懺悔(初田しうこ)/竹書房・BAMBOO COMICS


生駒は生活指導の安藤の手に自分が幼い頃つけた 傷を見つけ、戸惑う。あの時の男が安藤なのか確認したくて つきまとう。そんな生駒に安藤も戸惑い…。(O)

俺様
さすが麗人。麗人はこういう感じですよという見本みたいな本。先生が好きなのはいいんだが、授業中に自殺しようとしたうえに他の生徒にも目撃されているのに、どうしておおっぴらに告白して抱き合うのだ? 自殺しそうでやばいと他の生徒も気付いたのなら 誰かが駆け付けてくるだろう? コクっててっいいのか?! 「君さえいれば…」は父受けになるのなら、GOGO!応援するぜっ! つーか、父受けだと思っていた私はおっさん受け大好き!
   
★☆
じゃあな
 先生受だと思っていた私。"親父受"道、黒帯の女。免許皆伝まであと少し。町田親子ももちろんパパ受だと思っていた…。最後の収録作品「教師B」のどんでん返しには、田口トモロヲのナレーションが聞こえて「地上の星」のイントロがドドーンと頭の中で流れ始めた。真面目な教師だった。正義感の強い男だった。河野は、学園を後にした…と、思わず一人プロジェクトX。何の成功もしないプロジェクトX。がんばれ河野センセイ。
 私は作者の絵柄が苦手なのでどうしても引き気味になってしまうのだが、一話一話盛りだくさんに書いてあって読み応えはある。絵に抵抗のない人なら結構楽しめるかも知れない。まあ表題作は…こんな適当な人間が52歳まで生きてこられた上に、教師として教鞭をふるっていたというのは、日本の社会に失望するが。


地獄のカワイコちゃん(加納 邑)/オークラ出版・アイスノベルズ


カラスに襲われていたコウモリを助けてあげた男子高校生の葵。コウモリの飼い主だという男に礼だと言われて無理矢理キスをされ、殴って逃げ出したもののその男は新任の英語教師で、しかも人間ではないらしくて…? 葵の気持ちはおかまいなしに、プロポーズしてくる鬼門先生の正体とは?(J)

じゃあな
 ともかくマイブーム加納邑という事で、裏表紙の粗筋も読まずにうきうき購入してしまったものだから、鬼門の正体には本当にびっくりしました。前二作に比べて、今回は受の葵がまともで常識人なので読みやすい。その分、鬼門と、葵を溺愛している彼の兄・皇介はハイパワー高出力である。お兄ちゃん「怯えるな。たかが人間に変身できるコウモリが、人間の言葉を話してるだけじゃないか」って、アンタめちゃくちゃ肝の据わった人だな…。そして鬼門の召使い・コウモリの小雨森がとても可愛いです。小雨森飼いてえ〜っ!! 最初、カラスに襲われているコウモリを葵が助けに行ったのを見て「もっと可愛いものが襲われていればともかく、カラスにコウモリじゃどっちもどっちだ」と思ったのだが、いやいや、こんなに可愛い小雨森なら、そりゃあ助けるでしょう。普通サイズのコウモリなのに、ワイングラスは持つわ、ピクニックバスケットは持つわ、あげくの果ては三角巾にエプロンでスコップ持って庭いじりさ。人間にも変身出来るのに、大抵パタパタそこらを飛んでいるが、彼に不自由はないのだろうか…。ともかく八面六臂の大活躍である。一家に一人、アシモ君より実用的。
 加納邑のすごいところは、トンチキなのに破綻がないところである。トンチキに一貫性がある。ただのくだらない話ではなく、人に読ませる為のくだらない話なのは立派。擬音や擬態語を多用してライトな文体だが意外と整理されていて読みやすい。今まで切ないボーイズラブばっかり読んでいて、あんまりおバカなものには手を出していなかったのよ〜というトンチキ初心者には、入門編として最高の一冊。
   
