月と専制君主(南野ましろ)/ソニーマガジンズ・ルチルコレクション 全2巻


幼なじみの七海と正義。十七年間、七海を溺愛し続けている正義の下心は「気づかないのは七海くらいのもの」と、辛辣な妹に断言されるほど。ところが本当にわかっていない、鈍感でワガママで、そのくせ正義が好きな七海の気持ちの行方は…。(J)

じゃあな

 一巻は珍しく、ボーイズラブらしいボーイズラブ。超級の常識を持ったモブ集団もあんまり出てこないし(南野ワールドにおいて非常識は大多数の支持によって常識となる)百科事典には決して載っていない様な、不思議な生物も登場しない。私は実は、七海の様な(どうでもいいがナナミで変換すると名波になってしまう。それはツライ)額がまるで出ない坊ちゃんカットというのはデザイン的に苦手なので今ひとつのめりこめなかったのだが、かわいーいボーイズラブが読みたい方には、一巻はオススメ。二巻は、作者が「長い番外編だなあと思ってください」と言った通 り、あんまりストーリー的な価値はないかも。もはや進展しようもない正義と七海は、南野ワールドお得意の甘甘メビウスリングに突入しており、お友達の園原くんが申し訳程度に活躍していた。園原くんがそこまで自分に自信がなく、感情の機微に疎いのはそれなりの理由があると思うのだが、そこのところは不明のまま。いっそ二巻は完全に主役交代しちゃった方がスッキリまとまったんじゃなかろうか。何だか評価が揺れるところで、星の数はとりあえず二冊を足して2で割ってみた。

★★
俺様
ちょっと何で園原主役じゃダメなの?七海と正義に関しては 1巻で全てが終わってしまっている。なので2巻ではどんな事件が起きるのか?と思っていたのだが、あの状態で行くのなら 七海と正義の事を描かなくてもいいのではないだろうか? 園原くん主役でいいじゃないですかー。あー、でも勝利にはやりたくないのよー。勝利はサラリーマンだと好きなタイプですが、 高校生と考えると嫌いなタイプなので、園原みたいなイイ子をやりたくない。 誰かもっと良い男出て来いよっ!色々と自身の背景を見せてくれている園原くんなんだが、結局彼がどうして自分の感情に疎いのかは何一つ解明されていない。海に赤線で赤道が描かれているように、 はっきりくっきり見える伏線を張ったのなら、読んでいる側はつい都合の良い解釈をしてしまうので、なぜそうなのか?という事をきちんと解いて欲しい。って言っても結局主役じゃないしな…。
★☆



俺は海の子(小鳥衿くろ)/桜桃書房・GUSTCOMICS


さよりはとても純粋な少年で、海沿いの洋館にばあやと 二人きりで暮らしていた。父が再婚し弟が二人出来るのだが、 なかなかコミュニケーションが難しい。(O)

俺様

さよ坊よー、何で君はそんなにものんびりさんなんだね? 勝利も勝巳もどうしてもさよりより年下とは思えないのだが、 普通そういうキャラはあまり田舎になじまないものなのだが ナイスマッチング。ところで勝利はさよりをどうしたいのだろう。 やるチャンスはたーんとあるのに玩具にして遊んでいる だけで満足なのだろうか?源次の空回りは王道パターンの アテ馬なのだが、私はチヨちゃんの味方なので早いとこトサ犬っちに噛まれるがよい。連載作である本作よりも 短編の方がとても好みでした。ところでこの作者は知ってる と思うのだが、名前が違ううえにその名前すら思い出せない。 年かの…。

★☆



俺は海の子(小鳥衿くろ)/桜桃書房・GUSTCOMICS  2巻


さよりは父親の再婚で出来た義理の弟二人が可愛くてしかたない。 だが弟二人はさよりの事を兄とは思わず、違う対象としてみていた。 (O)

