お金しかないっ(篠崎一夜)/桜桃書房・エクリプスノベルズ  

 借金のカタに競売にかけられ、金融屋の狩納に落札された大学生の綾瀬。身体での返済を強いられながら狩納と暮らす彼に、不審な手紙が届けられる。狩納との関係が明るみに出る事を恐れる綾瀬だったが…。 (J)

じゃあな
 前作「お金がないっ」を読んで、まあこんなもんかという程度の感想しか持たず、続編を買う気などさらさらなかったのだが、本作のタイトルを見て「…買うか」と思った。篠崎一夜、チップだとっとけ。
 で、前作では確か、狩納は綾瀬にちょっと恩があって、その為に彼を落札した…とか何とかいう下りがあった様な気がするが、恩を仇で返すとはまさにこの事か。相変わらず綾瀬にはお気の毒な日々である。人身売買で競りにかけられ、大学に行けばホモに襲われ、バイトをすればホモに襲われ、まさにこの世は闇。北斗の拳より恐ろしい無法国家ジャパンがここにも存在する様だ。
 綾瀬というのはいかにも儚げな美少年受で、どちらかというと私の苦手なタイプの筈なのだが、一作に一度「うわっ」と思う技を見せてくれる。前作ではナイフに飛び込んでいったが、今回は人を階段から突き落とした(死ぬって)キレると怖い人なのだろうか…まあそこらへんと、あと実はひそかに狩納がタイプなので(私は金持ちの攻が好きだ)そこんとこを評価して、星は平均点としておこう。
     
俺様
毒物発見。前作「お金がない」の段階から警報は鳴りっぱなし。 これを書く自分を喩えるのなら、臨界している原発にポロンおにぎり 貼り付けに行くような物だろう。(出典:二代目はクリスチャン) とにかくまあとんでもない世界。まず綾瀬はどうしてあんなに知能が低いのに大学に入れたの?奨学金を受けているって? 国は奨学金制度を含む助成制度を見直すべきだと思っていたのだが、 このせいでますますそれを強く思った。また前作から引っ張って申し訳ないが 競売にかけられた時にそのまま外国に売り飛ばされて行った方が 綾瀬は幸せだったんじゃないかなー。だっていきなり他人の借金のカタに 売られたあげくにいつでもどこでもホモが狙ってくるわ、借金のカタに 散々やられたうえに、親友だと思っていた友達に襲われて、 普通人間不信でおかしくなってもしょうがないのに、自分の自立心の事ばっかり考えている綾瀬は変です。 狩納が騙されていると思えるのは私だけでしょうか?



少年は明日を殺す(石原理)/ 太陽図書 SHY COMICS 全2巻 

進学校で居場所をなくしサボリまくって遊びまくって日々を過ごしている 藤枝圭は、クールな外見で優等生然とした桜庭敦士と出会い、敦士に 挑発され熱く惹き付けられていく。(F)