俺様
なかなかおもしろい作品を生み出してきた作者だが、今回も いい感じだった。だが、鬼門のキャラクターはどうもダメだ。 多少強引でバカな攻ってのはキライではないが、あんなに バカで日本語通じない奴はダメです。あ、でも人間じゃないから 通じなくても仕方ないのかなぁ…と、なんとなくキャラクター性を 認めてしまいそうになるのはなぜだ…。受攻の事はどうでも良く、 回りにいる葵の兄皇介と鬼門のおさんどん(?)小雨森にかなり ひかれた。いや、一番期待していたのは小雨森。じゃあなちゃんと 同じで申し訳ないが、小雨森飼いてぇ〜っ!! どうやってエプロンや 三角巾を自分で結んだのかとても知りたいです。そしてフルコース11品の 内訳を教えて下さい。(11品も出るフルコースってどんなの?) 庭の手入れも出来るなら、うちのあのぼうぼうな雑草だらけの庭をどうにか してくれ。あ、でも家の近所はカラス沢山いるけど、いいかな? そんなわけで読んでる最中も鬼門と葵よりも小雨森が出てくる所ばかり 夢中で読んでいた。皇介の思い込みと行動力は立派な攻として 評価すべきだが、やはりホモの世界でのエリートはどこかおかしい…。 とりあえずいつか小雨森が我が家の玄関にやってくる日を待つ。(マジで)
★★


メイク・ラブ・メーカー(B.T.あづま)/光彩書房・光彩コミックス


健康器具メーカー「タナカ」に勤務する棚田は、同僚の 穂高を体を張って手に入れようとする。ただ棚田には 穂高に見せる顔以外にも違う顔を持っていた。 (O)

俺様
シリーズで一冊にまとまっているのだが、読んでいて疲れた…。 ど、どうすればいいんですか?一話が一番生温い話だったとはね。 おまけマンガの黒須の一日のが一番分かりやすく、面白かった。 私は自分の血や痛みは我慢できるが、人様の痛みは辛くてたまらん。 とりあえずあんなもんあんな所に刺して歩き回れる棚田はいったい どういう体をしているのだろう。しかし健康器具なんだか、違うんだか 微妙な物作ってるよな。
  
じゃあな
 トイレどうするの? トイレ…。ねえ、トイレ…と、1枚のページにたっぷり2分間くらい語りかけてしまった。喬の、割り切ってクールでH好きなキャラクターのせいで、内容の割に読みやすくはあるのだが、プレイが人体構造上理解出来ない。可能は可能なのだろうか。でも楽しいのだろうか。見ている私はあんまり楽しくないや…。
 よくBL作品のエッチシーンに関して「担当さんから"もっとハードに"と言われたので頑張りました」という作者のコメントを見かけるが、編集さんが引くようなものをそれでも描くとは。おまけ漫画はとても好きだった。


KISSのアクセント(島あさひ)/コアマガジン・drapコミックス


大学生の永留(エル)はオカマバーでバイト中に、探偵で、母の命の恩人でもある陣と再会し恋に堕ちる。終わった筈なのに未だしつこく関係を求めてくる義兄をふりきって、陣に思いをぶつけるのだが、なかなか相手にして貰えなくて…。(J)

じゃあな
 誰もいない孤島に行って、思う存分この本と語り合いたい。自宅では家族が不審に思って駄目だ。まず10時間ぐらい私を一人にしてくれ。そんな欲求がふつふつとわきあがってくる、俺のあさひの最新刊。なんと本コミックスは連載作品。しかも続いてますぜ二巻に! 始まった瞬間から迷走していてどうなる事かと思ったら、はあ、そうきましたか。ストーリーのあやうさたるや、砂上の楼閣というより、もはや空中都市ラピュタの領域。何で浮いてるのかわからない…。元気で男好きなオカマバーのエリちゃんが、渋くて好みの探偵さんに一目惚れして、ガッツで迫っちゃうラブコメディ! で終わったら、どうしていけなかったのか。どうしてもこの設定を入れたかったんだね…そしてこの巻末漫画が入っちゃうんだね…。思えば渋谷のコミックステーションで見つけた時、平積みになった新刊の中で、この本は群を抜いて減っており「人気が出てきたんだ、島あさひ。そう言えば最近は結構出してるもんな。俺だけの雛鳥だと思っていたけれど、気が付いたらもう大空へ羽ばたいていく時期なんだ…」と寂しく思っていたのだが、今にして思えばあれは入荷冊数が少なかったのかも知れんな。陣が時計を右手と左手自在につけているのは個人の好きずきだからどうでもいいが、右手に時計をつけた場合も竜頭は右だ。左にある場合逆さまにつけているから文字盤が読めない。
   
