目を閉じないで(西田東)/竹書房・BAMBOO COMICS


身体だけの関係だった男と別れたばかりの村上。営業から業務部に異動になって、新しい上司の花田次長が何だか気になる…。包容力があって真っ直ぐな花田に惹かれないように、いっそ避けられてしまえばとカミングアウトするのだが、花田の態度は変わらなくて…。(J)


じゃあな

 いいなあ。収録作全部いい。どのキャラも不器用で暖かみがあって皮肉屋でかわいい。読み終わるとキャラの名前や容姿が頭に残らないのが問題と言えば問題だが…ん? 別に問題でもないか。いいか面白ければ。
 洋画の様なビシッとキマる台詞ではなく、カッコイイ、渋い、気が利いてる…んだけどどこかちょっとズレてる。キマりすぎない男の可愛さが、すごくいい味を出している。石原理がショーン・コネリーなら西田東はニコラス・ケイジか。
  これを読んでから、内幸町のスターバックスにいたら、目の前に喫煙の為テラスで談笑しているサラリーマンが沢山いて、何だか昂奮してしまったよ。

★★★★


彼の肖像(西田東)/新書館・ディアプラスコミックス


パッとしないイラストレイターの夏樹は、実家から金目の物を失敬しようと忍び込んだところで、見知らぬ青年と出くわす。麻生というその青年は高名な画家である夏樹の母が目をかけているお気に入りの弟子だという。爽やかな笑顔で礼儀正しい好青年と、夏樹はとんでもないところで再会する事に…。(J)


じゃあな

 西田東とか今市子とか山田ユギみたいに「はい、面白かったです」としか書きようのない作家の感想を書くのは難しい…しかも「目を閉じないで」と本著を一緒に購入して続けて読んで「西田東祭だー」と一人で喜んでいたのはいいが、感想二連発という難題が待ちかまえていたか…。えーと、面白かったです。おしまい…。
 じゃなくて。「目を閉じないで」連作の典子さんも魅力的だったが、本作の夏樹ママもいい感じの女性キャラクターである。女性も描けるんですね(失礼)。しかも巧いですね。絵が、ではなく(もっと失礼)。太田さんも何気に良かったですね。羽交い締めにしてるところがナイス…。
 「誰がために」は私の大好きな朴念仁従者とバカ坊ちゃんで、とても良かったです。もう、良かったとか面白かったばっかりで、子供の読書感想文みたいでイヤになってきた。「主人公ががんばるところがすごく良かったです」みたいな。当時そんな事ばっかり適当に書いて面白くもないのに絶賛してたっけ…。だから今、こんな毒舌感想屋になっちゃったんだろうな…。トラウマスイッチまで押しそうなのでこのへんで。はい、面白かったです。

★★★★


ナースがお仕事(星野リリィ)/マガジンマガジン・ジュネコミックス


いつも先輩に怒られてばかりの新人のユウナース。ドジでダメっ子だけど、担当患者である武士さんの為なら身体を張って検査しちゃいます!(ai)


愛恵

そうか。ついにここまで来たか。読んだ瞬間気が遠くなった作品。初めてリリィを読んだのが「都立魔法学園」だったので、可愛い系の作家だと思い込んでしまい、その後「かわいがって下さい」を読んで目玉が飛び出るほどびっくりした。
待て待てきっと幻だ「花嫁くん」みたいな可愛い路線なのよこの人は!!と思ってみたが、読む本読む本どれも喉から目玉が飛び出すものばかり。今回はナース(男だけど)(でも外見は女の子にしか見えないけど)が主人公なのでそのものズバリお注射やら色々あります。はっきり言うと飲尿がありますイエア! リリィワールドではこーゆー検査方法が常識なのかへーへーへーとボタンを押し続けていたら最後に「武士さんだから特別」と告白したので、ああ良かった。やっぱりこの方法は異常だったのね!とホッとしたのも束の間。オシッコ飲んで健康になってきたと判断できたユウナースは、つまり、他にも健康なオシッコを飲んだことがあるってことじゃないの?騙されてる騙されてるよ!!