フェネギー

かっこいい。男と男の闘いって感じだ。特に1巻がいい。 優等生然としていながら実はひと癖もふた癖もある桜庭が ビシバシ藤枝に睨みをきかせながら時々隙を作って、 もしくは積極的にキスの機会を作る。(でも桜庭、人に向かって矢を射ってはいけませんよ。死にますよ。)結局この二人、 キスまでなのよね。(他のこともちょっとやるけど)このストイック さがまた良い。桜庭が見ず知らずの女子高生を助けるために ヤバイ勝負をかけて、しかもそれを楽しんでしまう余裕の持ちさ加減がツボ。藤枝もそんな桜庭にズキンズキン欲情しちゃうんだな。 男らしさで攻に負けない受ってのは、私の理想だ。でもって 綺麗さも色っぽさもあるってのがたまらんね。二人にはこのまま 闘い続ける愛を育ててほしいものだ。2巻になると少々青春度が 高くなるけど、二人のそれぞれの悩みも解消できていい感じの ラスト。 同時収録の2つの短編は極道物とヤクの売人物で、 ハッピーエンドではないものの、どちらもいい出来。        
じゃあな
 グウでんがな姐さん、グウ!最初の頃桜庭の髪型がダサくていかがなものかと思ったけど、二巻ではすっかりクールな男前に。いや、いいですね。辛辣さとふてぶてしさの中に高校生らしい弱さがほの見える。藤枝をいい様に振り回しているくせにどこかムキになってしまう桜庭と、終始一貫猪突猛進単純バカで桜庭に翻弄されながらも包容力のある藤枝。パワーバランスが絶妙で、まさに受攻シーソーゲーム。
 漫画としても良く出来ている方。「ろくでなしBLUES」と「BE-BOP HIGHSCHOOL」の間にそっと並べておけば、そこらへんの男子高校生が買っていくかも知れません(悪質な悪戯ですそれは)桜庭父が高知へ行くのに小淵沢行きの列車に乗っていくのだけは不思議だったが…何故、何故横浜から高知へ行くのに山梨へ…。
俺様
なんちゅーか、ボーイズラブに分類するには勿体無い作品だ。 どうしてこうもガキ(高校生)のくせにこいつ等は格好良いのか。 張り詰めた関係の中でトキメキを見せている藤枝もいいのだが、 どんどんムキになって行く桜庭の可愛らしさよ。なんか青春してる って感じがいいっす。一線を越えた時、二人の関係が終わってしまいそうな気がするので、受とか攻とかもうどうでもいいや、 ずっと2人でいてくれればよー。



微笑みの日常(直野儚羅)/竹書房・BAMBOO COMICS  

家庭内暴力により消えない傷跡の残る高校生・走は、突然現れた赤ちゃんに懐かれて、子守としてとある写真館の居候になる。赤ん坊の父で、写真館経営者の奨一は、はじめて走に優しくしてくれる人物だった。(J)

じゃあな
 おかしいな、直野儚羅。接触テレパスの探偵のシリーズを読んだ時は気が合うと思ったのに、この短編集に関してはほとんどカップリングが逆だ。それはもう見事なまでに。表題作と、粗筋に書いた「日向」は、これはもう仕様がないか、という気がするが、あとは全部見事に逆。逆にしてお願い。絵は結構タイプなんだが。話も平凡だけど、キャラに好感が持てるからまあいいんだが。うーん、違うコミックスを探そう。      
俺様
俺も探偵物を読んだ時には「よしっ!」となったのだが、こりはどうかにゃー。 絵はタイプながらも話しがイタイのでついて行けず。カップリングに至っては そりゃないでしょうと突っ込み入れまくり。とりあえずわしは探偵物を早く 単行本にしてくれればいい。そうすりゃ読者の誤解はすぐ解けると思うよ。うん。




キスが届かない(和泉桂)/講談社X文庫  

モデルと見まごうばかりの美形アナリスト、吉野は、自他ともに認める食通だ。その彼が認めたのは、美形のシェフと童顔のオーナー二人だけで経営している小さなビストロの味。暖かい家庭の味がする料理とともに、吉野はシェフの千冬に惹かれていく。(J)

じゃあな
 ホモ小説と普通の小説の面白さって違うなあ…。と、いう事で、小説としての造りはしっかりしている。ボーイズラブというよりは、たまたま男同士が主人公になっているティーンズノベルズって感じ。あ、それがホワイトハートなんだ。起爆剤はないが、読ませるだけの魅力はある。おポンチホモを求める人には向かないが、電車の中でもゆっくりホモが読みたい、そんなアナタにはオススメの一冊。
 難を言えば千冬の幼なじみであり、人間嫌いの千冬と狡猾なビジネスマンの吉野の間にたって、架け橋の役割をするビストロオーナー睦が、やたらと幅を利かせていて、これじゃ千冬だけじゃなくて、吉野も睦に惚れる方が自然じゃん、と思わせるところか。あと、千冬が登場した最初の挿し絵。「ぎゃっ、ホラー?!」と一瞬怯えた。いくら鋭い目つきの美青年だからって、あれは怖すぎです。厳重注意。
     
