迷彩天国♪(神崎貴至)/ビブロス・BE−BOYCOMICS


藤崎は金と車のために自衛隊に入る。だがそれまでモテモテ 生活だったため、数ヶ月の禁欲生活に限界がきていた。 そんな藤崎を鬼班長室見と同僚の高取が目をつけていた。 (O)

俺様
自衛隊という響きだけでちょっと買ってみた。たぶんその時 俺は表紙の絵というものにかなり目を瞑っていたかもしれない。 家に帰り表紙を見て、ある程度の予感はしていた…。 制服物は結構そそるのだが…、駄目だこの自衛隊は私の好きな 自衛隊ではないっ!俺の好きな自衛隊は空自(ファントム無頼)だと いう事を思い出せ自分っ!と、いう事で見事玉砕した俺様だった。 設定は結構好きなのだが、元からゲイって宣言しちゃう上官ってのは どうだろう?それも初エッチは砂浜(砂が入って痛いのならエッチすな) だし、逆強姦。藤崎も最初は女代わりにエッチしていたのにのめり込んでいってどうする…。私はむしろ男なのに一人で少女マンガ している高取が面白く、ほんの小指の爪先程度に応援していたりする。 高取、たぶんゲイだが本番した事はないとみた。
じゃあな
 設定は好きなのだが…。ギャグに逃げるにはドタバタ具合が足りないし、かと言ってラブストーリーに発展させるにはキャラクターが今一つ。どの登場人物にも感情移入出来ないところが敗因か。なんか久々に「感想の書きようもない」って作品にぶちあたったな。まともに評価するにはトンチキで、かと言ってツッコむにはインパクトが弱い。勢いのない変化球って物凄く打ちにくいですキャプテン。


17Guys(新田祐克)/竹書房・バンブーコミックス


渋谷の最強コンビ・賢一と春彦。「ヤバいくらい仲がいい」と噂される二人だが、実際、春彦は賢一に友情以上のものを感じて気持ちを持て余している。一方、賢一は相棒と疎遠になった様で心中焦っているのだが…。(J)

じゃあな

 同じ17歳でも菅野彰とはここまで違う17歳…。 麗人だし、高校生だし、ラブラブラビューンの純愛肉弾ホモかなーと思って、正直あんまり期待していなかったのだが、前後編などはかなり読み応えがある。賢一と春彦が関係を持ってからも「親友」で「最高の遊び友達」感覚が変わらないところが男の子っぽくていい。もっと「渋谷戦争」的な内容になってきて、新田祐克らしいパワープレイが炸裂してくれるとなおいいんだなあ。そうなの、本作、ジパング的な楽しさがなくって、まともに漫画として面白いのでちょっと嬉しいのか悲しいのかわからないの。お楽しみのひとつ、素敵なメンズファッションも、ツッパリ(死語)達の服にも結構面白いトーン使ってあったりするんだけど、まあ渋谷でチンピラならこれもアリかなって感じであんまり驚いたり出来ないの。賢一の家のベッドカバーは「あら、どこかで見たカンジ…」で「わかった!ジパングにはこのベッドカバーを大量に販売してるメーカーがあるんだ!」と思ったらそれはちょっと嬉しかったんだけど。一体、私は新田祐克に何を求めているのだろう…プレステ、ボタンめりこんでる。今は点いてない筈なのに…。じゃあなさん「何か」を求めて、どうでもいいところ読み過ぎです。
 主人公カップルよりも、先輩ステキでしたね。結構あの二人は先輩のせいでひどい目に逢っている気もするのだが、全く気にしないというか、当たり前の事だと思っていると言うか。あの質問にそのままスラスラ答えられただけでもかなりタダモノではないと思ったが、一番見せ場持っていってどうする。しかし中折のアオリ文「ロマンチシズムとダイナミズムが華麗にせめぎあう」って、あまたいるボーイズラブ漫画家の中でも「ダイナミック」と言われるのはそりゃあ新田祐克だけだろうな。プロダクション設立の折には是非「新田祐克とダイナミックプロ」にして頂きたいものだ。

