さらばDiary
エリカのバースデー(1/5

ようやく帰京した私を出迎えてくれたのは、血まみれの愛犬であった。
誰に似たのか大変性格のよろしいケイトは、私が出張中、次姉の犬・フィッツ兄ちゃんと一緒に長姉に面倒をみて貰っていた(次姉は湯治に行った…)。姉が私の家に泊まり込んでくれていた為、ケイトにしてみれば自分のなわばりににーたんを住まわせてやっている状態。事あるごとに「このおもちゃ、けーたんの」「このクッションも、けーたんの」「にーたんは、よその子なんだから、ダメ!」とフィッツをいじめていたらしい。ガマンの限界に達したフィッツに「いい加減にせえよワレ」と耳を噛まれたのだそうだ。
歯があたった程度で大した怪我ではないのだが、皮膚が特に薄い部分なので意外と出血し、白い犬なので派手に血まみれになった。可哀相ではあるが自業自得なのであまり同情する者はいない。いくらさんに言ったら「『家なき子』の榎本加奈子みたい」と言われたが、まさにそんな感じである。「にーたんにもわかるように、けーたんが喩えてあげる!」そんな彼女も今日で二歳になりました。大人げないけど人間年齢にすると23歳。飯田圭織と同い年です。ちなみに安達祐実とも同い年です。エリカお嬢様のくせに。


「けーたんが豪華客船ならにーたんは泥船。」


目標(1/2)


相変わらず労働するワタクシであるが、売れないこと甚だしい。いや、折角の正月に不景気な話で恐縮だが、これはもう企画そのものが外していたという事だろう。ギャグの様に売れない。今年も私は売れ残り、嫁ぎ遅れるという不吉な暗示かも知れない…。朝食ブッフェで会うイケメン板前だけが心の潤いであるが、食事も朝食だけみたいなものなので、もはやイケメンだからステキなのか朝食時に会うからイケメンなのか、脳に糖分が足りない今では、自分の判断に自信が持てぬ。
イヤイヤ。正月くらい前向きに。新年の目標などたてようではないか。まずは昨年の一月の日記を見て、目標を達成出来たかどうか反省などしようと思ったら、昨年の今頃の私は龍騎の最終回に向けて一人で脳内キリモミスクランブルを起こしており、新年の目標などたててやしなかった。今年は去年よりはまともな人間になったと言えるだろう。勝った。去年の私を超えた。
そんな一回り成長した私の、今年の抱負。「心に棚を作れ」。思えば私は二つの事を同時に出来ない人間であった。いや、テレビ見ながらお菓子食べてパソコン使いながらマンガ読むとか、そういう事は得意なのだが(それはただの「ながら族」ですよ)、例えばやるべき事が目の前に二つ以上並ぶと、ひとつを片づけなければもう一つにとりかからないという悪癖があった。
自分では「自分は二つの事に集中できるほど器用ではないから」という謙虚な言い訳があったのだが、そうしてのろのろと一つ目をこねくり回しているうちに時間的余裕はどんどんなくなっていく。一つ目をやっとこ片づけた時には、二つ目に残された時間はほんの僅か。本来ならば一週間かかる作業を一日、半日でやっつける事になる。お前むしろそんな瞬発力と集中力の方がないやんけと自分で自分にウラケンでツッコミたい。
今年は心に棚を作り、集中力も時間も感情も、さっさと「それはそれ、これはこれ」で切り替えていこうではないか。目指せマルチタスク。増やそう心の内蔵メモリ。今8MBくらいだから…せめて16MBくらいに …(弱気)。



勤労元年(1/1)


新年明けましておめでとうございます。
私は今、大リーガーも泊まる某有名旅館に来ております。温泉はガラガラで貸し切り状態。宿のサービスも素晴らしく、静かな元日を迎えております。出張中ですが。
じゃあなさんのお仕事は物販なので、人が遊んでいるところにスススススと擦り寄っては、そこで商いをするのであります。正月の温泉旅館、真夏の避暑地の高原ホテル、と、あちらこちらで浮かれた旅人を待ちかまえてるのであります。夏は自分の別荘に泊まるから気楽なものだが、今回は同じ宿に泊まらせて頂くこととなった。何しろ広大な敷地を誇る巨大ホテル&旅館なので、近隣に安く泊まれる様なビジネスホテルなどないのだ。温泉旅館はあってもお正月料金で高いし、大体予約がとれない。ならば同じ旅館で、融通して貰って、何とか安く泊めてもらうしかないのであった。
旅館の方はもう言語同断のお値段なので、ホテルの方に宿泊しているのだが(勿論大リーガーがいるのは旅館の方だ)それでもファミリーホテルだからシングルルームなんてない。ツインをシングルユースするという贅沢さである。その代わり食事がない。このホテルは一泊二食が宿代に含まれているので、無理を言ってそこを削って、宿泊費を下げてもらったのだ。見かねたホテルの人が朝食だけサービスしてくれた(昼食は仕事の都合上食べる時間がない)が、夕食は持参のカップ麺とかフリーズドライのご飯である。お湯をかけると親子丼が出来る…なんだかSFチックな正月だ。さすが人類も二十一世紀にもなると、おせちさえ宇宙食みたいなご飯になるんだなと感心する。未来派じゃあなさん。一人で未来人気分。
前述の「お風呂がガラガラ」というのは、要するに皆が部屋で夕食を食べている時間にお風呂に行くからである。あまりにも誰もいないので、女湯と男湯を間違えてやしないか不安になるほどだ。
正月に出張と言うと皆、驚く。会社の仕事納めでも「明日から冬休みだ」という同僚を背に一人出張の準備をした。寂しい…。なんと因果な商売かと後ろ向きな気持ちになっていたがしかし、いざ旅館に来てみると、ホテルのスタッフの皆さんはきびきびと笑顔で働いている。お正月という、ホテルスタッフにとっては一年で一番忙しい時期を迎え、むしろその日にシフトに入れる事に誇りを見いだしているかの様である。そりゃそうだ。足手まといの新人なんて一番忙しい日にはいらない。熟練の、気の利くスタッフこそ必要な時だろう。
爽やかに働くスタッフを見るにつけ、自分もこんな事ではないとやる気モードに入ったじゃあなさん。よし、やるぞ。今年も働くぞ。内海光司が働かない分も働くぞ。いや、そんな代替は効かない。内海光司は内海光司で馬車馬の様に働くがいい。私は私で頑張るのだ。でもさあ、ホテルスタッフの皆さんは、もう少しいい晩ご飯を食べている筈だよねえ…ああっ、やる気が…っ!


おーきいねーたんとお留守番です。


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