★★
フェネギー
すっきりと一重の美形、そしてあの挿し絵・・・東山紀之?と思ってしまったの が すべての敗因か。そういえばヒガシもシェフの役やってたしな・・・。駄目なのよ、 私の中ではヒガシは受じゃないの。それはさておき、なかなかすっきりと無駄なくむらなくムラムラもなく読める作品。吉野がバンビみたいにかわいい睦ではなく 無愛想なシェフの千冬に惹かれていくというのがいい。でも千冬、好きなのか嫌い なのかわからないと言っておきながらキスはOKな貴方って不思議。この先二人はちゃんと恋人になっていくのでしょうか?この先に進んだら面白くなっていき そうな気がする。私も頭をヒガシから切り替えなくてはね。
★★
俺様
確かに青山には美味い店というか、外れた場所に行ってしまうと 食事事情がかなり厳しい。それはさておき、本当にレピシエのような店があるなら教えて欲しい。話しは上手くまとまっている。 ちょっと挿し絵が怖かったりするが、全体的に大人な雰囲気で話しが 流れて行くのだが、睦によりそれが崩されるのが残念。 これからきっと千冬の親との確執等突っ込んだ話しが展開されるのだろう。シリーズ導入としてはいいんじゃないかな?
★★
きみぱん
フェネギーさんの感想を読んだからか千冬が東○紀之に見えて しょうがない・・。「彼がこんな性格のはずない。それよりも 彼が受のはずないだろう!」とは思っても一度思いだしたらもう止まらない。とんでもない葛藤で苦しんだ1冊だった。 「今の彼を想像して読むから悪いんだ。千冬と同じ24歳くらいの彼を想像して読めばいいのね。」と開き直って読んでみても「どひゃー」「げろー」は変わらなかった。私個人の変な見方のおかげで可哀想な1冊になってしまい、東○の受という「めず らしいものを読んだな〜」という感想だけが残った。
★★



キスの温度(和泉桂)/講談社X文庫

証券アナリスト吉野は、ビストロ「レピシエ」のシェフ佐々木千冬に惚れ込んで いる。好きという意思表示もしたし、キスもさせてくれるが、千冬は吉野をどう 思っているのか何ひとつ言葉にしてくれない。自分の気持ちを持て余した吉野 は、千冬の料理を食べる客すべてに嫉妬するようになってしまう。(F)

フェネギー
シリーズ二作目、実に私好みになってきた。東山紀之の呪いもとけ、千冬がとても魅力的に見える。優しくて押しの弱い攻と不器用で朴念仁の受とでは、一生進展がないかもしれない・・・と思っていたが、ここにきてやっとやっとようやっ と進展が見られた。そこに行き着くまでがとても長くてイライラしたが。新キャ ラの仁科は素敵な当て馬になってくれるのかと思ったが、どうやら睦方面の当て馬らしい。意味ないぞ。主人公二人の気持ちがすれ違ってばかりいて、気の短い読者なら途中で放り投げるかもしれない。千冬のあの態度じゃ吉野でなくたって 「脈なし」と思うだろう。今まで彼氏も彼女もいなかった訳がよくわかるよ、千冬。吉野も生殺しにされてて可哀相だったねぇ。自分の気持ちにさえ鈍感な千冬も、さすがに「吉野を好きな自分」に気が付いたようだし、これからはガンガン行ってくれるんだろうね?期待してるよ。      
★★★
じゃあな

