ローゼンクロイツ 仮面の貴婦人(志麻友紀)/角川書店・角川ビーンズ文庫


隣国アキテーヌの「黒公爵」との政略結婚が決まっていたファーレンの皇女・セシル姫が何者かに暗殺された。その存在を秘密裏にされていたセシルの兄、今は怪盗として国を騒がしているローゼンクロイツは、彼女になりすまして隣国に乗り込み、暗殺の首謀者を捜し出そうとする。(J)


じゃあな

 以前に薦めて頂いて、一冊買ったはいいが放り出していた。仕事の都合でなかなかホモのある書店に行けず、ホモ…ホモが読みたい…労働者にホモを…と本棚にすがりついていたら、まだ未読のこれが出てきたという次第。枯れた大地に水が染みこむ様に…という理由ではないが、いやいや、派手で結構面白かった。
 都合のいいところはいくらでもあるのだが、その簡略化された都合の良さがむしろ読みやすくてヨシ。セシルが怪盗になった理由が、本作だけ読むと何だか唐突だが、続刊でどうせ語られるのだろう。何で彼がわざわざ、ローゼンクロイツの証明書みたいなマーク入りのカードを武器として持ち歩いているのかも(見つかったら正体がばれる)ツッコミどころではあるが、仕方ないよね、お約束だもん。納得出来ないのは黒公爵オスカー様のなさりようだけ。何故人間の性別を、前でなく後ろで確認なさるのですか。宰相、あなたは危険人物すぎます。
 ホモに飢えていたのに言うのもなんだが、「戦うお姫様」大好きの私としては、セシルは本当に女の子でも良かったな。皇女として育てられたセシル姫の影にあった種違いの姉とかで。そしてハノーヴァー侯爵夫人はキョーレツでした。ミシュランの名だたる猛女おかん列伝の中に新たなるスーパースター登場(いささか遅れたランクインだが)ですね。実写にするなら、何が何でも演じて欲しい役者がいますよ。

★★★☆


マーブルベリー・ビーンズ(南野ましろ)/新書館・ディアプラスコミックス


藍羽は朱羽の双子の兄。可愛さも頭のネジの緩さもそっくりな二人だが、藍羽には、朱羽にはない重大な秘密があった。それとも知らず、コワモテの黒田はいつも藍羽の言うままに、彼の訪問販売するアヤシイグッズを唯々諾々と購入してしまうのだが…。(J)


じゃあな

 受験生は読むな。頭が悪くなる。もはや電波を超えて電磁調理波か何かを発していそうな高鳥兄弟。いい加減、南野ましろのおばかちゃん受にも慣れたと思ったが、双子になるとパワーも二倍でキョーレツだ。攻の黒田はワイルド系で好みのタイプだったが、藍羽の前ではからきしであり、また、藍羽と一緒にいる時しか出番がないので、つまるところ見かけ倒しの男であった。デュアル電波の前ではヒゲももみあげも張り子の虎か…。
 こうしてシリーズを振り返ると、美紀が一番まともだった(あそこはその分、攻が電波なんだが)。次巻はきっとハルイさんと冴木君。えっ、まともっぽい。人類っぽい。期待していいの?! 次こそトキメキのボーイズラブ?! …あ、そんなわけないですね、はい。夢は夜見ることにします。

★☆


ワイルド・ワイルド・ベイビス(桜川園子)/株式会社フロンティアワークス・ダリアコミックス


夜の街で、脚本家の安達に拾われた高校生の涼(すず)は、家政婦協会からも見放されてしまった彼の家で、住み込みで働くことに。家政婦が居着かない理由は安達の双子の息子・光臣と孝明。唯我独尊の光臣と知能犯の孝明はさっそく涼に悪戯しようと…。(J)


じゃあな

 微妙な違いがあるのだが「金で買われた」系の話はあんまり好きじゃない(特に未成年が買われるのはなんかイヤ)。でも身寄りのない住み込みのお手伝いさんは大好き。「あいつがいなくなったからこんなまずいレトルトを食うはめに」みたいな展開は大好物なのだが、この話は結果としてどちらの方向にも走らず終わった。いいんだか悪いんだか。
 ここのところ、絵がまともになるにつれて話もフツーになってきてしまった桜川園子。私の大好きな凄い眉毛はどうしたのよ凄い眉毛は! ちっ、つまらねえ。結構面白かったけど、凄い眉毛のオッサンを描いてくれない桜川園子なんて、オールバックの攻が出てこない果桃なばこだ。みんなそんなつまらないオトナにはならないでくれ。