★★★


君のために泣こう(英田サキ)/大洋図書・SHY NOVELS


幼い頃から離れて暮らしていた静一と亮介は、父親の葬儀をキッカケに再び共に暮らすことになる。初めはギクシャクしていた二人だが、いつしか心を通わせ……。(ai)


愛恵

「兄弟本ですよ」とお薦め頂いて即購入した本。ゲヘヘ。兄弟!兄弟!兄弟!小躍りしちゃうくらいに兄弟。神輿担ぎそうな勢いで兄弟。実は血が繋がってないのがちょっとチッって感じだけど、でもOK。兄が少し女々しいのがチッチッチッ!!でも兄弟なのでOK。当て馬の武井や同僚の理彩子が途中でフェードアウトしちゃってあれ?!と思っても兄弟なのでOK。なんて素敵な兄弟フィルター。みんなも兄弟を好きになればこんなに幸せになれるのに。兄弟というフリカケがあればご飯が何杯もいける。
こんな風に書くと兄弟設定じゃなければつまんない話なのかと思われそうだが、決してそんなことはなく、静一と亮介の惹かれあうくだりなどグイグイ引き込まれて新人とは思えない力量。普通に面白いので是非みんなも読んで兄弟に染まるがいい!!あら本音がぽろり。
ただ、いくら兄弟フィルターをもってしても、会社を休んでばかりなのにクビにならない静一は疑問に思えてならなかった。

★★★


塔の獣(楠本弘樹)/ビブロス・ゼロコミックス


浮浪児のルッカが偶然街で出会った青年・エドガーは、ルッカの緑の瞳を気に入って自分の屋敷に招いてくれた。そこで実の弟の様に可愛がられて暮らすルッカだが、仕事がしたいと申し出ると、エドガーは「塔の住む獣」の世話を彼に依頼する。(J)


じゃあな

 第一話は完成度が高いのだが、引っ張るほどのネタでもなかったのか、後はちょっと間延びした印象。絵は巧い(キャラは何となく二次創作風)けど途中で微妙にコロコロ作風が変わる。作品全体のイメージもそれにつられてか右往左往しているところがある。
 エドガーは好みだけど、ルッカが受なんでしょ…と、何となくあきらめ顔で読んでいたのだが、途中の展開にびっくり。ルッカ、あんた、マジひどい。謙遜しながら棍棒で殴りつけてるみたい。「ルッカ鬼畜攻か?!」とすら思った。そしてエドガーは一人マゾ受か…。隻眼の少年×暗い秘密のある孤独で人恋しい青年…と思えばいっそ好みの設定だな。

 なまじ絵が巧くて話がありがちな分インパクトは薄いが、ルッカの所業だけは衝撃的だった。そして作品を振り返ってみると、冒頭のエドガーがなんであんなに金持ちだったのか不思議だ。

★★



Honey/Chocolate(奥田七緒)/コアマガジン・ドラコミックス


阿佐田の恋人はカッコイイけどちょっとヘタレな哲雄先輩。一緒にいるだけで幸せな阿佐田だったが、哲雄が見知らぬ女性と仲良さげなのを見て胸が痛む。(O)


俺様

まさか、続きがあるとは思わなかった阿佐田と哲雄編。でも私はほんのちょこっと出てきた明神と諏訪内に心躍るのだった。
付き合っているはずなのに、全くそんな感じのしなかったアサちゃん。哲雄と親しげな女性の登場に心が痛むのだが、なぜ心が痛むのかわからないアサちゃん。アサちゃんそれは恋よ、恋っ!!って、あんた哲雄と付き合ってるのに…。すっかり長年連れ添った老夫婦みたいな諏訪内と明神と違って初々しいぞあんた達!!
この人も描く女の子が可愛くて嬉しい。とはいえ絢矢ちゃんは哲雄もアサちゃんも全くもって眼中にないところがイイ!絢矢ちゃんパパの髪型ネーミングセンスが楽しいのもまたヨシ。本当にこの人は私の受秘孔を突いてくるうえに、受と攻のバランスも凄く良い。表題作もセンセーとご家族もキスシーンしか出てこないのにものすっごい満足した。また瑞希ちゃんも可愛くて良い妹キャラとしてかなり萌えるってこれホモの感想じゃないじゃん…。

★★★★
じゃあな
 私はこの大学では若宮と安斉が格別に好きなので、あまり出番がなくて残念な限り。「キャプテンは?」と言っていた後ろ姿が若宮? こ、これだけか…。表題作は元々おバカな二人だけに、じたばたしている姿も微笑ましい可愛いラブストーリー。
  あと「センセーとご家族」という短期集中連載が併録。これ、先生とお兄ちゃんより、パパと瑞希ちゃんの方が見てて面白かった…。
★★★★


SALVA ME(紺野キタ)/大洋図書・CRAFT SERIES


教会で歌っていた少年が気になっていた。中学で再会した時になぜか無性に腹が立ちいじめていた。高校になり、彼が成長した事もあり、中学と立場は逆になる。その後も不思議な縁は続いていく。(O)