 小さな事でうだうだとひっかかって、遠回りばかりしている二人。作中の時間は刻々と過ぎていくから、気が付いたら二人とも四十歳くらいになっていそうで怖い。昔は浮き名を流していた様だったのに、あまりにも押しが弱く鈍感な吉野を不思議に思っていたが、絵衣子の登場に納得。なるほど。今までは向こうがみんな積極的に押して押して押しまくってきてくれたのか。あんまり顔が良すぎる男というのは苦労知らずで打たれ弱いものなのだな。
 千冬にしても、ちょっと阿呆なホモ小説だったらオムレツにケチャップでアイラブユーくらい書こうものだが、勿論我らがちーちゃんはそんな事はしないのだった。真面目なんだねえ。常識人が多い様に見える作風だが、よくよく考えたらこんな狭い地域の狭い業界にみっしりホモが密集しているというのも恐ろしい話である。何より恐ろしいのが、結果として仁科に睦を売り飛ばしている吉野。吉野、それは、人として。

★★★
俺様
千冬、貴様は何様だーっ!読んでいてこんなに「お前何様だ、あーん?」と ケンカを売った事この上ない本は始めてです。自分の作った物を食えば 気持ちが分かるはずって?お前は何だ?神か?神なのか? 価値観の違う人間が自己的な好意態度を示されただけで、相手の気持ちに 気付ける程、人間のコミュニケーションは発達してねーぞっ! 口下手にも程がある。そしてそんな目にあっているのに謝る吉野もわかりません。 いい年して自分が何されるか分からないなら、分からせてやれ吉野っ! レピシエで千冬を犯しても、俺だけは許してやるっ!いっその事仁科が 睦ではなく千冬に手を出してくれたら、奴の鼻っ柱も砕け散って、ついでに 吉野の行動力にも勢いがつくかもしれないのに。思わせぶりなわりに 役に立ってないな仁科。
無星
きみぱん
吉野という男はとんでもなく迷惑な奴だと思う。 出だしの吉野が他の客に嫉妬した所でアウトだった。 だいたい自分以外の人間に千冬の料理を食べさせるのがいやだの、 吉野だったら自分の料理を食べてくれれば解ってくれるだの、 「ばかか!お前ら」等とイライラしてばかり。「自分ってすごく男らしいんじゃん」と思ってしまう話だった。 だいたい料理食べただけでシェフの気持ちが解るくらいだったら吉野は 海原雄山だよ。



キスさえ知らない(和泉桂)/講談社X文庫

証券アナリスト吉野とシェフの千冬は、思いが通じ合い、ふたりきりで一週間の夏休みを過ごした。一方、その一週間をフードコーディネーター仁科のもとでの厳しい研修に費やした睦は、赤字続きのレストラン「レピシエ」の閉店を決意する。(F)

フェネギー
いやよ〜レピシエ閉店しないでぇ〜!私まだ食べていないのに〜っ!冷静に考えれば閉店してやり直すのが一番でも、やはり読んでいる私の感情は千冬寄り。受にありが ちな「攻の過去の女が気になる」とか「いつまで好きでいてくれるだろう」とか「もう飽きられたんじゃないか」とかのセオリー通りの悩みも、レピシエ閉店ショックと の相乗効果で可哀想さ数百倍。痛々しくて見ていられない。しかも吉野はそんな千冬に対して腫れ物を触るように接っして不安感をあおるし。ええぃ!攻なら押して押し て膿みを出してやらんかい!唯一の当て馬・仁科は千冬にも睦にもちょこっとずつちょっかいはかけるが、まだまだ遊び半分小手調べ段階で面白味がない。もっとガツンとくる当て馬はいないのか!吉野があたふたするような当て馬募集中。今回、千冬が弱っているせいで女々しいが、可愛いから許す。そう、私はすっかり千冬ファン。 前半、睦が半分以上出ばっていて誰が主役かわからないのがちょっと難。睦はどうでもいいからっ!と叫びたくなるけれど、話の展開上仕方がないのかな…。千冬の涙に 星半分プラスよ。        
★★★
じゃあな

 告白。実は私は不器用な受が思い詰めるあまり病気になるというパターンが大好きです。しかし吉野の場合「そんなに思い詰めていたなんて…」とちっとも感動してくれず、ずーっと千冬が悩んでる事をただ知っていたので、全く面白くありません。「あんな千冬は見てられない」って、見てないで何とかしろっつーの。何もかも仁科の言う事が正しいので、しまいには「睦も千冬もまとめて仁科にくれてやれ」という気分になりました。 それにしても吉野と千冬はちゃんと最後までいっているのでしょうか。何事につけ不器用な千冬が、その事に関してのみ妙に高い順応性をみせているのが不審です。