★★☆
俺様
私の中のトンチキ指数は沸点がとてつもなく高くなってしまったのだろうか…。とくに何の突っ込みもせず読み終えてしまった。ものすごいアイテムとか設定とか出てこなかったから?何かフツーて感じでいつものわくわく感がなかった。
だからと言ってもの凄い設定とかが出て来たらそれはそれで突っ込むけどね。


人生≧ゲーム(虎丸)/光彩書房・光彩コミックス


幼なじみの関係から一歩ステップアップした筈の八木橋と花田。18年間思い続けてきた八木橋は花田を見る度にムラムラしてたまらないが、短気でワガママな花田は色っぽい事よりもトラブルばっかり持ち込んできて…。(J)


じゃあな

 これ、タイトル文字化けしてたらごめん。花田と八木橋が最初に短編で登場した話も読んでいた筈なのだがすっかり忘れており、巻頭のカラー漫画に「? なんか第二巻とか買っちゃったのかな? いきなり説明もなしにこの漫画はなんだ?」と少々たじろいだ。まあ前作を読んでいなくても、読んで忘れてしまっていても、さして支障はないが。
 それにしても虎丸、どこまで本気でどこまでギャグなのかわからない漫画を書き飛ばし(書き飛ばしている感が強い割には単行本刊行ペースは遅く)、ホモミシュランよりツッコミの早い漫画家として一目置いていたのだが、ギャグの分野でレベルアップするかと思いきや、絵の方が巧くなってしまったのには驚いた。どこへ行くのか虎丸。画力はあるに越したことはないだろうが、君の作風に果たして画力が必要だろうか…。
 相変わらず目の離せない作家だが、注目していても振り切られそうな気がする。

★★
俺様
相変わらず勢いは凄い。どこまで本気なんだ虎丸。相変わらず私はこの人の作品を読むと酸素不足になってしまうのだった。何か印象に残る話は?と問われても「えっと…」と考え込んでしまうのだが、一冊丸ごとの勢いで押し切られてしまうのだった。ところでやっぱり連作は一冊にまとめて欲しい。キャラを見ると読んだ覚えがあるのにどんな話だったかは思い出せなかったよ…。
★★★☆


春の音(梶原にき)/幻冬舎コミックス・幻冬舎


弱小吹奏楽部の昴はもうすぐ高校二年生になる。同じホルンを担当している池田先輩には練習中にしょっちゅう怒られているうえに、二人きりでの練習が嫌なようで昴は落ち込む。池田が事故にあったと聞き、駆けつけた昴は思わず池田を抱きしめてしまう。(O)


俺様

ただ抱きしめるだけでも良いのだ。ボーイズだからって肉体的表現が必要ではない事を教えてくれる作品。がっついてはいるが、行動に出ない高校生を見るのは久しぶりです。
掲載誌の特性と許容がこれもアリですと言っているからだろうが、作者にはあまりエロ表現をして欲しくなかったので嬉しい。いや、エロくてもいいし、キャラの雰囲気はエロいんだけどさ…。なんとなく自分の中の線引きで、この人と紺野キタはエロはダメと言っているのよ…。
そして「恋する悪ガキ」なんだが、先生!先生は受だよね?信じていいよね?先生の髪の毛がパサリと乱れる所を想像して勝手に身悶えさせてもらったよっ!ってさっきエロはダメって言ったばかりなのに…。いや、マジ赤井先生は受でお願いします!増田、先生は百戦錬磨っぽいけど頑張れっ!先生も言っているだろ、卒業したら先生と生徒じゃなくて男と男なんだからっ!(そんな事は言ってません…)でも私が一番ときめいたのは花ちゃんだった…。花ちゃん夜出歩くのはおばちゃんみたいな危ない大人がいるから危ないよっ!

