いちご大福は14歳(加納 邑)/オークラ出版・アイスノベルズ


妖狐の九重と、人間の男である雅の間に生まれた三匹の子狐。両親譲りの美貌や利発さを持つ上の葵と向日葵に比べて、末っ子の藍は器量 も悪いし成績もびりっけつ。だけど隣山に住む大好きなタヌキのタローちゃんが藍をお嫁さんにもらってくれるっていうから…。(J)

じゃあな

 まず最初に心得を言い含めておく。面白いと思って読め。さすれば面 白い(かも知れない)。オス狐と日本男児の間に子供が産まれた事についてなど考えてはいけない。さらにその子供の男の子が、オス狸のもとに「嫁に」行くことについてなど、疑問を持ってはいけない。オス狸と半人半狐の男の子の間に「子供が産まれる」ことをみんな当然のように期待しているが、そこで「なんでやねん」と叫びだしてはいけないのだ。八犬伝だって「畜生でも仏念を発起すれば」八房と伏姫の間に八人も生まれたではないか。なんかきっとたぶんそういう感じなのだ。受け入れろ!
 前作からそのネーミングセンスだけで私のハートをとらえていた狸の田貫太郎氏は、なぜか語尾に「〜」のついた喋り方をする(「家族がみんなこう喋るからな〜」と、根拠になるんだかならないんだかわかんない解説がなされていた)ので、気が抜けることこの上ない。この脱力狸のところに、なにひとつ満足に出来ないバカ狐が嫁に来るが、しょせん狐と狸のやることなのだからどんなに凄いバカでも許してやらねばならない。「許すとなったらここまでということがあってはならない」と山本周五郎も言っている。お茶をいれようとやかんにお湯を沸かしただけで山火事を起こしそうになっても、いいじゃないか。狐なんだから。やかんにお水を入れられるだけでも十分どうぶつ奇想天外に出演出来るというものだ。中学生の男の子だと思うと、体育倉庫に二年くらいとじこめてやりたくなるが。
 九重一家が一年三百六十五日きつねうどんを食べていても! 狸のタローちゃんの主食がいちご大福であっても! 庭にいちご大福のなる木があっても! もう何も気にするな! 自我を捨てろ! 無になって読め! 読んでるだけで解脱出来そうな物凄い設定の作品だが、その内容はしかし絶叫トンチキではなく、ぼんやりほのぼので破壊力少なめなのがまた不可思議な加納ワールドであった。思いっきりタイトルに「14歳」とあるが、児童ポルノ規制法も狐と狸のことまでは関知しないのだろうか。森山法相もそこまで暇ではないのだろう。

★☆



王子様のお勉強(松本テマリ)/桜桃書房・ガストマニアコミックス


帝王学の一環として、房事についてお勉強する少年王子。でも本当は貴婦人の抱き方よりも、教育係に抱かれる方法を教わりたくて…。(J)

じゃあな

 全編通して美少年ショタ受なので、私の嗜好からは外れるはずなのだが、絵が可愛いのでなんだかまあいいや(ポリシーを持たぬ 女…)。
 教育係のヤツレ具合がいい感じだ。彼が素敵な青年王に押し倒されてくれたら物凄い勢いで星が増えるのだが。この絵でスネイプ系受希望! いっそ王子様がもっときらきらのかわいこちゃんだったらロリ心を発動させて違う楽しみ方が出来るのだが。結構やんちゃっぽい髪なんですよね殿下…これがストレートロングヘアだったなら…ううう。
 収録作品全てアンソロ系の短編ばかりなのだが、これだけのP数でここまでエッチシーンも入れて、なおかつ小綺麗にまとめているのはご立派。はやくもっと長い作品も読みたいデース。

