ピクニック(山田ユギ)/芳文者・花音コミックス


片思いの相手の是枝が振られるところを偶然見てしまった野田。体から入った二人の関係を保つ事だけで精一杯な野田だが、日増しに募る是枝への思いと、周囲への気配りで押しつぶされそうになる。(O)


俺様

コミックステーションで買った最後のホモです。ステーション今までありがとう、君の事は忘れない。明日からはプックファーストまで行ってきます。
私は病院の待ち時間にコレを読んでいた。瞳孔開く目薬をさした後なので、メガネをかけているととても読み辛く、わざわざメガネをずらしてまで真剣に読んでいた。(瞳孔開く目薬差すと4〜5時間視界が悪くなるのでね)とりあえず回りから見えないように気を使っていたのだが、帯が丸見えじゃんっ!お話よし、キャラよし、女の子よし、エッチもよし!と非の打ち所のない一冊。感情が表に出ない是枝と自分の中で溜め込んだ挙句に自己完結してしまう野田。お互い相手に溺れているサマが、母親…いや、もし二人に行きつけのゲイバーがあるのなら、そこのママように見守りたくなってくる。おまけに待ちに待ってた「僕にだって言い分がある」の橋本×及川編が収録されているのだっ!ってあれ?いつの間にか私の中で受攻入れ替わってる?っていうか、いいじゃん及川が受でもさ〜。及川も挿れて良いって言ってんじゃん!どれも読んでも「フンガーフンガー!」と鼻息が荒くなってしまう。落ち着かせてくれよっ!
ところで、克己は野田相手には攻だったようだが、成長した今岸岡にはどうなのだ?そして岸岡のお相手(攻)はどんな人なのだっ!!それがすごく気になります…。

★★★★
じゃあな
 山田ユキの描く受(20代)は凄く可愛いのだが、そう言えば現実ではどんなタイプなのか全く想像がつかない。みんなが騒ぐ程の美貌ではないのに、迫られた男が拒まない魅力ってどんなもんなんだろう…。漫画読んでそんな想像するのもお門違いかも知れないが、ぜひ作者自身に「実写だったらどんな役者を想定しているのか」を聞いてみたい気がする。
 表題作も良かったけど、やっぱり(雑だけど)及川くんと橋本先輩でしょうか。念願叶ってなんだか私まで漢になった気持ちです。「5秒で忘れる」も、「おあとがよろしいようで」(「小さなガラスの空」収録)的なキレ味で良かった。岸岡さんを見て、山田ユギが押川雲太朗キャラの竹井さん(←好きなんで)を描いてくれたら校庭十周分くらい萌えるのに…と思ったら想像だけでかなりの燃料が投下された。今から校庭走ってきます(どこの)。
★★★★


ボクだけの王様(星野リリィ)/光彩書房・BOYSLシリーズ


魔法の国の王様に授けられるはずの紋章が普通の高校生和臣についてしまった。紋章を狙う悪者から和臣と紋章を守るために遣わされるミュート。だが、ミュートはただ和臣を守るだけではなく惹かれていくのだった。(O)


俺様

大好きなカワイコちゃん従者とわけわかんないままなし崩しに主人になってしまう主人公パターン。星野リリィじゃなかったらこの設定は「ふざけんなっ!」となりがちです。でも良いのです。ミュートが可愛いから。(星野リリィの感想はこのパターンばかりだ…)
ちょっとおバカな健気さがこめかみを拳骨でグリグリしながらギューッてしたくなる。和臣の妹真琴さんも美少女で良い。ミュートと二人でいるとずっとニコニコしていたくなる。惜しいのは、和臣が高校生らしからぬ男らしさを見せてくれない所だけだろうか。可愛い子にはカッコイイ子!これがリリィの基本であるっ!(勝手な事を言っています)
ところで、結局紋章はどうなってしまうのだろうか…。続くのか?どうなのだ?それを言うなら柿内と小笠原の話も一冊にまとめて欲しいのに…。