★★★★



いつかは熊殺し!(松 武)/光彩書房・光彩コミックス


一至と恒矢は親の再婚によって兄弟になった幼なじみ同士。真性ゲイを自認する恒矢は兄への悶々とする思いをこらえながら日々を過ごしているのだが、そんな気持ちなど知らない一至はべたべたと体に触ってきて…。(J)


じゃあな

 タイトルの勢いに押されてうっかり購入してしまったが、久々に「自分が死んだ後部屋で見つかったら気まずい本」のレッドゾーン作だ。見返しの漫画で予備知識を仕入れてから読み始めると、なんかもう気まずいっていうか「ごめんなさい、私、白いフリルのブラウス着た美少年が紅茶に薔薇のジャム入れたりしながら『かわいいよ…ふふ』とか言ってるボーイズラブが好きなので、こういうのはちょっと違ったみたい」と、腰抜けな言い訳をしたくなる。じゃあなの意気地なし! 弱虫! …いえ、もうそれで結構です。白旗。
 登場するのはみんなやる気まんまんのマッチョばかり。コマの中で巨体がひしめきあっていて、コマ割は長方形じゃなくて楕円形にした方が中の人がキツくないんじゃないだろうかとすら思う。最初は「うわー…」と引いて、指の間から透かし見る様にして読んだが、最後の方は平気でぺらぺらめくっていた。順応性の高い自分が頼もしい。「ああ、男同士でもやっばり大きい方がいいんですか…」とか、こんな事でくだらない知識を仕入れたくはなかった。四コマ漫画はまあ面白い。星はすべて四コマに…。

俺様
確かに私は色物が好きです。籐細工の椅子にフリルのブラウスを着て(もちろん下はすっぽんぽん)、バラのジャム入りの紅茶飲んでるような栗本薫が書きそうないまどきそんな奴いるかよ的なホモよりも、なんかこう、チャレンジ精神旺盛なホモは好きです。でも人には許容量というのがありましてね…。
松崎司や甚五郎先生はオッケーなのになぜこれはダメなんでしょうか?別に話の内容とかはそんなに気にならないっていうか、許容量越えちゃいないんですよ。筋肉だからダメって思う人もいるかもしれませんが、この本を丸々山田ユギが描いたとしたらみんなOKだろ?てなわけで何がダメなのかというと、作者には悪いが、体だ…。私の許容量を越えた体なのだ…。てなわけで4コマもギャグに逃げる私なのだった。


しのぶこころは(松本テマリ)/ビブロス・BBC


修行中の忍者・すばるは憧れの頭領の夕月様から初めて呼び出しを受ける。まだ任務をこなした事のないすばるに言い渡された初仕事は、衆道の男にとりいって文書を奪って来る事。その為の手ほどきを夕月様がしてくださるというので、すばるはドキドキの夜を迎える。(J)


じゃあな

 カップリングさえタイプなら絵を見てるだけで可愛いからいいんじゃないの。私は夕月様がタイプなのでストレスが溜まります。雪男もタイプです(受として)。でも、新米忍者(甘酸っぱい…)を書いてなお、学ランプレイ(甘酸っぱい…)をさせる松本テマリの嗜好とはまるで逆の様ですね。ああ〜夕月様だって誰かに手ほどきを受けた筈なのに〜。はっ、その頃の夕月様のルックスは すばる ばりの美少年だから、やっぱり私は楽しくないのか…しょぼん。一度でいいから松本テマリのおっさん受をお腹いっぱい食べてみたいデス!!
 …それはともかくとして、この忍者さん達、現代なのに黒装束に鎖帷子で走り回ってのびのびとアウトドアエッチを楽しんでいるけど、現代の忍者だったら企業スパイとかハッキングとかしなくちゃいけないんじゃないんだろうか。まあ洋服に関する知識も持ってないくらいだから、忍者の一族というより、忍者教みたいな新興宗教に近いものなのかも知れないな…。学ランプレイの為にここまで設定がガタガタになっているが、松本テマリは構わず我が道を行く…。その道をいかずにおっさん受の道を歩いて欲しいのに…。
 くのいちのつばめちゃん、ちまちました雪ん子ちゃんと、可愛い女の子がちらほら出てくるところに心を慰められます。