★☆
俺様
何で眼鏡攻ばっかりなんだよ〜。目がねくんを影から見守るもっとガタイの良い、受以上に頭の悪い奴は何で出てこないんだよ〜。って俺の嗜好ってそういうのだったのか?
ショタ設定でなくても受がショタショタしているので絵はいいのにな〜と思いながら軽く読み流してしまった…。みんな酷いと思うかもしれませんが、FLOWERINGを読んだあとのサクサク読めるというのは最大誉め言葉なのですよっ!
★☆



罰あたりなキスもいい(睦月りな)/オークラ出版 HONEY I'S NOVELS


再婚する母の許から独立する為、金策に困った真登はアルバイト禁止の校則をやぶってパーティー・コンパニオンで稼いでいた。ところが教師兼校長の有島にそれを見つかってしまい、脅されて今度はAVビデオの相手役をつとめる事に? いつも真面 目な有島先生にこんなエッチな一面があったなんて、信じられない真登だが…。(J)

じゃあな

 私にとってこの作者の印象は、「男性性器を『キノコ』と表現する人」である。ストーリーはもはや粗筋で全て説明し終えた。100人に「これだけの粗筋でオチをつけなさい」と言ったら、100人が同じ物語を考えつくだろう。そういう感じで、結局、読み終えた印象は「やっぱりキノコって書いてたな…」というただそれだけである。
 まあもうちょっと感想を付け足せば、やたらと下品な言葉で真登を言葉責めにする有島だが、真登はそれどころではないほどきゃーきゃー喜んでおり、ここまで言ってるアンタがむしろ恥辱プレイだという気がした。作中の真登のバカエロさに対して、挿絵はまともそうな男の子なのが、救われていたんだかそうでもなかったんだかよくわからない。
 あと、タイトルに関しては作者がエンドマークをつける寸前に「おっととと、この設定忘れてた」と付け足したんじゃないかと思われてならない。




その時ハートは盗まれた(原作 金丸マキ・作画 穂波ゆきね)/芳文社・花音コミックス


「至高の珠玉 」と密かに謳われる、火遊び好きの貴族の令息は、あるとき都で評判の怪盗に躰を奪われる。どこの誰とも知らぬ 男に失礼な事をされた上に事後失礼な口を叩かれて、激怒した彼は怪盗の事を追いかけ回すのだが…。(J)

じゃあな

 面白かった。原作の小説があるのかと思ったら、漫画の為だけの原作という事で、まあ贅沢。面 白いのも道理か。軽妙な金丸ワールドを細かく味付けしていく穂波ゆきねの筆も秀逸。すばらしきコラボレーション。これで坊ちゃんがもうちょっと美形ぽかったらカンペキ。そう、金髪! 金髪線が入って、それをホワイトで細くスッとぼかしてあるのがチュキ! それならもうバッチリ、メロメロ!! と、一人で細かい条件をつけて盛り上がってみたが、担当編集者がトーン処理したページまであるらしいせっぱつまった進行で「金髪線にホワイトでボカシを入れろ」なんて私の細かい注文なんて聞いてる場合じゃないよな。
 そして巻末の議員モノも非常にタイプ。私はクリントン(イギリスはブレア)政権当時「誰かアメリカ大統領がイギリス首相に惚れて、エアフォース・ワンで夜ばいに来る話を書いてくれ!」と一人で気を吐いていたのだが、金丸・穂波コンビで書いてくれないだろうか…。あ、むろんビジュアルはお楽しみいっぱいで。イギリス首相は金髪線にホワイトボカシ(しつこい)でお願いします。

★★★☆
俺様
気のせいかな〜?穂波ゆきねと梶原にきの絵は似てるような気がするのだが、 それは私だけの気のせいか?なぜかこの本はサクサク読めずだらだら時間を かけて読んだ。しかも1話ごとにすら読んでない…。ところで現国王を奴隷扱いしていた貴族のお坊ちゃまはともかく、その仲間で一緒にやっちゃいましたって 人達の処分はどうなっているのでしょうかね〜。しかし、ケツを見せろといわれて素直に見せるジャンってやはり大物だからなのねん。ところでアメリカって開拓されただけあってホモに対して拓かれた国ですね〜。ああいうステキな議員と秘書がいたら日本ももっとアメリカに対して強く出れるような気がしますが、 日本人だとビジュアル的に辛いですね…。
★★