★★★
俺様
俺は新田祐克に何を求めているのだろう。それはトンチキなのだが意外にも「ありがち渋谷少年、大人になりたくないけど考え方は背伸びのお年頃」といった感じだろうか?賢一と春彦は 世間で騒がれている17歳という年齢だが、とてもシビアな考え方をしているかと思えば、甘えた高校生らしい恋愛を している。あとがきに作者が書く通り「30近い役者が無理して 高校生やっちゃいました」というのも、作者本人が的を得ているので突っ込めないうえに、32歳にもなる男が20歳ぐらいの役をやっているのに目をつぶった立場としては何も言えない。 どうしても小物が気になるのは性というよりも、習性だろうか。 とりあえず、新田祐克の仕事部屋にある種のトーンが大量に ある事だけはわかった。主人公達よりも先輩がとても気になる のだが、彼の人生は楽しそうで何よりだ。でも君、気付いたら 路地裏でナイフで刺されてそうです。
★★★
フェネギー
う・・・うーんと、普通のマンガだね。新田祐克がまじめに若者ホモを描いてもあま りワクワクしない体になってしまった私・・・。だめだよ、もっとキレキレにマジマジになってくれなきゃ。妙に冷静に読んでしまって、この時間に公園に人がいないっ てどういうこと?とか、この二人どこに住んでいるの?渋谷の繁華街まで家から歩けてバイトしているわけでもなさそうで悪いこともしてないのに金がある、もしかして 松涛地区にお住まいのおぼっちゃまかー?!許せーん!とか、いやいや待て待てお住 まいが渋谷じゃなくて学校が渋谷なのか?もしかしてあの学校か?うお〜っ友達が教 師やってる学校だよ、こんな可愛げのない生徒ばっかりじゃ大変だなぁ、とか、そん などうでもいいことばかりが気になってしまった。しかしどこにでも現れる素敵な先輩は主人公二人にこっそり発信機でもつけているんじゃなかろうか。次の「新田ブランド繁華街マンガ」は池袋を所望。オタクの街池袋でひとつのキャラクターグッズを めぐってオタクな美青年たちの血湧き肉踊る攻防戦が繰り広げられるバイオレンスラ ブロマンって感じかな。楽しみだ。(一生待ってなさい)
★★☆


東京ラブアタック(ぷにこ)/実業之日本社・MBCOMICS


男にばかりモテる北島三郎は同級生の猿島悶吉の 事が好きなのだが、悶吉は後輩のしんこちゃん(男)に 夢中。どうにか悶吉を自分のものにしたい三郎だが 色々な邪魔が入って…。 (O)

俺様

ミシュランチャットを支えてくれる11時4人娘達のお勧めも あり、どーれと本屋に行ったらあったので買ってみた。 売切れ本屋があると聞いていたのだが、さすが五反田 あおい書店といったところか。表紙見て本当に4コマかよ? と思っていたのだか、中はちゃんと4コマ。ただやっぱり 悶吉と三郎よりは布袋と倒了の話の方がかなり好きだし 4コマよりも読み切りの方をかなり押す。アジアの虎の異名を 持つくせに男好きな布袋は登場は攻としてなのだが、以外にも 倒了相手には受でビックリした。つーか倒了が受って言われるよりは納得だが。そんなに倒了が好きなら他の愛人と手を 切って倒了に掛かり切りになってみたら簡単に落ちると思うのだが、なかなかどうして意地っ張り屋さん。(笑) もうお気づきだろうが私の一押しは王振さん。いやーん おじさま格好イー。倒了のあばらを簡単に折る所なんて最高っ! あなたと拳を交えて見たいっすっ!(そりゃ違う憧れだよ) 星の内訳は中国編に2つです。

★★☆
じゃあな
 中国編はまあ面白いが、「物凄く面白い」とさんざっぱら言われてから読み始めない限り、最初の四コマがだらだら続くあたりでさっさと放りだしてしまいそうである。ご主人様の為に命張ってる忠臣ボディガードの倒了(タオラ)と、ワガママいっぱいで意地っ張りで甘ったれの布袋社長は設定からしても非常に好きなコンビなのだが、4コマだけでも好きかと言われると悩むところ。読み切れないほど細かい設定資料を見る限り、作者は実は凄く愛情をもって彼らの事を創っているのに、出し方が、まるでテーブルの上に放り投げる様である。いい加減に描いてるならその設定と愛情はないだろうと思うし、丁寧に創っているならその出し方はないだろう。もう、照れ屋さん(って漫画家が照れてどうする…)なんだから。「X-ペケ-」の新井理恵がこうだったなあ、という事で、うるさい画面に耐えられる人向け。
★★


中国ラブアタック(ぷにこ)/実業之日本社・MBCOMICS


中国の天才・アジアの虎と呼ばれる布袋と ボディガードの倒了を取り巻く人間模様は シリアスとギャグを含めてとても複雑に絡みあっていた。 (O)