★★★☆
じゃあな
 ある日空から魔女っ娘メイドさんが落ちてきた! はじめまして私のご主人様☆ 成人男性向けオタクフィールドで石を投げたら被害者多数出そうな、ありきたりであり得ない設定に群がる彼らに、「男ってバカねー」と冷笑していたのだが、ごめん、結構面白かった。いいネ! こういうの! やっぱり僕ら人類。萌えの嗜好はジェンダーを超えて。
 と、設定では掴まれたのだが、ストーリーは全く期待はずれ。王の紋章を手に入れてしまった和臣を「守ります!」とミュートは張り切っていたが、一巻では誰一人和臣に襲いかかってはくれなかった。こういう設定であれば、和臣を狙う刺客相手にミュートが奮闘したり、やがて正統な王の元へ紋章が移ってしまったら和臣はお役御免になり二人には別れが…とかそういう展開になる筈なのだが、そんな進展はまったくないまま、ミュートがやって来た! 和臣一瞬で惚れた! おしまい! おい、エッチなしかよ、っていうそういう話だった。
 まだまだ続く連載を「一緒にまとめれば一冊になる短編が余ってるから、えーい詰めちゃえ」と、さっさと単行本化してしまったのだろうか。いくら今が旬の星野リリィだからって、ずいぶんな促成栽培だな。ミュートが可愛いから読んだけどな…。
 表題作に限らず、実は星野リリィには珍しくエッチのない一冊。最後の作品だけやけに絵柄が違っていたので、過去の同人誌作品かと思ったら最新作でびっくりした。
★★★


隣人をアイそう(奥田七緒)/ビブロス・BE−BOY COMICS


順調に勝ち組の道を進んできた真面目な委員長辻井にとって、隣の席の尾野原の事はとても理解不能だった。しかし偶然見かけた尾野原の学校とは違う顔を見てから気になりだす。さりげなく言われた言葉が気になり委員長は尾野原の事をずっと考えてしまうのだった。(O)


俺様

前作の「誰かを好きな人」で私好みのメガネくんを描いてくれたので、期待して買ってみた。いや〜、キャラツボ押されまくりです。委員長のジタバタ感にこっちも一緒にジタバタ。尾野原が委員長には余裕見せつつも裏では同じようにジタバタしている所が高校生らしくて可愛くてたまりません。二人の関係もがっついているようで一生懸命ホップ・ステップ・ジャンプと段階を踏んで行く所が真面目な学生さんらしく好感が
持てます。
勉強熱心だからこそ余計な知識ばかり頭に入れてしまい悶絶している委員長ですが、そういうハムスターが滑車を必死に回している感じのカラ回り具合もキャラにOKです。伊留くんはとても気配りの人ですが、敵に回したら一番やっかいなタイプかもしれませんね。とりあえず尾野原が委員長を泣かせるような事をしたら彼が復讐してくれる事でしょう。

★★★★
じゃあな
 期待の星だと思う、奥田七緒。設定がいい、とか、ストーリーがいい、とかいうより、持って生まれたテンポの良さとキャラクターから滲み出る可愛げみたいなものがそもそもいい。たとえストーリーが何にもなかったとしても、キャラを動かしているだけで面白いというお得なタイプの作家。さすがにあちらに一日の長はあるが、羽海野チカとか近い感じかも知れない。
 表題作は委員長の意地っ張りさとカタブツさが何ともかわいい。しかし、いくら朴念仁だからって恋人(未満)とのつきあい方を友人に尋ねるにあたって「こ…交際術のノウハウを知ってみたい気がした」って。天皇陛下なみにまわりくどい質問ありがとう。きちんと食いついてくれる彼らは君の真の友人だネ!
 リーマン好きの私だけに、学園物に偏らずもっとリーマン! リーマンを! 労働者にスーツを! とも思うが、この人の描くアホ私立っぽいのびのびセーターには弱いので、このまんまでもいいかも知れない…。
★★★★


自転車と黒いパーカー(みゆき朗)/松文館・ダイヤモンドコミックス


マキとノブユキは昔からの友達。ノブユキは人当たりや頭もよく人気もあり、自慢の親友なのだが、マキは完璧な友人であるノブユキに嫉妬してしまう。だがノブユキはマキの事を友人以上に好きで、他の人間に渡したくないと思っていた。(O)