下僕になります(新也美樹)/桜桃書房・ガストコミックス


新商品のイメージモデル選びが難航し、追いつめられた企画課長の守屋は、美貌の高校生・斎(いつき)と運命のように出会う。イメージそのままの斎に、公私ともつくしてつくして尽くしぬ く守屋だが、ライバル会社から斎の引き抜きが?!(J)

じゃあな

 ギャグとしてはまあまあなのだが、斎がもう少し可愛くないとつまんない…。デザインからしてどうもパッとしないなあ。衝撃を受けたり感動したりする度に、ぎっくり腰になりそうなポーズを見せてくれる登場人物達はスゴイが、なんか画面 に勢いがない。線が結構へろへろなのがいけないのかも知れない。もう、デッサンも画面 処理もいいんだよ、ここまで来たらパワー、パワー。パワープレイでどこまでも押すんだ、ちゃんこ食ってリキつけてがぶり寄れ、と、ゲキを飛ばすどっかの相撲部屋の親方みたいな気分。好きな設定だっただけに、もうちょっと勢いが欲しかった。惜しい。

俺様
感想を書くのにいつも思うのだが、読む順番ってのは大切だよね。FLOWERIN Gを 読んだ後なのでいちいちギャグに受けてしまった…。冷静に考えればこっちもとんでも ストーリーなのだが、それはその…ごにょごにょ…。いつでもどこでも勝手に斎の思考を 先読みしては的外れながら、思い込みで納得しては大コマを取り感動してしまう守屋は、大人の、仕事の出来る人間としてどうなのだろう。あんな上司を慕う部下達の気持ちがわからないうえに、あれだけ課長ラブ軍団なら守屋をやっちまう事だって考えついてもいいと思うのだが…。だって、みんなホモのはずなのに。また部下みんなで斎をやっちまう事も思いつかないとは…。この上司にしてこの部下ありといったところなのかな。


情熱のゆくえ(遠野春日)/ムービック・ゲンキノベルズ


お互いの気持ちがわかるようでわからない…最後の最後に素直になれなくて、一緒に暮らしながらもすれ違う遙と佳人。ある時、無人島にビデオ撮影に行った際に、見知らぬ 男達に拉致された遙は、手ひどい責め苦を受けながらもひたすらに佳人の身を案じるのだが…。(J)

じゃあな

 粗筋だけ見ると遙が受のようだが、佳人が受である。前作に引き続き、好きなカップルではあるのだが、今回は東原のアニキに情人登場で、一作にホモ2カップル。しかも受同士がいたわりあったり、片方が気を利かせて「ささ、私に構わずエッチをどーぞ」とばかりに席を外したりと、私の苦手な寒いホモワンダーランドなところが残念だった。もうそういうのは、芹生先生の篝邸ホモ大結集水滸伝だけでお腹いっぱいでございます(しかし今となってはあの席に、チーフと柏木がいなかったことが悔やまれる。どうせならとことんまで行って欲しかった)。
 遙を救う為に佳人が悲壮な決意をするくだりなど、なかなか燃えるのだが、ホモ2カップルという点と、どうしても唐突な「無人島」という設定がひっかかる。「無人島でAV撮影」って何だそりゃ。無人島で拉致監禁。無人島から奇跡の脱出。「無人島」とつくだけで急に荒唐無稽になってお笑い気分にさせる。試しに色々つけてみよう。「無人島で日本代表無念の敗退」「無人島で鈴木宗男議員逮捕」ホラ、頭に「無人島」がつくだけで、時事ニュースがさらにフレッシュに。
 2カップル揃っちゃうところに不満はあるんだけど、個々で見るなら、アニキと弁護士の関係は結構好きでした。

★★☆



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