俺様

畜生、漢字変換が面倒臭いのでカタカナで書いてやる。 4コマとシリアスのギャップとバランスが悪く、読んでいて わけわかんなくなって腹立たしくなる。マンガは物語を わかりやすく読ませるためにあるものじゃーっ!てなわけで キャラクターも話も悪くないし好きなのだが、思わずちゃぶ台ひっくり返しちゃいました。ところでホテイはタオラが いると仕事しないし、わがままなのでタオラ殺した方が いいんじゃないの?と何度も思った。いや、むしろタオラが ホテイを殺して自分も死ねば万事オッケーなんじゃ…。 シリアスな話を繋げてトータル的な話を読み取ろうと思ったのだが、肝心な事が説明ページで語られて しまい、結局の所ホテイはズルイと言う事しかわからなかった。

★☆
じゃあな
 楽しみ方を理解したせいか、一冊目よりはずっと面 白かった。一冊全部布袋社長と倒了の話だったせいかも知れないが。ちなみに私の本作の楽しみ方というのは「ウゼェところは見ない」、以上である。そうするとかなり気軽に楽しめて良いぞ。前巻では「ストマン書いてよストマンー!」と思ったものだったが、今巻に関しては「四コマ面 白いぞ四コマー!」だった。布袋父まともなショットがないのだが、一体実際はどんな人なんだろう。ストマンになってもほっぺたのぐるぐるはあるのだろうか…そして次巻は心忠様と小春がメインになる様だが、心忠様どこをどう見ても「うしろの百太郎」だからもう少しどうにかなってくれ。怖いよー、恐怖新聞が届くよー。
★★☆
フェネギー
ギャグの4コマとシリアスストーリーが交互に来るこの構成、始めは面 食らったがシ リーズ2冊目の本作にいたってはなんだかかえって気分転換になって面 白い。ホテイ とタオラ(どうしてもタラオって読んじゃってタラオバンナイを思い浮かべてしまう 私・・・)の進展しなさぶりにイライラジリジリするが、それがまたいいと言えばい いのかも。それなりにやる事やってるのに本人達はプラトニックなつもりってのもス テキよね。ラストのシリアスを読み始めた時、すっかり作者にだまされた私は 「ぐぉぉぉっそんなっ!ホテイ〜!タオラ〜!」と叫んでしまったあたり、いつの間 にか彼らを深〜く愛していたらしい。次巻は心忠様と小春なの?ホテイとタオラも いっぱい出演させてね。


バイバイ正義の味方(鹿住 槇)/ビブロス ビーボーイノベルズ


持ち前の正義感から、痴漢を捕まえたりひったくりを捕まえたりと活躍する力(ちから)。「正義の味方」ともてはやされる彼だが、危ない目に逢いやしないかと、俊介は心配が絶えない。義兄の俊介は、実は父親の籍に入った、オヤジの「奥さん」で、ひとつ屋根の下、父親と同じ人を好きになってしまった力は苦しい恋の真っ最中。そんな「正義の味方」に近所の子供が、狂言誘拐をもちかけてきて…。(J)

じゃあな

 あああ〜いい設定だったのだが〜。何故だ。何故俊介とパパのHがないのだ。それが不満。かなり不満。ビブロスなのに〜。パパが俊介と会話するにあたって「俺・お前」ではなく「君・僕」で話すのが、最初不気味だったのだが、そのうちホンモノっぽくていいわね、くすくす、と思っていたのに。そこまで気に入っていたのに。
 表紙を見て、とても邪魔者であるかに思えた美少年の浩之は、結構さっぱりした性格の子でさして目障りにもならなかったし(どうしてこんなに美少年に冷たいんだろう、私)ストーリーもトコトコ進むし、誘拐事件も極めて常識的に解決して、そこのところも良かったのだが。いま一つ色事に弱いのと、あと「正義の味方」というテーマの使い方があまり明瞭ではなかったところが惜しまれる。

★★


臆病な指先(野守美奈)/ビブロス・BBC


榛(はしばみ)の兄、功は半年前に交通事故で急逝した。要領のいい弟に比べて気がいいだけののんびりした男だったが、周囲の人気は高く惜しまれた死だった。しかし榛にだけは、兄が死んだ金曜日の夜に、変わらず出かけていこうとする彼の姿が見える。ある夜、兄の幽霊を追いかけた榛は、兄のバイト先の後輩だった芦野と出会う。(J)