俺様

どうも主人公以外の脇キャラの味に惹かれてしまうのな。ばーやといい チヨといい…。そんなわけで一見さよりが振り回されているように見えがち だが、実際の所はみーくん(勝巳)もトシ(勝利)くんもさよりに振り回されているのだな。相手が自分の事を好きなんだという事がわかっているからさよりに手を出したのかもしれないが、勝利は一歩間違えば犯罪者だよな。 そんな勝利もアッサリサックリとチヨの一言に刺されていたがな…。 私はチヨちゃんが幸せになれば良いと思っていたので、勝巳がちゃんとチヨちゃんを好きになったのが嬉しい。と、いうかチヨちゃんの懐は広すぎないか? 味のあるキャラとしてばーやも好きなのだが、この人を見ていると「マカロニ ほうれん荘」のキンドーちゃんを思い出してしまうのだった。

★★★
じゃあな

 意外とさよりは適性があったのだなあ…。やけにあっさり勝利とうまくいってしまった。後日談まで描かれているということは、これで完結なの? アラ? 私が期待していたさよりの実兄が出てきて勝利と恋の鞘当てという、そういう展開はどうなったのかしら?
 さよりと勝利もいいのだが、今回は勝巳とチヨちゃんがかわいいのう。みーくんやたらと可愛いので「それから」の彼の、まったく可愛くなくなった姿にはちょっとショック…。さよりは相変わらずなのに。攻は攻の遺伝子、受は受の遺伝子で、胸腺の発達の仕方はまるっきり別 物なのね…。
 収録作品の「fill」は「おいおいこれで気がないわけねーだろ」というくらいなのに、カンちゃん一人それに気づいていないというのが笑えた。恋愛とはハタから見ていると滑稽なものなのだな。
 えりんくろんワールドの受は華奢で、攻の手が頭を掴めてしまうような体格差はいいなあと思う。

★★★★



4月祭(小鳥衿くろ)/桜桃書房・GUSTCOMICS


母親の再婚をきっかけに芳十は男子寮に入る事になった。 寮長は芳十のあまりのかわいこちゃんぶりに用心棒をつける事にした。同室の悠貴とニセの恋人を演じる事に なった芳十なのだが…。 (O)

俺様

うーん、王道。ただ最初から他人が「お前等恋人。はい、よろしくっ!」 というのは良かった。ただ人畜無害そうに見えて一番危険な人物を 選んでしまうのはなんとも…。そして権力には権力で立ち向かえってのは どうだろうか…。ぽよよんと見えてその実は一番害のある人物というのは 嫌いではないのだが、悠貴はいまいち好きになれなかった。作者の受は みんな素直でかわいいのでちょっとロリ心が刺激されてしまった…。(なぜロリ心…) 「スイカ世界」(直訳すな…)でとんでもない田舎からやって来た純粋培養受ヒロキ なのだが、妙な貞操観念はどこから来るのかな…。 「神風吹いてホモは日本上陸断念したんだぞ」という台詞に 笑ってしまったのだが、ヒロキよ大学行ってるなら日本史勉強しただろ。 太古から日本にはホモがおるんじゃよ。神風はホモを運んで来るんじゃよ。

★☆
じゃあな

 どうも心の心汚い私は、ケダモノだらけの男子校に可愛子ちゃん転校生がやってきました。でも運命のダーリンにめぐりあったので、彼に守られてプリンセスは今日も安全…という設定はあまり燃えないのだが(特にそのプリンセスがベタ髪に伊達メガネでひたすら可愛かったりすると…)逆にこれが燃え! ツボ! という人もいると思うので、お互いそれぞれの領分を守って生きていこうぜ兄弟。
 芳十があまりにもホモに適性を見せて、めきめきと立派なホモに成長していくので、何だか佐奈にうまく騙されている様な気はするな…。お義兄ちゃんは好きなんですが九條先輩あたりどうでしょう(おおそれは燃えるね)
  同時収録作品の世間知らず大学生×高校生の方がキャラクター的には好きだった。織辺よお前はそこであっさり祝福してしまっていいのか…? くっ、腰抜けホモめ。

★☆



僕らの恋は何かたりない(大槻はぢめ)/茜新社・オヴィスノベルズ


旅行代理店に勤める孝之は恋人の圭吾とケンカをしてしまい、 部屋から追い出してしまった。急な仕事のため香港に向かった 孝之の前に、三十年前に心中した恋人を今も探している 幽霊のレンが現れる。(O)