★★
俺様
レピシエ、潰れて当然。社会の仕組みを理解していないバカ二人で三ヶ月以上店がやれていた事自体不思議です。そして思いが通じた途端 ラブラブになる吉野と千冬はもう勝手にして下さい。千冬、して欲しい事は ちゃんと口で言えっ!話しの進み方が上手いので続きは気になりますが、 それはいったいこの俺様認定バカップルがどう決着がつくのか気になるだけです。 そしてレピシエは再開出来るほど、睦も千冬も成長するかどうかだけです。 弱い受に弱い攻だから話しに収集がつかないんだよ。 吉野よ、俺が千冬ならば、どんなに面白がっていても懐の広い仁科に ひかれると思うぞ。男ならなおさら強いものにひかれて当然だろう。 吉野、お前が強くなれっ!お前が悩むから千冬も悩むんじゃないか? こうなりゃ俺は睦の人間としての成長に期待するよっ! ところで具体的な証券アナリストの仕事について触れてないのは正解だと思います。



キスをもう一度(和泉桂)/講談社X文庫

証券アナリスト吉野とシェフの千冬は、一緒に暮らす恋人同士。レストラン「レピシ エ」が閉店して無職になった千冬は、吉野の勧めで一流のフレンチレストランに就職 する。そこでの千冬の立場はシェフではなく限りなく下働きに近い助手だった。 (F)

フェネギー
出たわ〜出たわよ〜当て馬が!それは千冬の新しい職場の先輩、江藤。出た瞬間から 怪しいとは思っていたのよ。無愛想でかわいげのない新人にやけにやさしいいい男とくりゃ、それは当て馬以外にない。「スキだらけだよ」「オレにしておきなよ」いい ね〜いいね〜江藤。でもまだまだ甘いな、江藤。当て馬として生まれたからには、 もっとぐいぐい問答無用で迫ってくれなくちゃ。まあ、これからに期待しましょう。 それにしても今回は吉野に腹が立つぞ。こらっ!吉野!そこに座れ!千冬の料理を批判しておいて理由を言わないとは何事だ!最後に言うくらいなら最初から言え!「出て行け」と言われて素直に出ていくヤツがあるか!その上浮気だぁ?言語道断だ!今回吉野の評価下がりまくり。こんなんじゃうまくいかないよ、このふたり。いつ別れが来ても不思議じゃないふたり…。ああ、千冬が可哀想。しかし今更だが、吉野にし ろ江藤にしろ、千冬のような無愛想で口が悪くて恐い顔した受によく惚れたよな。      
★★★



不器用なキス(和泉桂)/講談社X文庫

証券アナリスト吉野とシェフの千冬が一緒に暮らす部屋に、吉野の元恋人・古屋 瑞穂がやって来て居候を決め込んだ。彼女を追い出せない吉野に烈火のごとく怒 った千冬は彼女を追い出すまでは話も聞かないしキスもさせないと決心する。 (F)