じゃあな

 たまちゃんに業務連絡です。風呂に落とした本をミシュランに寄付してくれるのはやめて下さい。ブワブワして読みにくいったらねーんだよ、オイ! …で、水没という苦難の人生にも耐え抜いた本作。表題作中編他二編を収録しているのだが、どれもそれなりに雰囲気は良し。あえて言えば、掘り下げて描く焦点を絞り切れていないのが惜しいところ。もう一歩踏み込めば、かなりいいところまで行けるのだが、ページ数とってる割にはちょっとヌルいか。表題作なんて味付け次第ではすっごく泣けると思うのだが…。男同士である事のハードルを、どれも簡単に跳び越えさせ過ぎるのも印象を希薄にさせている一因かも知れない。悪くないのだがインパクト弱し。ファイト。

★☆


キスよりもその口唇で(花川戸菖蒲)/二見書房・シャレード文庫


本を愛する事にかけては誰にも負けない書店員の青山。後輩の望は、学生時代からそんな青山が可愛くて仕方がない。望の気持ちも知らず先輩風を吹かせる青山は、望が会社を辞めるという噂を聞いて激怒するが…。(J)

じゃあな

 一冊にシリーズ三作収録。この短さがいい。あとちょっと展開が長引いたらトンチキになるところを、サクサクかわして進んでいく。読んでるこっちは「おいおい」とツッコミかけた裏拳が空しく宙を泳いで寂しいが。文章というよりも台詞が巧くて、主役カップルだけでなく、脇のキャラもしっかり口調が出来ている。同僚の逢坂さんとか青山のお母さんとか妙にうまい。一話につき一回以上Hがあるので、そこの点でもお買い得と言えよう。
 望の青山に対する愛情は、恋人というよりももはやトップブリーダー(「青山さんの毛並みはどうかな、青山さんの鼻は乾いてないかな」)の領域。望が青山を甘やかしっぱなしのラブラブで、お釈迦様の手の中の孫悟空の様に、青山は望の目の届く範囲でじたばたしている。そんな中でも青山氏は時々きらめく男気を見せてくれるのだが、ひとえに風の前の塵に同じ。このまま流されて女々受となるのか、それとも一発大逆転で男を見せてくれるのか、今後に期待したいところ。しかし台詞が巧いと書いたが、望の口調はまるで高橋留美子の漫画に出てくるにやけたハンサムみたいだなあ…。

★☆
フェネギー
青山さん可愛いね!好みだよ青山さん!気持ちのまっすぐな本おたく、本に囲まれて いるとうっとりイッちゃう変態気質、仕事を愛し、マイペースながら一歩一歩先に進んで行こうという生活姿勢も大変よいですね。望が何かにつけ「青山さん可愛いなぁ」とニマニマしてしまう気持ちがよくわかります。しかし対して望にあまり魅力 を感じない私。どうも外見は格好いいらしいが肝心の青山さんがあまり望の外見の良さにこだわっていないので読んでいる私も望の外見はどうでもよくなってしまう。望 の特筆すべき長所は青山さんにベタボレってところくらいかな。頭の中は青山さんで いっぱい。人生のすべてを青山さんにかける男。おだやかなのに我侭。そうそう、望 はホモ小説の攻には非常に珍しい「ゆったりエッチ」タイプな所がポイント高いで す。そうなんだよ、性急にガンガン行きゃぁいいってもんじゃないんだよ、人生長い んだからさ。少しずつ少しずつ青山さんを慣らして、その実しっかり調教していく望 はもしかしたらすごく考えの深いいい男なのかも知れません。青山さんが奥手だった割にはエッチ好きなところが実に楽しいですね。今後の青山さんの夜の成長に期待大。
★★☆
茶右
 望が青山さんを少しずつ手に入れ手懐けていく様子が好印象な1冊でした。望は、結構ぐいぐい引っ張っていきそうな割には優しい言葉が多い。ちょっと都合がいいかな…みたいのもあったりしますが、青山さんを 思っての言葉と思えばそれも善しかな、と。そして、その1つ1つに青山さんが心を近づけていっているのが また素直で可愛らしいです。ノンケの男をホモ道に引き込む過程で、オトす側がある程度強引に口説くのが、 私は楽しかったりするのですが、望はその強引さも丁度良く。心でどんなにエロいこと考えてても、即行動に 出したりせず、じっくり青山さんのペースに合わせてあげようとする望はなかなか高得点をマークしました。
 そして、素直な青山さんが初めての恋愛にも素直に反応して、戸惑ったり疑問に思ったり、のめり込んだり していく様子も大変可愛らしく描かれていて、楽しい。こういう、無意識にラブラブ光線を送ってくる受は、 攻めの立場で読むと、望でなくても「ああ〜可愛い…」と思えます。これが俺のものなのか…と思ったら、 頬が緩むのもうなずけます。男同士にとってのハードルを小さなものから1つ1つゆっくりクリアしていく ような2人なので、今後も変わらず歩んでいって欲しいです。続巻も期待。
★★☆


