のモモちゃんで十分じゃないか〜っ!っていうか、私は モモちゃんの方が適任だと思うのだがな。千春はまともなカウンセリングをする事なくホモな人々を増やして学園を去っていくのだが、いったいどのような心の傷を負って栗の山に来たのか結局わからないままだった。透ちゃんもせっかく出てきたんだから何か説明的な台詞を言って くれてもいいようなものなのに、最後まで千春に振り回されて終わっていた。カルメン黒野は何がしたくて栗の山にいるのだろう。自分の作ったお茶やお菓子の人体実験をしたいがためなのか? ところで根っからゲイの山口くんだが、彼は選ぶ学校を間違っているのではないだろうか。 そして根っからゲイという割には純情なんだね。
★☆


リトル・バタフライ(高永ひなこ)/桜桃書房・GUSTCOMIC


無口で無愛想。近寄りがたい雰囲気の仲原はクラスでもちょっと浮いた存在。彼と親しくなりたいと考えていた小島は、修学旅行で同じ班に彼を誘い、意外な素顔に触れる。(J)


じゃあな

 あらかわいらしい。表紙で見るより、中の方が絵がずっとかわいい。中学生二人のさわやか青春日記なのだが、不満だらけながらも大人を見下してしまうのではなく、抑圧された中で、ちっぽけな力で精一杯もがいている二人が年相応で可愛らしい。
 仲原と小島の関係も、中学生なりに頑張っていていじらしいではないか。レッツゲットホモホモよりこういうのもいいわね、心洗われるわねとおばちゃんニコニコ。御礼に理科の授業のアドバイス。「一人では飛べない蝶が二人で飛んだところで、男同士じゃ増えねーんだよ」。わかってくれたかなあ、仲原君。

★★★☆
俺様
ああ、おばちゃんは汚い物ばかり見すぎてきてような気がします。心が洗われるかのようなお話ですが、汚れちまった大人の俺はけっという感じでしょうか…。(俺様心 がぐれているので言葉を選ぶと言う事を知りません)本屋で表紙を見て「あら可愛 い〜」と手に取り、作者名を見てもしかして前に読んだ事あるよな〜と思って手前味噌ですが検索してみました。そうそうこの人は確か…って絵が全然違うやないですかーっ!あの無骨な線はどこに行ったのですか?私の大好きだった宗一兄ちゃんの話は続かないですか〜?ああいうガッツある話の方が好きっすよっ!って言われてもねぇ…。ところで、仲原くん人の人生左右するような事を中坊が言うものではありま せん。とくに君達のように友情と愛情の狭間がまだ理解出来ていない人達は、お気楽にラブラブしていなさいっ!絵が可愛くキャラクターの心情もとても可愛いのに、子供が背負うのには何だか重い話だったと思います。
★★


命令口調の唇で(あかま日砂紀)/桜桃書房・GUSTCOMIC 1〜2巻


寮の自室でボヤを出してしまい、窮地を隣室の後輩・黒川に救われた湊。しばらく黒川の部屋に居候させてもらう手前、黒川に「寮の部屋の中だったら何でも命令していい」と宣告するのだが、かねてより湊が気になっていた黒川には大変なジョーカーだった。(J)


じゃあな

 表題作シリーズに関しては、なんか最初の読みきりが一番面 白かったな。湊も人気者で男前で魅力があったし、黒川もいい具合に迫力があった。硬派そうにクールに登場したくせに、年上の思い人を修学旅行先まで追いかけてきた上に、その理由が「誕生日を一緒に祝いたかったから」って、お前はどこのイベントメモリアル男じゃー。自分的にはイヤ。こういう人。ウザ。
 粗筋から皆様わくわくされた事と思い、帯のアオリ文句でも「はやく命令して」「気がつけば淫らな命令を待ちわびているオレがいた」などと、まさにアオリにアオってくれてますが、実際は皆様とワタクシが想像した様な事は、あまりございませんでした。黒川よォ…ダメじゃん。
 二人の周囲に段々ホモが増えるにつけ、安値感が増してきたが、黒川兄のお相手はちょっと気になるな。クールなヤンエグの予感…。そして、したちゃんの、ゴージャススケール作者はやとちりダッシュ読者追いつけず高河ゆんウィルス感染死屍累々モノガタリは、なんかダメだと思って途中で読むのをやめてしまいました。「黒・真珠(ブラックパール)〜さよならなんか言わせない〜」という、何を伝えたいのかわからないタイトルの滅裂さが、本作の特徴を如実に表しているかと思います。出だしは好調だったんだけどね…。一コマだけ出てきたトランスターのその後が気にかかります。



禁じられた生きがい(斐火サキア)/松文館・別 冊エースファイブコミックス


突然彼女ににふられた真藤だが、実はその理由は、彼に執着する三崎が裏から手を回して二人を別 れさせたからだった。落ち込む真藤が勘にさわった三崎は…。(J)


じゃあな

 「バルタン星人じゃないんだから、平仮名で喋れよ」と、カタカナだらけの台詞に思わず悪態をつく。バルタン星人がカタカナで喋っているかどうか、よく考えたら見たことはないけど。
 三崎と真藤だったら真藤受がいいんだけど、でも三崎が誘い受なのかしら〜と期待しないで読んでいたら、真藤受だったのでそれだけで嬉しいから星あげます。その名も高きエースファイブコミックスなので(コミック版エヴァンゲリオンが連載していそうなレーベル名なのに、うそつきめ)ただひたすらなさっている話が多いのだが、その中でもストーリーやキャラクターを描こうとする姿勢はご立派。ヒゲの映画監督の話なんてなかなか頑張っていたではないか。違う意味で頑張っていた学園愛欲三角関係物はどう対処していいのかよくわからなかったが…先生の名前、「イマキイレ」ってそりゃ本当に人間の名前か? 沖縄の妖怪とかじゃなくて?
 三崎と真藤のモデルは、まさか大昔のサッカー漫画ではあるまい、どこかのバンドのメンバーかなんかだろうか…と思ったら、書き下ろし(つーか過去お蔵入り作)を見てびっくり。あの人たちがこうなってたんですか…そういや名前だけは似てるわ…。

★☆


ロマンチストエゴイスト(斐火サキア)/マガジン・マガジン社・ジュネコミックスピアスシリーズ


独占欲と性欲でいっぱいの三崎に振り回されっぱなしの真藤。お風呂に入ってのんびりしたいと言えばラブホテルに連れ込まれ、ちがう温泉だと言えば浴衣で緊縛プレイ? 大変な思いばかりしている真藤なのだが、何故か三崎からは離れられなくて…。(J)


じゃあな

 真藤がタイプなので意外と好きなコンビなのだった…。ロン毛美人に弱い私。たまらなく頭悪いが三崎も可愛いと言えないこともない。二人の関係がそもそも「悪ガキ友達」をベースにしているので、一緒にバーゲン行って福袋買おうとか、そんな普通 の男の子な感じがあるのもポイント高し。
  だいぶ平仮名で喋る様になってくれたが、まだちょっと。「最近」をカタカナで書くと「細菌」みたいで怖いのでやめて欲しいのだが。「細菌入れてないから」って怖いじゃんよ…。
  なんかノリのいい二人組で、ハードにエッチしつつもどことなくストイックな受がご希望のアナタ(ワタシ)にオススメ。

★★★




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