★☆


夢見る少年の昼と夜〜おかず増量中〜(松山花子+九州男児)/幻冬舎コミックス バーズコミックスガールズコレクション


雷神に使える小鬼の少年が出会った寂しい人々の心の窓を開く…連作他、ネイティブ・アメリカン、中世(?)ファンタジー、そして戦国時代の森蘭丸まで闇鍋状態の作品集。(J)


じゃあな

 収録一作目の「雨の後」などは、定番のストーリーと言えば定番なのだがやはり気持ち良く、凄くいい。これ一冊だけ同人誌だったら永久保存決定(なんで同人誌だったら、なんだ…)。続く小鬼くん(裏表紙にそうあるので便宜上小鬼と呼んでいるが、ツノはないので小人くんの様な気がする)シリーズもよく出来ているのだが、ペンタッチとともに世界観は変転し、最後はなんかもう露骨なところへ。遠い旅をした様な古巣に帰った様な不思議な気持ちになれますね。単行本としては、めちゃくちゃだよコレ(面白いケド)。
 歴史ギャグとしては私はシャレード連載中の「週刊ダイヤ主水」が大好き! なのだが(毎号シャレードが届くとまずそれを読む)吸血鬼アンソロジーとか無茶なものばっかり出してるピチコミックスあたりで、戦国ギャグアンソロジーって出してくれないものだろうかな。

★★★☆
俺様
作者の作品で最初に読んだのが課長の恋なのでギャグだろうと思っていたら、あらいいじゃない。絵柄も話もいい感じよと読み進めば…おいおいビブじゃないんだから無茶な集め方すんなよ。と、思ったのだが幻冬舎だったのでなんか妙な納得もした…。
名前で作品傾向が違うのかと思ったら。そんな事もないようなのだが、今後は是非とも作品傾向別の本を出して欲しい。私だけかもしれないが、4コマは4コマだけで読んだ方が読みやすいのだ。
★★★


エッグスタンド(月村 奎)/新書館・ディアプラス文庫


歯科医の宏一は他人に興味がない。マイペースに生きていたが同じマンションに住む高校生・透の面倒を見ている内にいつしか二人で居る時間が心地良くなる。(Ai)


愛恵

作中に頻繁にゴキブリが出てくるので、東京はなんて恐ろしい国!と怯えていたら作者があとがきでその点について釈明していて安心しました。月村奎は兄弟、しかも双子の男女が好きなのか良く出しますね。おお友よ。そしてなんだかちょっと恋愛風味。友よ…。主人公が相変わらずウジウジしてるけど可愛いから良し!相変わらずエッチシーンを上手くはぐらかしていてそれはダメ!いやしかし月村作品で「ぐちょぐちょ」やら「ぬぷぬぷ」という表現が出てきてもそれはそれでびっくりするが。
学園物が大好きで、老け専かショタ専かと問われれば迷うことなくショタだと答える私ですが、宏一の年齢が26歳でガックリきました。いつの間にか男は29歳からじゃないと。なんて思うようになってる。やばい。

★★★


フラワー・オブ・ライフ(よしながふみ)/新書館・ウィングスコミックス 1巻


一ヶ月遅れて入学してきた春太郎は、実は一年遅れだった。一癖も二癖もある学友と教師に囲まれて、春太郎は自分の侠気道を貫く。(Ai)


愛恵

担任のシゲに惚れました。きゅううん。オカマでしかもホモ!素晴らしい!!と思っていたらアッと驚く正体が…。でも好きだ。ラブ。
春太郎は真っ直ぐなんだけど自分の意見を正しいと信じすぎて、実際側に居たらうざいかも?逆に真島タイプはいいね。薀蓄が少々うるさすぎるけど、結婚しても君とは上手くやれる気がする。肌が真っ白なのに腹筋割れてるとか面白すぎるから。こーゆーキャラは頭いいのが定番なのに阿呆なのも好印象です。クラスメイト達もみないい子達で、ある意味ファンタジーか。少女漫画の学園物とは一線を画してる気がします。しかし、よしながふみなので最後まで気を抜くことは出来ません。いきなり春太郎が血を吐いたり、小柳先生の奥さんが出刃包丁持って押しかけてきたり、三国が実は裏番だったりする可能性も?怖い怖い。

★★★




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