一緒にいたねをたくさん(花川戸菖蒲)/二見書房・シャレード文庫


同棲生活中の青山と望。新店舗で、店長代理として張り切る青山を、望は微笑ましく見守っている。派閥争いにも女の子の気持ちにも疎い青山だが、仕事と、望との関係を育てる事には常に前向きで一生懸命で…シリーズ第二弾。(J)

じゃあな

 質問です。望さん。「マスターベーションなんて高校の時以来だ」と言いながら、あなたは大学の時「夜間に必要だったので」と言って青山さんの写 真を入手しています。するとあなたは、作者が「いやらしさが滴る」とまで言っているその性欲を、いかように処理していたのですか。護摩壇に飾ってお経を唱えていたのですか。それとも青山さんの写 真を横に置きながら別の婦女子と…。どっちもありそうでちょっぴりコワイのです。意外ととガマの油だったりして。
 ちがう、本作は、タイトルが可愛い、タイトルだけでもう十分可愛いと、読む前からそこのところを絶賛しようと思っていたのだ。別 に望の夜の私生活はどうでもいいのだ(なら言うな)いやホント、タイトル可愛いよね。エッチがハードな割に、内容も可愛いです。望と青山さんは楽しく暮らしている様は見ていて微笑ましい。「こいつら惚れたはれたと言っている時と、エッチしている時以外、一緒にいる時どうしてるんだろう…」と思わせるホモカップルは多いが、望と青山さんはまず気の合う二人が仲良く同居している生活を楽しんでいる様でイイ感じ。
 モテモテ受好きの私としては、青山さんに夢中になってくれる男子の一人や二人出てきてくれても全く構わないのだが、まさかあれだけであそこまで望が逆上するとはな…。当て馬が出てきたら彼は青山さんを抱えて知床岬から飛び降りそうだ。くわばらくわばら。ちなみに私が本作で一番好きなのは桜井さんです。そっとサワーに細工する彼女にラブ。

★★


プライド・オブ・シープ(水無月さらら)/ビブロス ビーボーイノベルズ


めったにない美少年としてこれまでの人生ちやほやされ続けてきた本条玲二は、ホモでナルシストのやり手ビジネスマン。そんな彼が生まれて初めて本気になってしまったのは、部下の山辺雪彦。弱虫で泣き虫の雪彦が気になって仕方がないが「面倒をみる」とか「保護者的立場」とか、そんな事をこの本条玲二がしなければならないとは! しかも俺が攻って事か?! 苛立つ玲二の恋の行方は…。(J)

じゃあな
 意図したギャグホモ小説というジャンルがあるとすれば、水戸泉の「幸福のススメ」にも並ぶ快作。水無月さらら名言集というのを作って欲しいくらい、作中の言葉遣いは力強い。料亭の続きの間に布団が敷いてあって枕元におしぼりが置いてあって…という状況を「存分にどうぞ!」って表現されても…。
 登場人物は割と多いのだが、オフィス物にありがちな、ザコキャラがうようよ出てきて誰が誰だか…という事もなく、事務の女の子に至るまで個性豊かに描き分けられている。読み終わってから登場人物の女の子の名前が五人言えるホモ小説って凄い。
 ギャグ作品として楽しく読めるだけでなく、玲二は結構いじらしかったりするし、周囲の人も意外な人情味を見せてくれる。で、結局どっちが受でどっちが攻なのかという問題に関しても、私としては勿論玲二受を強く推していたのだが、玲二がそこまで覚悟しているなら、よーしわかった、君が攻でも構わん!という気になった。なったのだが…あとは読んでのお楽しみ。ちょっと古い本だが、古本屋で見かけたら是非挑戦してみて下さい。 ヤキソバンで笑えるうちが本作の賞味期限。
 