俺様

待ってたよ紺野キタ〜!!でも本当は秘密の階段シリーズを一番待ってます…。推薦帯の藤たまきの絵が一番ボーイズらしさをかもし出しているってのも何だな〜と思いつつ、紺野キタの描く少年は臭い汗の匂いなんかしない感じがする。司本人はあくまでノーマルなのに、勝手に感化されていけない道を踏み出してしまった岡島くんの将来はかなり心配です。
天使も踏むを恐れるところで最初に登場したアーネストはヒゲを剃れば美形なんだろうなと思うのだが、ヒゲははえてる時はかなりの面長だったよな…。とても美しい様々な愛の物語なのに、アーネストとジェイムズよりもクラリッサとネリーの方が気になってしまうのはなぜだろう。心豊かなクラリッサは妄想を心の赴くままに本にしたりしないのだろうか?いや、妄想ではなく現実か…。うっかり日記なんかつけてたりしたら亡くなった後に家族が故人を偲んで本にしちゃったりして、親しい人に配ってしまったりして、書いた本人よりもジェイムズとアーネストの方が恥をかいてしまうので、あくまで妄想ですませているのが良いのかもしれないが、ジェイムズめ受だったとは…。ちっ…。

★★★


セルロイド ハーツ(天羽宥貴)/フロンティアワークス・ダリアコミックス


高校生の尭(あき)は芳森先輩とつきあい始めたばかりで薔薇色の毎日。ところがある夜、目隠しをされ素性も判らぬ男に強姦されてしまう。先輩に打ち明ける事も出来ず、心身共に深い傷を負った尭の前に、「その男」が現れる…。(J)


じゃあな

 冒頭の、尭と芳森先輩の、同性愛という禁断の壁を容易くぶち破った初々しいラブラブぶりに心地よい頭痛と歯痛を覚えていたのだが、急展開の手ひどいレイプに結構ダメージをくらった。その前に女性が無惨に凌辱される描写のある小説を読んでいたので、そのせいで痛み倍増なのかとも思うのだが、呑気な作風だった天羽宥貴にこんな展開が! と裏切られた気持ち。
 こんなサイコな展開になるなら冒頭で少しはふっておいてよ、イベント会場でしか買えない様なお花のトーン貼ってないで。そもそも正視に耐えないセックスシーン(絡み合う人間の裸体が描けるか、という画力の問題で)がこんなに嫌な展開で始まるなんて、まったくもって心がささくれ立ちました。変な人体とか変な洋服とか変な宇宙生物とか見て癒されようと思ったのに逆効果。実家に帰らせて頂きます。私はたとえ仁がどんなに改心しても、どんなに深い心の傷を持っていたとしても、死んでお詫びしない限り認めんよ。。

俺様
作者がシリアスで深刻なテーマは久しぶりとあとがきで書いてますが、久しぶりも何も今までトンチキな作品しか読んでなかったと思うのは私の気のせいでしょうか?裏表紙だけ見るととても作者の作品とは思えないのですが、やはり表紙のどっから毛が生えているかわからない仁とか見ると安心します。
仁はただ見ていただけで何もしなかったのに、尭に告白して付き合うようになった脩や、偶然家庭教師になった譲に嫉妬したうえに、尭をレイプって、あんたバカですか?三人とも仁の自分勝手な思い込みで振り回されて可哀相すぎます。一番可哀相なのはレイプされたうえに関係を強いられている尭です。親切で手当てをしてあげたのにその結果が…。不憫です。しかも、いまさら好きだったと言われても普通の人間だったら困るだけです…。あ、でも普通じゃないから困らないか…。
今後譲がどう壊れていくか見当はついてますが、その通りにならないといいな…。


セルロイド ハーツ(天羽宥貴)/フロンティアワークス・ダリアコミックス 2巻


ひどい凌辱を受けたのに仁のことを憎みきれずにいる尭。優しい家庭教師かに思われた護は、執着する仁を独占する為に彼を拉致監禁する。行方不明の仁を放っておけず、尭と脩は彼の行方を捜す。(J)