俺様
表紙を見た時、SFちっくな話なんだろうなぁとなんとなーく そう思っていたのだが、違う意味でSFでした…。 なぜラブコメディではないのだろうか?これって一巻だよね?一巻。 続くんでしょ?何で続くの?だって一巻に色んな事を詰め込むだけ 詰め込んで、二巻では一体何がしたいの?普通母ちゃんの くだりは最後の山場の一つ前ぐらいで発表じゃねーの? だいたい永留が連れさらわれたのって、オカマバーのホステスと 客の揉め事でとしか思えないんだが…。何だかいい感じに読んでる側が 勘違いしそうなネタを振りまいてくれるのはいいのだが、俺と島あさひに 意思の疎通はどうやらないという事は、今までの経験ではっきりしている。 番外編を見て思うのだが、あの二人は色んな所に出張り過ぎていて、 最近では見ないと変な感じになってきた…。いかん、俺様も島あさひワールドにようこそだ…。


KISSのアクセント(島あさひ)/コアマガジン・drapコミックス  2巻


永留の出生の秘密を知った陣は、梶鏡と対峙する。一方、沼田に拉致された永留の運命は…?(J)

じゃあな
 「KISSアク」第二巻。そう略すらしいのでそう略してやってくれ。そして二巻からも登場人物の名前にルビをふってくれ。「永留(エル)」は前巻のあらすじに自分で書いたので覚えていたが、陣さんの苗字「高仰」はなんと読むのだ。そして、絶対お兄ちゃんの苗字はどうやっても「かじかがみ」としか読めないのだが、一体何と読むのだろう。わからん。この世はわからん事ばかりだ。何故肋骨を折って胸に包帯を巻いた男が自宅でシャワーを浴びながら浴室プレイ? 何故ベッドに行かないのか。包帯が濡れる事はかまわないのか。せめてシャワーは止められなかったのか。なんでみんな東映の戦隊ヒーローもびっくりする様な服を着ているのか。何故、あんなに大胆に枠外に書いてある手書き文字が間違っているなら担当は一言言ってやらないのか(「気嫌」って…。写 植なら誤植で済むが、手書きの誤字では救いようがない)。何故番外編の一コマの背景だけパースが正しいのか。何故この世で最も難しい「グラス」と「瓶」にこんなにも果 敢に挑戦して全てをダリの作品にしているのか。何故山田ジョーイが出てくると思わず嬉しくなってしまうのか。不動産業界の御大って、ジャニーズ事務所の御大とどっちが偉いんだろう。何もかもがわからないが俺は島あさひを愛している。何故愛しているのか、それが一番わからない。
俺様
なんで2巻に続いたのだろう…。永留は本当にただバカな客にさらわれただけだった。1巻であんな引き方したら誰だって 梶鏡絡みで何かあるって思わないか?それが…。いや、あさひ ワールドならアリなのか?駐車場で梶鏡に襲撃を受けていた陣だが、 お前その乱闘の仕方には問題がないか?また陣を襲っている奴等の持っている武器も何だかとってもステキに歪んでいたりする…。
肋骨を折っている陣なのだが、どうして医者はただ体に 包帯をまいたままで、コルセットとかつけないのだ? そして普通ならそのまま入院だろ?なのになぜ自宅で浴室プレイ? それも無茶な状態で…。ところで「マジ」とか使ってる殺し屋さんは いったいどんなへっぽこさんなのだろう…。岩波と瑤のシリーズは なぜ一冊にまとめないのだろ?岩波は見るたびに顔が異常なまでに 鋭角ででかくなっていくのはなぜだろう?そしてモブの人達の鼻を 描かないのはなぜだろ? ペットボトルの形がおかしいのはなぜだろう?
ああ、どうしてこんなに疑問符が出てくるのだろう?とりあえず 島あさひ健在。あんたこれからも俺達のために独特のワールドで 生きて行ってくれ。


甘い針(明治カナ子)/光彩書房・光彩COMICS


以前一度だけ寝た相手と母親の結婚式で再会してしまった綾人は、 強要されているわけではないのだが、月に何度か「あの人」に会いに行く。 そんな自分に綾人は困惑するのだが…。 (O)

俺様
絵からは想像つかないハードな世界なのは掲載誌のせいかもしれない のと、まだ2冊しか知らないからかもしれないが、明治カナ子のウケはいつも痛そうだ…。 思わずそんな事しなくてもあんた達充分心も体も繋がってるよっ!と叫びたくなる。 人が痛いのはどうも苦手だ。最後の4作は連作なのだが、孝也の同級生のメガネの 彼は受攻どっちもOKよという感じで、ポジションがとても気になる。
   
