さらばDiary

僕に任せて下さい(11/24)

暴走呉服列車は相変わらず止まるところを知らない。
急行なのか。停車駅はないのか。

私は自分を「おしゃれな人」ではないかと勘違いしていたが、よく考えたら上から下まで同じメーカーの商品で揃えて、色は殆どが黒である。ただの横着者であった。
それが、着物という色の洪水の中に飛び込もうとしたのだから無謀という他ない。着物。帯。半襟。帯締。帯揚。…足袋と草履を入れたら、気が遠くなるほどの色彩処理能力を要求される。全部黒にしたって行ける場所はお墓だけである。

しかも、遠慮しながらも着ることは着るので、先日は早苗ちゃんの誕生会に「洋服の中でも浮かない様に…」と気を遣って、無地っぽいお召しと洋風の帯で出かけたが、羽織が真っ赤な縮緬絞り入りであった。こうして文章にしてみると、頭を抱えて座り込みたくなるようなコーディネートだが、どんな脳内麻薬物質が出ていたのか、着つけている最中は気がつかないのである。その日の午後ぐらいになって「TPOにも合ってなければ、おしゃれでもないじゃん、これ!」と我に返るのだが、時すでに遅しである。

で、翌日は大島にえび茶の帯を締めて、黄色の帯締にのみ華やかさを託してみたのだが、たかが組紐一本にそんな事を言われても紐とて荷が重かろう。会う人ごとに「シックね」と言われたが、「地味」の暗喩であろう事は間違いない。そうしてまた午後ぐらいになって頭を抱えたくなるのだった。

いい加減パンチをくらってKOされればいいのだが、さすが内海ファン。打たれ強い。もはやパンチドランカーと化した私のケモノキモノ道はまだ続くのであった。

で、自分のイタさに猛ラッシュをくらっていて、打ち所が悪かったのか久しぶりに内海光司ブレイク計画を思いついたので聞いて欲しい。前々から「内海光司を声優に!」と主張してきたのだが、このたび声優業界では、物凄い王座が一斉に空席となった。そう、ドラえもん主要キャストの座
である。

ざっと調べたところ「大山さんら五人の主要キャスト」としか書いてなくて、一体ドラえもん役以外の誰が降板するのか不明なのだが、まあ順当に考えてドラえもん・のび太・スネ夫・ジャイアン・しずかちゃん…の五人であろうか。えっ、のび太のママとかそのままなの? 思わず調べてしまったのび太のママ(名前は野比のぶ子。幼い頃ドラえもん博士だった私は知っている)のキャストは千々松幸子さん。1937年生まれの66歳。大山さんの69歳よりはまあ…いやしかし…。
いや、私が狙っているのはのび太のママの役じゃない。もちろんドラえもんじゃない。決まってるだろう。ジャイアンだ。

「ぴちぴちピッチ」に男のマーメイドとして出演する野望は果たせなかったが、これならどうだ。臨場感溢れる凄いリサイタルにあなたも「たすけてぇ〜ドラえも〜ん」。確かに、現在のたてかべ氏の稚気溢れるガラガラ声と平素の内海光司の声はだいぶイメージが違うが、彼も役者魂でそこのところは作り込んで頂きたい。そしてリサイタルでは本領発揮だ。お茶の間騒然。全国のちびっ子たちも「たすけてぇ〜ドラえも〜ん」。いや、演技よ! 演技! そういう演技をするってハナシ!

内海光司がジャイアン役に選ばれば、毎週のビデオ録画、番組改編期の特番、映画とその舞台挨拶など、私もにわかに忙しくなる。ケモノ列車からようやく下車出来るかも知れない。

まあ、ジャイアンとスネ夫は高木渉・大谷育江コンビ(コナンの元太と光彦)でいく方が、ちびっ子たちにはすんなり受け容れられる様な気もするけどね。 



勝負顔。



暴走呉服車(11/6)

最近着物が好きである。

「着物に凝っている」などと言ったら「林真理子みたいだね」と言われたが、あちらが財力にあかせて人間国宝級のものを見初めているのに対して、私は古着屋とネット通販であるからスケールとしてはまるで違う。
しかし、林真理子が今、あれだけ夢中になった着物とちょっと疎遠になっているあたり、飽きっぽいところはよく似ていると言えよう。

私もいずれ飽きる。きっと飽きる。私がこれまでの人生において飽きなかったのは内海光司と漫画だけだ。自分のその飽きっぽさを自覚した時から「どうせ一年と続かないのだからそれまでは全力で遊んでもよかろう」と自分に寛大になった。自分からお許しが出たので、最近は休日はショップめぐり、平日はネットショップめぐりと、日々物欲にまみれている。

欲しいものはいくらでもあるのだが、財力もさる事ながら、着る機会がないのが問題だ。平日はまさか無理だし、私の休日のお出かけと言えば、芝居に行くかドッグランに行くかぐらいのものである。あとイベント。芝居はともかくドッグランに着物を着ていくのはどうもバカバカしいし、イベント(同人誌即売会場)で着物を着ていると、コスプレ禁止なのに目立とうしている人みたいでイヤだ…と言ったら知恵子さんには「歴史ジャンルだと結構いるよ、お着物のひと」と言われた。今から新撰組にでも転向するか。

しかし、夢中になって着物を買っても、着る機会がイベントしかないってどういう事。以前、知恵子さんがかわいいワンピースを買って「どこで着ようかな。コミティアに着ていこうかな」と言ったのを「せっかく服買ったのにコミティアかよ!」と罵った覚えがあるが、しょせん同類であったか。そう言えばこの前、いくらさんに冬物のコートを譲ったら「ありがとう、これで冬コミで外に並ばされてもあたたかいよ」と言われた。そんな人ばかりでいやだ。

そもそもどうして着物熱に火がついたかと言えば、「あかね空」の初日に天河が着物で来たのが大層可愛かったからである。それが、女としての自己顕示欲もさる事ながら、内海ファンが芝居に着物で来る、というのに何だかピコーンと来たのである。歌舞伎座の海老蔵ファンのお嬢さん達が、最前列で着物で、海老様に熱い視線を送っていた姿が脳裏にフラッシュバックしたかも知れぬ。あれは何だか、古き良き時代の「お嬢様の役者狂い」みたいで、ミーハーと言うよりもっと優雅で上品な感じがしたのである。上品なファンのいる内海光司。いいんじゃないの。

それで、初日から楽日までの間に私は暴走し、今に至る。まだ暴走中。でも「内海光司の芝居に着物で行く」というゴールが、もう見えないの。次の仕事の予定がないから。このままあてどなく走り続けないといけないのかしら。一過性のブームで終わってくれないと財力が続かないんだけど。



カケルのくせにおしゃれするなんて生意気よ。
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