じゃあな

 一巻であれだけ同情したのがバカバカしく思えるほどに、尭の心の傷は…浅かった。脩は何だったのだろう。いい面の皮である。読んでいて次々に驚天動地の新事実が発覚していくのだが「へえ、そうなんだ」としか思えず、私の心も尭と同じでどこか麻痺してしまったのだろうかと思っていたのだが…書き下ろしの続編で平静の堤防が決壊した。
 苛立っている人が車に乗り込んでいるところから想像して下さい。バンッでブロォォォでガーッでパパパパァ…でトラックです。ページをめくった次の台詞「こんな幕切れもあるんだな…」にはとどめを刺されて死にそうでした。いや、久しぶりに見たこういうの。懐かしい友人に出会ったような気さえする。ハラ痛い息苦しい。韓流も大映ドラマもお魚くわえて裸足で逃げ出しそうです。
 後ろ半分が描かれているのに、セダンか、バンかもわからない走り去る車(ニースにヴァカンスに行く人が乗ってた奴)、ノーモア広島風に歪んだ灰皿、私も間近で見たことはないけれど、絶対こういうものではないような気がする酸素マスクなど、楽しいオマケも盛り沢山。「ウォーリーをさがせ!」か、判じ絵みたいで違った楽しみ方も出来そうです。



不思議飴玉(ユキムラ)/ビブロス・BBC


レポートのため大嫌いな松田と山奥に行く羽目になった吉本。妖しそうな社を見つけた夜、なぜか二人は狐の使いに連れさらわれてしまう。狐達の世界で松田は生神として祭られるのだが、吉本は松田の部屋飼いのペットとなってしまう。(O)


俺様

良いメガネです。今回も私好みです。受が良い感じにダメダメなのも良いです。不思議飴玉のシリーズは良い感じなので続けて欲しいです。って続いてたらどうしよう…。
お話の途中に入るコスプレシリーズに一番萌え萌えしてしまいましたが、作者があとがきで色気に乏しい作品と書いていますが、いいえ私にはとても興奮できる一冊でありましたよ。うん、胸満腹です。(表現が間違ってます)

★★★★


瞳ノ・コ・ト・バ(島あさひ)/芳文社・花音コミックス


本人はいたって真面目なのに、女受けする容姿がたたって花形部署から離れ小島のイベント企画室に異動させられてしまった白河。ふたりきりの部署で、上司は男好きで淫乱と悪名高い真木という男。社内で比木部長と真木の情事を目撃してしまい、やはり噂は本当だったのかと呆れる白河だが、真木の様子が気になって…。(J)


じゃあな

 やはりあさひはいい。桜川園子が凄い眉毛を描いてくれなくなっても、天羽宥貴がラブラブバカップルを描いてくれなくなっても、あさひだけはいつも私の期待に応えてくれる。本作も、裏表紙の比木部長のブロンズ像にいい笑いをもらった。どう見てもブロンズ像。薪を背負ったら立派な二宮金次郎である。ステキだ…部長…。
 実は、表紙の白河にも、あさひは男女を問わず、スーツの袖口の飾りボタンは五つと決めている様で「多すぎだよ!」とツッコミたいのだが、生憎五つボタンがアリなのかナシなのかがよくわからない。この前、わざわざ丸井の紳士服売場に行って調査してみたのだが、最高が四つで、それ以上はどうしても見つからなかった。今度は青木や青山に調査に赴きたい。あさひの為なら。
 表紙と裏表紙でこれだけ語ってしまったが…本編。いや今回は、あさひが描いたんじゃなかったら面白かったかも知れないよ。ひどい事言ってるけど。スピード感溢れるエッチ(あさひの濡れ場はやけにカキコミが多く、物凄い勢いで動いている様に見える)や車田正美をも凌ぐ絶叫台詞がなければ、結構…良かったのかも知れないね…ダメーッ、あさひはいつまでもここに居てくれなくちゃダメーッ! 大人になんかならないでー!!
 でも、タイトルからして「ノ・コ・ト・バ」って。あさひならではのハイセンス。連載が終わって一段落してもまったく同じ事を繰り返しているこの三人もステキすぎる。ああ、やっぱりあさひはいつまでも俺のあさひだ。いつまでもその輝きを無くさないでくれ。

★★
俺様
あさひはいつでもボクのポーラスター。いつまでもその輝きをなくさないでね…。てなわけで何とも読んでいて安心できる島あさひです。じゃあなちゃんも書いていましたが、私もカフスのボタンが5つついてるスーツは見たことがありません。せいぜい4つですが、もしかしたらあさひモード界では5つボタンは定番なのかも…。
そして裏表紙のブロンズ像。私は本当にブロンズ像だと信じていました…。ただの部長職なのにブロンズ像が建つ会社…。すげ〜。
効果線がやたら多いので、とても画面に勢いがあるように思えるのですが、こんなに毎日勢いばっかりの会社ってのもイヤですね…。
ところで、常務や専務は総なめの真木だが、さすがに社長は相手にしなかったのだろうか?まあ頭のおかしな役職者ばかりの会社なので社長ぐらいはまともなのかもな…。


ホモミシュラン
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