じゃあな
 いや巧い巧い。こんなにHばっかりの短編集(最後の方に掌作のシリーズがあるが)でここまで面白ければご立派。読後感もいい。二作目の「志乃」なんて「ちょっとこういう終わり方なの、ひどいじゃないのーっ」と思いながらも決して不愉快ではなく、むしろ心地いい切なさである。感動とも言うな。くそっ、絶対麗奴で人を感動させるとは、おぬし何者だ…。ハードな性描写の為に、読者を選ぶのが非常に惜しい。個人的な好みで言えばもう少し星は増えるのだが、一般的かそうじゃないかという意味で星の数は押さえ気味。ピアッシングは相変わらず苦手ですが、いつも色々なお道具をご紹介下さってありがとうございます。ファスナーなんですなあ…はあ…。


ズルい男(花咲桜子)/ビブロス・BE-BOY COMICS


枷は学校の教師である日吉の契約恋人。 日吉が他の恋人と別れやすくするために枷はニセの 恋人を演じている。当然二人の関係は秘密だけど、 枷は日吉にどんどん惹かれて行く。 (O)

俺様
表紙見て「ほう」と思い買ってみたんだが。ちっ、メガネくんが出てくるんだと期待していたのにさっ。(メガネ好きだから)しかし、表題作が 書き下ろしってどうだろう…。ビブロスにありがちな一冊目は何でも 詰め込んじまえ的ではなく、絵の変遷はあるものの、まとまった内容で世界があっちこっちに飛ばないので、読みやすい。 ところで枷はかなり瞳孔開きっぱなしだと思うのは俺だけだろうか。 後書きにTKが結婚したと書いてあり「小室氏はいつの間に結婚したのだろう」、 そしてMくんが脱退とあり「マークパンサーはいつグローブを脱退したのだろう」と 首を捻っていたのだが、SMAPの事だと気付くのにかなり時間を要した…。てへ。
  
じゃあな
 画面の存在感の希薄さに、ストーリーにまで入っていけない。白い、白いよどこまでも…。背景は全て直線。壁。窓。曲がり角。「曲がり角多いんだなあ! この学校」といらぬ感心までしてしまう。表題作、一体二人はどこで結ばれておるのやら、真剣に考えたが、どんなに考えてもわかりっこないので断念した。「密室愛人」の織田くんは、どこからあんな首輪を調達してきたのだろう。鎖の長さと言い、手に入れようと思ってもなかなか見つからない手頃さだが。


禁−少年の系譜−(吉川博尉)/大洋出版・CRAFT


新高は娼館の窓から覗く少女千鳥に心ひかれる。 だが千鳥は去勢された少年だった。それでも通い続ける 新高に千鳥は自分が館の主人の持ち物であると告げる。 (O)

俺様
うーん、なんとも独特の世界だ…。絵を見た時にどうも何かに似ていると思っていたのだが、それはもしや版画かも。 あまりホモホモもしていないのだが、娼館の主人の趣味は 理解出来なかった。千鳥はカワイイのだがどうにも 可哀相でならん。絵的にも話的にも合っていた邪眼は なかなか面白かったって、それって一番ホモじゃないじゃん…。 邪眼のような話をもっと描いて欲しいなぁ。
  
じゃあな
 昔こんな作風の漫画家ばかり集めた雑誌があった。若いお嬢さん方は文芸誌の方と勘違いされるかも知れないが、その名は『メディウム』。おお懐かしい、まるでメディウム読んでるみたいだ…というのが一番の感想。女の子が可愛いので収録作品のうち、娼館モノの二作と「カストリ画報」などはそれだけで楽しく読んだ。千鳥ちゃんの旦那さんいちいち芝居好きですね。そして「敗走」は、短くもキレ良くまとまっていたと思うのだが、最初の一ページの、ジャングルの中で「隊長と自分以外…我が部隊は全滅のようです」という台詞を見た時に、ドリフのコントといかりや隊長を思い出してしまい、噴き出した自分がちょっと情けなかった。
★☆



マジックストーンは恋の罠(若月京子)/オークラ出版・アイスノベルズ


「魔法の店」といううさんくさい店で、不思議な宝石のついた万年筆に魅入られてしまった高校生のみのり。不思議な老婆の薦めるままに、その万年筆を買ってしまったが、それ以来みのりの身体に異変が。「びっくりすると女の子になってしまう」というみのりにかけられた呪い(?)を解けるのは、老魔女とその孫・芳彬だけだった。(J)