俺様

ううむ、またも松文館からいい感じの本が出てきた。これからもガンガンホモ描いてくれっ!
と、思ったら今は主にガールズを描いているのか…。女の子がかわいいのは嬉しいのだが、ちと残念でござる。話的にもカップル的にもピストルの二人が好きなんだが、ロックスター先生様は「ケツの穴」をいじられるのが好きと本音を漏らしていたが、あんた結婚相手とどんなセックスしてたんですか?と聞かずにはいられない…。いや、まあ結婚相手としてたとは限らないと思うが、元奥さんにしてみれば離婚して正解っていうか、そりゃ上司だからって理由だけじゃなくても心配で口出したくもなるわなと思ってしまった。
みどりちゃんの「男同士でもキレイならいーのよ」という本音は腐女子の心の全てを代弁してくれていた。

★★★☆
じゃあな
 こういう独特のペンタッチとキャラを描く人は大抵、(ちょっと破滅入った)詩っぽいモノローグでシメる素描的作品が多いのだが、意外にもクセのある雰囲気の割には「出会いましたやりました、それが恋でした」みたいな話ばっかり。アンソロ系っすか! 驚くと同時に集中力がめきめき薄れていって「あー、もー、いいかな…これ以上読まなくて」とまで思ったのだが、じゅんぺーの意外な巨○にびっくりして思わずカッと目を見開いてしまった。なんでかわいこちゃん受なのにこんなにマグナム?! 気になり始めたら、攻も受もみんなとてもマグナム。それで機嫌を直したわけでは決してないのですが(本当です)一番愛の感じられない作品「ピストル」ではキャラの味とあいまって結構好きになりました。
★☆


風の行方(国枝彩香)/ビブロス・BE−BOY COMICS


香月と熊谷が付き合いだしてもう三年がたつ。元カノのゆきえ先生の結婚話に触発され、熊谷は香月に結婚を申し込むが、現実的に難しい事を思い知る。しかも熊谷には祖父母がいて二人が許してくれないと結婚は難しい。それでも諦めない熊谷に香月は意地悪を言うのだが…。(O)


俺様

こちらも完結。ドタバタギャグコメディっぽいのだが、実のところ高齢化社会と男同士の現実的な問題をかなり列挙している。それでも力を合わせて(笑)乗り切って行く香月と熊谷。と、言うと聞こえはいいが心の広い世間に対して勢いで押し切れてしまうのは、ボーイズ界だからとみも蓋もない事を言ってしまってはもったいない。
そもそもボーイズ界は主人公達以外は何のかんのいいつつも心の広いホモやゲイに優しい人々ばかりなのだが、そこに無理さを感じさせないのは、作品の勢いと作者の芸風(?)だからだろう。香月の女王様ぶりに虐げられている感ただよう熊谷だが、実は一番強引なのは熊谷だったのかもしれない。ところで意味深に出てきた香月の恩師・樋口。どうしても作者の描く見た目の良い中年はどいつもこいつも「受」に見えてしまうのだった。

★★★☆
じゃあな
 この作者のストーリーは物凄くイタイに違いないと、来るぞ来るぞ静電気、みたいな気分でびくびくと読み進んだが、全編あ軽くハートフル、香月のお色気もサービスサービスで、読後感は意外とほんわかだった。健人の人柄のお手柄というところだろうか。でも、実際問題、最後のアレは、NHKニュースに取り上げられてもおかしくない様な椿事だが…二人はこれからどうなるのだろう。ここの日本の、ジパング度が問われる時が来ているな。
 ボーイズラブにおいて、結婚したがるホモは多いが、大抵「けっ、男が女々しい事言ってんじゃねーよ」と冷たく鼻で笑い飛ばしてきた。しかしながら、早くに家族を亡くした男が、真摯な気持ちで、今の自分のファミリーを大切にしたい、新しい家族が欲しい、でも愛した人が男でした…という場合はどうすればいいのか、どうするべきなのか。一緒にいる為だけなら、二人の気持ちさえ確かなら、そんな契約は必要ないと口では強がって言えるけど…。結婚って何なんだっけと考えさせられた。ホモに。
★★★☆