フェネギー
私はね、正直に言うわ、このシリーズが大好きになってしまったの。もうはまってるの。まだ5巻目を読み終わったばかりだというのに、最新刊の8巻が発売さ れると聞いて辛抱たまらず本屋に行って買ってきてしまうくらい。ええ、バカで す私。千冬が可愛くてたまりません。でもどうして星の数は3個とか3個半とか に留まっているのかしら?自分の心に問い掛けるフェネギー。そう、きっとそれは納得のできない何かがこの作品たちにひそんでいるから・・・。何に納得できないんだろう?このあまりにイライラする展開にだろうか?でも、読んでいて馬 鹿らしいまでの切なさに「がおーっ!」とか「うおーっ!」とか「くうぅぅぅー っ!」とか叫んでしまうのは快感だ。いっそのこと星5個つけてしまおうかと思 うくらい。なのに読み終わって冷静になると「3個半かな」と冷たく言い放つ私 がいる。私の中のジキルとハイド。 今回も胸が痛くなるほどイライラな話。千冬にあとわずかの素直さがあれば、吉 野にほんの少しの強引さがあれば・・・ここまでドロ沼にならずにすむのに。頼 む、誰かこいつらに教えてやってくれ。こう毎回すれ違ってふたりして傷ついて 泣いているんじゃ、読んでいるこっちの身がもちません。それから当て馬の江藤 くんに厳重注意、千冬がいいって言ってるんだからもう少し先までやっちゃえ よ、もったいない。    
★★★☆
じゃあな
 私は吉野の不甲斐なさを彼に変わって誰かに詫びたい。何でお前はそんなに駄目なんだ。千冬はいいんだよ、最初から不器用だと言われ続けてるんだから。吉野、お前はMMKの三高の百戦錬磨のヤンエグの金持ちの息子だろう!なのにどうしてそんなにトンマなんだ?二人の愛の巣に昔の恋人が乗り込んできたら、そりゃあ千冬じゃなくたって怒るよ。それを追い出す事も出来ず、おろおろしている割には休日は一人で出かけちゃうし、一体自分の留守中に二人が刃傷沙汰を起こしていたらどうするつもりだったんだ。そして全面的に自分が悪いのに、怒り続けている千冬に逆ギレするとは、ろくでなしにも程があります。仁科!こいつをやっちまえ!お前なんぞ攻を名乗る資格はない。今から転向してしまえ。
 ところで、いつか誰かがやるだろうと思っていたら私がやりました。はい、順番間違えて読んでます。「キスをもう一度」飛ばしてました。いつの間にか千冬が当て馬に迫られていてびっくりです。
★★



キスの予感(和泉桂)/講談社X文庫

一流のフレンチレストラン・エリタージュで働く千冬は、フランス留学の候補の 一人として推薦される。だがその直後、利き手の右手に全治1ヶ月の怪我をして しまう。そんな時に限って恋人の吉野は出張中で・・・(F)

フェネギー
ほーら、フランス留学だー!吉野と離れるのは嫌だけど行きたいぞー!その上怪 我だー!ほーら、千冬が落ち込む落ち込む、また胸が痛くなるほどの可哀相な千冬を見られるのね〜、ワクワク。などと思った私を作者は許さなかったらしい。 今回の千冬はネバーギブアップ。なんだか前向きだ。なーんだ、今回は千冬がたくましく成長する 幸せな話なのね、まあ、それもまた良し。と思った私をまたまた作者は快しとし なかったらしい。最後に来ていきなり急降下!千冬〜っ!泣かないでぇぇぇっ! でもちょっとこの降下の仕方は不自然よ〜!睦は連絡不行き届きで、吉野は短絡的すぎるわよ〜!まるで緩やかなジェットコースターに乗っているよう。初心者 向けジェットコースター、例えてみれば後楽園遊園地に昔からあるジェットコー スター。リニアゲイルぐらいの命懸けマシンが好きな私にはこの程度では物足りない。そうか、私は千冬と吉野が互いに傷ついてどん底まで落ち込む話が好きな んだ。今回は気持ちが通じ合っているから物足りないんだわ。鬼のような読者フ ェネギーは、次回はボロボロになってのたうち回るふたりを希望。私も読みながらのたうち回りたい。    
★★★




キスの法則(和泉桂)/講談社X文庫  

シェフの千冬は、代官山のレストランで雨宮の作る料理を口にして以来、すっか り魅せられて毎週彼の料理を食べに通うようになる。一方、千冬の恋人の吉野は 友人の頼みで新しいビストロへのアドバイスを引き受ける。(F)