★★★
フェネギー
いいっしょ、いいっしょ、面白いっしょ、水無月さらら!私は本作と「攻め気なあなた」でノックダウン。(って他は読んでないんですけど…)こういう気の強い人が自 分のアイデンティティをぐらぐらさせて恋に悩んじゃう姿って好きなのよー!受×受 なんてどうしたら話が進むんだか興味津々。私はプライドの高いクールな受が好きな ので当然玲二受派なのだが、読み進むうちに私のアイデンティティまでぐらぐら。雪彦くん危機一髪シーンでは思わず「玲二とやるまでバックは死守よ〜!」と、まるで 雪彦受派のようなことを叫んでしまう始末。読み終わるまで「どっちがどっち?!」と 気になって寝られません。
★★★



春は君がために(藤堂夏央)/ビブロス ビーボーイノベルズ


日独伊の財閥三家から成り、全世界を支配する強大な財力と権力を持った「千年王国」。その若き支配者は各家の当主であるルドルフ、ジュリオ、麗の三人である。愛するルドルフを護る為に、自らの手を汚しながら思いを募らせるジュリオだが、ヒトラーの遺産の行方を知るエミールという美少年が現れた事から、不安にかられる。(J)

じゃあな

 世界はアホが回している。プロローグからして歯が浮く様なそらぞらしさいっぱい。設定が明らかになるにつれて話はどんどん大きくなっていくのに作品は反比例して小さくなっていくから不思議だ。登場人物の脳味噌たるやアリンコに等しい。ねえ、薬が効かなくて縄抜けが出来る人(しかし相手は自分と親しく、自分を完全に信頼している場合)を監禁する方法って、いくつ思いつく? 「縛って足腰立たなくなるくらい毎晩強姦する」っていうのは、考えたうちの二百三番目くらいになると思うんだけど、どうして採用するのだろう…。赤丸急上昇とか、もうすぐトップテンにも入らないランクだと思うんだが。しかもそれで自分が強姦疲れで倒れていては世話はない。そんな彼を「こんなにやつれていたなんて気付かなかった!」って、強姦されてた方が。お前らどいつもこいつもアホったれじゃ。
 エミールという謎の美少年が出てきた辺りまでは「ホモ小説はファンタジーっていうけど、ここまでいくと童話の世界だな」と思って、それはそれでなにか頭の体操として楽しく読んでいたのだが、第一話中盤からもう大変。そしてラストには「すかぽんたーん!」と小原乃梨子顔負けの絶叫を。それは犯罪。君達、それはただの大間違い。
 それにしてもエミールの脳味噌には結局何が詰まっていたのでしょう(からっぽ…?)日もささない場所で幽閉して育てたら、目や足が退化する以前に、骨が変形してクル病になって、一目見て「こりゃ違う」って外見に成長すると思うんだけど。この王国達の医師は診察する前にまずブラックジャックをお読みなさいな。この国の政治・医療・科学レベルは、クレヨン王国以下だ。作者は解毒治療に関しても一生懸命調べた様だが、青酸カリ飲んで死にそうなのにスタスタ歩いてきて「この浮気者〜っ!」とか言うな。それ以前に毒が効かないというなら青酸カリ飲んでも死ぬな。かなり私の心のトンチキ・ベルを鳴り響かせてくれた素晴らしい作品。きらめきのトンチキ星進呈。

俺様
じゃあなちゃんが「とにかく凄いトンキチ」と渡してくれた。 ああ、トンチキだ。とってもトンチキだ。俺のトンチキセンサー、 久々に振り切られました。いやー、こんな人達が回してる世界 なんていやぁーっ!!思わず隣の会議室で社長が大事な商談してるのに 叫び出すかと思った。みんな会社で読んじゃダメだぞ。(読まねーよ) クレヨン王国以下とじゃあなちゃんが評しましたが、比べられるだけ でもクレヨン王国がとっても可哀相です。話はとても壮大。だって 悪魔くんも復活を夢見た「千年王国」だもの。スケールはすごくでかい。 でかいが、起きている出来事はとってもとってもちっぽけで、 こんな事のためにじじい達は第二次世界大戦の時にあんな会合を 開いたわけじゃねーと落涙。三人の父母も事故で先立って正解です。 あれ?でも、そんなに重要人物達が3組一緒に出かけないよな…。 誰一人にでも何かあったら困るんだろ?なあ?回りには頭脳と 呼ばれる側近達がわんさかいるんだよな?どうして誰も止めないんだよ。 誰かが止めていればあんなスカポンタン3バカに世界がゆらゆら揺らされる 事もないのに。「いくらさんのために突っ込み所残してあるから」じゃあなちゃんは そう言っていたが、ページめくるたんびに突っ込み所が出てくるので、 俺は常に「なんでやねんっ!」「なんでやねんっ!」と心の中で突っ込みを 繰り返していました。突っ込み、沢山ありすぎて何を書けばいいのかわかりません。 受攻も逆に考えていたのであまりの展開に驚きました。 とりあえず麗が「実は私は男だったんです」と言い出さなかっただけ良かったです。 ジョゼフがあの3人に教育されるかと思うと何とも居たたまれませんが、 幼児が母親が胸にナイフを突き刺すのを見ていて泣かないってのも何だかなーと 思います。作者が史実とフィクションが混じっていると後書きで言っていますが、 いっそすべてフィクションだった方がっ!史実という言葉の使い方、考えましょう。