ショットガン・マリッジ(葛井美鳥)/海王社・GUSH COMICS


ひょんな事から助けてやった大金持ちのお坊ちゃま・清隆にすっかり懐かれてしまい、お屋敷に下宿までする事になった高校生の圭介。おっとりした美人の清隆はしかし、初日の夜から「結婚して」と押し倒して来て…。(J)


じゃあな

 葛井美鳥は目新しさがないなりに安定していて、ちょっと注目株だったのだが、これは期待ハズレ。まあ、私の好みだと清隆×圭介よりその逆の方が…とか、それ以前に清隆のお守り役の原田の方が…とか、そういう趣味的な問題もあるのだが。
 同情する余地がないくらい勝手でワガママな清隆(しかし、にこにこおっとりして腹黒さがないので、腹が立つというよりは呆れるしかない)に、ほだされる圭介はよくわからない。併録のショタ物は元々守備範囲外なのでギブだし、最後の読み切りだけ「わけがわかんないけど、この終わり方が斬新で、おっ?☆」と思ったら、別シリーズの番外編ですか。ジャッジ不可能ですね。私には読むところのないコミックスだったと言えよう。



葉隠の恋(水上シン)/芳文社・花音コミックス


若侍の与次は学問所の元春先生が大好き! のべつまくなしに誘い続けているのに、カタブツの先生は主君に罷免された浪人の身ではと、一向になびかない。一方、与次の親友だが、彼とは正反対に真面目で大人しい雪之丞も、与次の兄・景久に密かな想いを寄せており…。(J)


じゃあな

 トツゲキ火の玉受と、叶わぬ恋に身を焦がす受を描かせると巧い水上シンの、ふたつの魅力が一作で楽しめるお得な表題作。テンポ良く面白い。お兄ちゃん達のカップルもじっくり読みたいので続編希望。
 読み切りの「夢の通い路」は、すごーく目を細めて、こう、眉とかしょぼしょぼされながら読めば、山本周五郎的と言えない事もない…かも。「世界恋愛図譜」はオチがいいですね。どの作品もエッチはがっつりだが、キャラが可愛くて勢いがあるので、一冊丸々読み応えあり。エッチシーンにコマをとられる分アンソロ感が強く、ちょっと安っぽい感じは否めないが。
 しかし「葉隠」ってこういう本なんですか…? 日本て昔からジパングっすか…?

★★★


その胸元を吐息で濡らし…(麻生玲子)/ムービック・ゲンキノベルズ


カフェバーでバイトする大学生・砂田は、客としてやって来たサラリーマン・有川と出会い、意識する様に。無防備なメガネ美人を脅かさないように、慎重に思いを伝えていく砂田だが、有川の同僚・加藤の存在が気になって…。(J)


じゃあな

 二人が出会って恋をしました。わーどうしようこの思い。ドキドキ。そして二人はハッピーエンド、みたいな。なんつの、恋愛の甘さや焦れったさに共感を覚えたい人はそれなりに楽しめるかも知れないけど、読み終わって見ると「それで?」と言いたくなる一冊。
 キャラクターにあんまり無理がなく、それなりに好感の持てる有川・砂田二人の気持ちが丁寧に描かれているから、恋愛小説好きの人にはいいかも知れないけど、常に作品に何かしらの仕掛けを求める人には退屈かも。どこかの中学か高校の、文芸部という名のオタク部で、筆の達者な部員がこのくらいのものを描きあげている気がしないでもない。とってつけた様なラストの展開が、その感じを増幅させている。
 同じカフェバーが舞台になる前作を読んでいたにも関わらず、冒頭で美人、美人と言われているマスターの川本がいつカップリングに参戦して来るのだろう、意味もなく美人なわけがないのに…とずっと疑っていた。別のホモの人でしたか。この店、意外とハッテン場なのかも知れぬ。

★☆




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