フェネギー
作者、ネタ切れか?設定がいろいろ増えてきたせいで動きが取れなくなったの か?それともこれから始まる新しい展開への序章なのか?なんだか今回、まとま りのない散漫な内容になってしまった。(あ、今あとがき読んだら『小休止』だ って。これから面白くなるという事だね?ホントだね?)しかし、私には新規オ ープンのビストロへのアドバイス(というほどの物か?アンケートじゃないのか?)を引き受けるのに千冬や仁科に後ろめたさを感じる吉野の気持ちも、それを知って激怒する千冬の気持ちもわからない。裏切りというほど悪い事かい?そ れをすることで自分が強くなれるとか思っている吉野も変。いきなり吉野が理解できない人になってしまった。さようなら、吉野。吉野の家族も友人も変な人た ちだ。突然「俺の恋人だ」と男の千冬を紹介されて、一瞬驚くだけで普通に接す ることが出来るなんて、肝っ魂がでかすぎる。私には風采のあがらぬ兄が一人い るが、もし兄が男の恋人を連れて来たら一瞬驚くどころではすまないと思う、365日ぐらい驚き続けるだろう。もし男友達が男の恋人を紹介してきたら「で? どっちがどっち?」ぐらいは聞く事だろう。そして私は千冬の逆鱗に触れてしま うんだな。なんだかこのシリーズの出演者たちは私の思惑とは違う方に行きたが る。バンビのようにかわいいはずの睦は世界一男らしいし、期待の悪い男風の仁 科はすっかりふたりの恋のアドバイザー。あまりにおせっかいなので本当は吉野に惚れているんじゃないかと思ってしまうほどだ。当て馬江藤はフランス行っち ゃうし・・・。ちぇっ。 余談だが、先日表参道へ行った時「吉野と千冬の愛の巣はあのへんかな〜?今日 も『千冬、食べちゃっていい?』とか言っちゃってるのかな〜?えへへへ〜」と 紀伊国屋の路地を入ったあたりでウロウロニヤニヤしてしまった私は、かなり変態かもしれない。      
★★☆



キスの欠片(和泉桂)/講談社X文庫  

同棲中の証券アナリスト吉野とシェフの千冬は、部屋に吉野の姪の初美を8日間 預かることになった。初美にできるだけ優しく接しながらも欲求不満がたまって いくふたり。千冬はさらに自分の料理に自信を失いスランプに陥っていた。 (F)

フェネギー
いやはや、欲求不満の千冬だ。自分から誘っちゃう千冬だ。吉野を襲っちゃう千 冬だ。う〜ん、たまらん。エッチ方面に急激な進歩を見せる千冬。純情だからこ そ一途に突っ走っちゃうんだろうか。よくあるホモでは、攻が辛抱たらずに襲い かかり受は「ばか、やめろよっ」とか言うのが常套だが(そういうのも大変ツボで好きだが)、今回は意外にも愛想のない不器用な受が辛抱たまらなくなる。千冬・・・大人になって・・(感涙)。作者もそういうシーンの表現に遠慮をしな くなった。それは良いのだが、今回は何というか・・・どうにもつらい話だ。今までは気持ちのすれ違うふたりにハラハラさせられて胸が痛かったが、今回はふたりの愛の生活と現実での生活がすれ違って行く。ふたりきりの部屋でふたりで 完結しているだけの恋愛なら幸せなまま生きていけるけれど、現実に将来の夢や目標がある千冬にとってはそれだけではすまない問題が山積みなのだね。自分でそれに気づき、自分で考え、自分でつらい結論を出そうとする千冬は実にかっこ いい。−このままでは自分は駄目になる−なかなか言えないセリフだよ。なんだか私まで「毎日ホモばっかり読んでいていいのだろうか」と、ふと自分の将来に思いをはせてしまった。今まで一話完結だったシリーズが、今回は「つづく」の 状態なのでとても先が気になる。だがそれ以上に気になるのは10才の初美を人に 預けて海外旅行に行ってしまう吉野の姉夫婦だ。しかも毎年行っているだって? 私が初美だったら確実にグレるね。    
★★



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