夏の塩−魚住くんシリーズ1−(榎田尤利)/光風社・クリスタル文庫


久留米は学生時代の友人(?)である魚住に勝手に 居候されてしまう。顔は良いけどその他の事で不運 続きでいまいち世間からズレている魚住の世話を 久留米は文句を言いながらもみていた。(O)

俺様

掲示板で話題にもなっていたので、ステーションで探すが、 なかなかみつからなかった。そりゃ「俺の塩」で探してりゃみつかりゃせんて…。シリーズという事だが、1巻は魚住も 久留米も自分の気持ちに気付く所で終わっている。 珍しく読みやすくサクサクと読み終わった。文体もそうだが、 当人達の思考がホモ思考でないという事と、ホモ特有のアホらしい 悩みを持っていないからだろうか?まあ自分の気持ち気付く所で 終わっているならそういう悩みが出て来るのは2巻以降だろうけど。 生まれつき不運であったり不幸であったりする人はその状態が 普通なので、回りが勝手にそう思い込むだけで本人は何も 感じないもので、逆に幸せな状態もわからない。なので魚住が 不運で不幸だと言っているのは回りの人間ばかりで、当の本人は どこ吹く風で生きている。そういう人間は放っておくに限るのだが、 不運や不幸の方が引力が強いものである。マリと響子と濱田は魚住に引きずられ、それを無理矢理に理由づけて肯定しようとしている。 中途半端に頭の良い人間は何かしら理由がなければ自分の行動に 自覚が持てないものなのだろうか?魚住に関わる人間の中で 引きずられていないのは、久留米の隣のインド人サリームだけである。 やはり国と宗教と考え方違うから?響子や濱田はともかく、 マリに関してあまり書かれていないのが気になる。2巻以降のお楽しみなのかな。

★★★
じゃあな
 騙されるなみんな。魚住から「不運」というアイテムを取り除いてみろ。ほら、ただの生活能力のないぼんやりした美青年の出来上がりだ。と、いうわけで、らっきょの皮を剥く様に、次々と出てくる魚住の、のんびり語られるわりには壮絶な過去に、彼を取り巻く人々は皆いちいち翻弄されている様だが、別に男でも女でも美形でもそうでなくても、不運でもツキまくりでも何でもいいから、大抵の人が出来る事を出来ない人がいたら助けろ。その人がそれが出来なくてどれだけ大変かなんていちいち考えるな。君は出来る。彼は出来ない。なら君がしろ。彼はきっと他の何かが出来る。そうして地球はいつかバリアフリー。…そんな事を考えてしまう作品だった。顔以外の全てが不自由な魚住。私はこういう、不思議ちゃん受は嫌いではないのだが、それにしてももう少し向上心というものを持ってくれたらもっと好きだ。魚住よ、お料理を習っている時の君は輝いていたよ…。
 冒頭で、久留米の部屋の鏡が何度かけ直しても曲がる。壁の方が曲がっているかも知れない…という何気ない描写があるのだが、これが妙に印象的で「おっ、これはいける」と思い楽しく読み始めた。自分の感情を知覚していない魚住と、自覚したくない久留米なので、二人の心の変遷は描写から読みとるしかないのだが、軽妙洒脱にして突き放した表現力でうまく伝えてくれている。じれったい事はじれったく、魚住も久留米も鏡が曲がっている事を気にしている様だが、元々壁の方が曲がっているのだからどうしようもないという事を早く悟って頂きたいものである。
 しかしながら、何だかすっごいイタイ落とし穴が待っていそうで、読んでいる間は結構楽しかったのだが読み終わったら暗い気持ちになってしまった。おそるおそる次巻を手に取るとしよう。
★★★