じゃあな
 驚いたり怒ったりする気力もわかないくらいつまらなかった。どんなにベタでもこれだけの設定があればもう少しドラマというものがありそうなものだが、本当になんにも起こらない。一般的には、何かのきっかけで性転換してしまう主人公と、その秘密を知る未来の恋人が登場した場合、まず「性転換してしまう理由と法則、その始末」「未来の恋人と恋愛関係を育むにあたっての、性的な問題とその解決」「周囲に知られる心配と、それにまつわるドラマ」…が必ずあってしかるべきだと思うのだが、あっぱれ、全てない。性転換してしまう理由「魔法の万年筆だから」んー? 「性的な問題」なし。えー? 「周囲に知られる心配」両親に知られた。納得してた。おわり。あのー? これじゃ「密室の中でナイフで背中を刺されて人が死んでいました」「まあ大変。犯人は逮捕されたんでしょうかね? おしまい」で話が終わってしまった様なものだ。ある意味シュールですらあるな…。
 私はどんなすっとこどっこいの小説であっても、「それでもこんな長い話を書く事が出来るんだから、やっぱりそれだけプロは凄いんだな」という基本的な尊敬を底辺に持ってきたつもりだったが、この作品はどうだろう…。凄くどうでもいいエピソードが、3ページずつくらいの単位で積み重なっていって281ページになってしまいました、って感じ。これをこのまんま書き写して新人賞に応募したら絶対に落選するだろう。小説花丸だったらページの枠外で物凄いコメント貰えそうだ。小説家を志す人は絶対買い。
   
無星


セット ミー フリー(川原つばさ)/角川書店・ルビー文庫


ホストクラブ『ディザイア』でトップの座を争う木崎と比佐内。高校の同級生で、木崎にもてあそばれるまま悪戯に関係を持った比佐内は、彼を追いかけてこの業界に飛び込んできた。一途な比佐内に執着を感じる一方で、煩わしく感じる木崎は、ある事をきっかけに比佐内と縁を切ろうとするのだが…。(J)

じゃあな
 もう大変です。粗筋を見て大急ぎで本屋に行きました。ホストです。ホモでシノギを削るホストです。大好きです。しかも私がハワイで砂浜を鮮血に染めるほどに興奮して喜んだ、伝説のホスト・本庄続が再登場です。最高です。部屋の毛布はもちろん豹柄です。バッチリです。
 相変わらず川原つばさらしい、知性と美貌を兼ね備えながらも攻に愛される自信だけがまったくない受と、世間的にはカッコイイ色悪なのに危なっかしくて見てられない攻がじたばたしていて、じれったいなりになかなか楽しい。終わり方も「おー、やったれやったれー」というところで盛り上がっていて今後に期待が持てる。比佐内にはあんまり共感出来ないが、それでも彼を見ていると「プラトニック・ダンス」の絹一を「あんたの方がまだマシな男にひっかかってるんだから、じたばたしないで観念なさいよ。こっちの人を見てご覧?!」と説教したくなる程度には健気であるな。残念なのは挿し絵。淡泊すぎ。ホストっていうとこう、ギラギラでゴージャスで濃厚、というイメージが強いんだがこの挿し絵は如何なものか。ジャニーズジュニアみたいなホストってどうだろう…お好きな方にはたまらないかも知れないが。
 木崎を見限って医者になった方が、比佐内の人生がよっぽど豊かになる事はわかっているのだが、いーや医者になんぞならんでいい。私の為に新宿の夜の帝王となり、木崎を足下にひれ伏させてくれ。
   
★★
茶右
 まずは感想から。面白かったです。比佐内があんまりメソメソしているし、木崎は勝手なヤツで、 例えこの2人がラブラブになっても燃えないかも…というのが最初の印象だったのですが、 「本薄いし読んでしまおう」と安易な気持ちで読み始めたら、いや、後半一気に盛り上がっていきました。 ラストにかけて比佐内が木崎に仕掛けた綱渡りな賭けなどは、やきもきさせられながらも続きがとても楽しみ です。比佐内の木崎への想いが健気で分かり易いだけに、それに対し、木崎の内にある比佐内への感情がチラチラ見え隠れするのがポイント高し。 突き放してる割に実は心底好きなんじゃ〜ん?というのがそそります。
 挿し絵は比佐内と木崎に関してはオッケーでした。絵的に私が好きだというのもあるのかもしれませんが、 2人の未成熟な感じと挿し絵の線の細さが私にはマッチ。しかし他作品からのゲストだという本庄さんが 出てくると、そこだけギラギラゴージャスホスト度が跳ね上がるので、この方が挿し絵で登場するときには、 線の太さ2倍で力強くお願いします。
★★





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