プラスチックとふたつのキス−魚住くんシリーズ2−(榎田尤利)/光風社・クリスタル文庫


相変わらずな日々を過ごしている魚住の前に現れた人物は 昔かかわった心理カウンセラー日下部槇彦に酷似しており、 魚住を動揺させる。槇彦の弟貴史は魚住の事を知っており、 兄の死んだ原因を聞き出そうと魚住を拘束する。 (O)

俺様

私はJUNEの作品に関しては、本当の評価はシリーズ物なら2冊目以降、 単発なら2作品以降からとなる。なぜなら、昔っから感じている事なのだが、 JUNEの作品というのは話数が増えるごとに話がおかしくなって行くからだ。 一作目を読んで「こりゃいいぞ」と思っても続けば続く程「なんじゃこりゃ?」 になり、どれもこれも似たり寄ったりに話が展開されていく。私が勝手に 作った言葉だが、どれもが「JUNEテイスト」されていく。どうも同性愛者は 人間的な欠落を持っていて、たぐい希なる才能を秘めた人達とJUNEは 勝手に思っているようだが、そんな奴ぁ滅多にいねーよ。ホモだって普通に 生きてるさ。常人の書く欠落のある人間はどこかがおかしい。欠落して いるのだから常識では計り知れない事をしでかして当然なのに、常人的な事を 考えさせようとする。魚住のキャラがどんどん中途半端になっているような気が するのは私だけだろうか?久留米への気持ちに気付いた段階で、魚住は普通の人間になっているのに、なぜその他の事に関してだけ突飛なのか?まあ、長年 そうやって生きてきた人間だからしょうがないちゃしょうがないか…。 マリと濱田に関して言えば、久留米と魚住をくっつける事によって自己満足を得ようとしている感じがする。その姿は見合いの席で「あとは若い人同士で」 と言って席を立ち、あまり乗り気ではない当人達をホテルの庭園なんかをぎこちなく散歩させるヤリ手婆のように思えてならない。日下部兄弟の登場は 1巻の流れから行くと唐突ではないだろうか?もっと時間をかけてから登場して 魚住を追いつめた方が良かったと思う。(どっちにしても追い詰めれてないか…) 久留米サイドという事で登場してきた安藤もまた登場が早いのではないだろうか? 美味しい物は後に取っておけという事でマリと濱田の事はあまり書かれないのだろう が、 食事を始める前にデザートを出しまくるというのはよくないな。書き下ろしは サリームの話だが、展開がすぐに読めてしまっていまいちだったし、こういう事で サリーム使うの勿体無い。JUNEのシリーズで私に3巻以降を読ませた作家は 今の所いない。次巻が本当の勝負だな。

★★


恋人はピカレスク(真船るのあ)/白泉社・花丸文庫 1〜3巻


フリーのフードコーディネーター天羽芳純は、社長の次男・能勢勇二が経営する子会 社へ出向を命じられる。異動に不満な天羽は、他社への転職の手土産に能勢の開発し た新技法を盗もうと画策する。(F)

フェネギー

天羽が好みなの〜!クールで毒舌で仕事のできる美形受!しかも情報をリークしてし まおうとする悪いヤツ。どんなに能勢にラブラブアタックされても心を閉ざして一刀 両断にしてしまうところがニクイ!いつの間に能勢が天羽に惚れたんだかちっともわ からなかったが、天羽が好みだからいいの。「俺は都合の良い相手なら誰とでも寝るのさ」とか言っておきながらマグロだったけど、天羽は好みだからいいの。結局そん なに悪党じゃなかったけれども、天羽は好みだからいいの。2巻になると甘々になっ ちゃうかな?とも思ったが、そんなこともなく天羽が毒舌を吐いてくれていたので大 変に嬉しかった。受が毒舌を吐けば吐くほど喜びに心が震えるフェネギー。3巻にな るとさすがに天羽の牙も丸くなってきてしまったので、4巻以降が出たら私的にはダ メになるかもしれない。受には常に牙と爪を研ぎ澄ませておいてほしいものだ。能勢 のお兄さんの意地っ張り美形受ぶりに多大な期待をしていたのだが、蓋を開けたら純 情可憐な健気受でちょっと肩透かしだったのが残念。

★★★☆




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