俺様

いやね、五反田のブックオフでこの本みつけて、この作者と挿絵の組み合わせは読んどくか、と軽い気持ちで 思っていたんだが、粗筋読んでますます読むぞという気に なった。ちなみにこの日は五反田オフでみんなにこの本の後ろのあらすじを語ったら爆笑だった。レジにこの本を持っていく俺はまさに漢。 相変わらず主人公は何でも全て説明してくれる。おかけでだんだんイライラ してくるのだが、たまたまお茶を一口のんだ時に読んだフレーズに ビックリドッキリ。人間は一口のお茶で死を目前に出来る事を発見した。とにかく全てがご都合よく進む。狭い香港だとは言うものの 知り合いの日本人がばったり出くわす偶然などあるのだろうか? 突っ込みどころは相変わらず多々あるのだが、どうやらこの人の手に かかると紳士的な老人ですらバカになるようだ…。 挿絵を見た時にどうせ学生もんだろうと思っていたのだが、社会人だった事にかなり衝撃なうえに、やはりホモな社会人はちゃんと働かないのだった…。

じゃあな
 何かたりないって、間違いなく脳味噌である。心中して、自分だけ死んでしまった美形俳優の幽霊が出てきて、どうして私達が心中する事になったのか、その理由をお話しましょう…と、お話してくれるのだが、その内容たるや、頭がアイタタタ。兄さん頼むから死んでくれ。
 そして相変わらず一人称の凄さを見せつけてくれました。主人公が泣きながら恋人に枕ぶつけてるところで「ちなみにここは僕のマンションだ」って、冷静なんだか興奮してたんだか。俺様は、殴られた事があからさまなのに「(後輩は)後頭部を押さえた。僕が殴ったからだ。」という文章のわざわざさに爆笑していたが、私はステーキハウスに行った主人公の「僕の目の前には鉄板がある。机についているものだ。」に、呼吸困難。なんかいっそシュールだよこれ…(一部分だけ抜粋しているので、何がどう面 白いのかわからない方はどうぞ本編をご一読下さい)
 もう全編を通して、なんとコメントして良いやらわからないので本編と何ら関係のないところをツッコむが、巻末の第一回オヴィス大賞の原稿募集要項。「あなたの妄想大爆発! なストーリーを送ってみませんか?」って、どんなんだよそれ。多分本作の様なものを言うのだろうな。すみませんこんな凄いもの誰も書けません。
無星



恋ならいいのに(麻生玲子)/オークラ出版・アイスノベルズ


呑んだ帰りに電車を乗り過ごした会社員の阿南。渋々、一駅分歩いてると車から「乗っていかない?」と声をかけてきた男があった。顔も知らないが、高校時代の後輩だったという高津は、実は生徒会長だった阿南にずっと憧れていた。嬉々として阿南に近づこうとする高津だが、彼のセックスフレンドの槙野もまた、阿南の事をずっと想っていたと言い出して…。(J)

じゃあな

 何だかなーんにも起こらない物語だった。キャラクターのお膳立ては良かったのだが、キャラ設定以上のエピソードが殆どない。高津は地味にずるずると阿南を追いかけ回し、阿南はだらだらとその執着に引きずられていく。二人のノリが軽いので、切なさが殆どないところが敗因か。阿南が高津に惹かれる理由も弱い…と言うか、高津が阿南に執心する理由すらかなり曖昧な…。
 せめてこれで、槙野がもう少し活躍してくれれば良かったのだが。「俺だってずっとこいつのことが」と言い出した時はやっほう! と思ったのに、それっきりフレームアウト。帰ってきて槙野。カムバック当て馬…と思ったら、もうページ数もおしせまった頃にのこのこ戻ってきて、小さな波紋を投げかけて小さく去って行った。なんと役に立たない男であった事か。




薔薇とボディガード(たけうちりうと)/大洋図書・シャイノベルズ


養成学校での成績は、最終テストでの動物を対象にした射撃以外は最高だった、心優しい新米ボディガードのジュン。アメリカ東部最大の警護会社・P3Sに入社した彼だが、先輩で花形ボディガードのグレイはジュンの事を「三日で辞める」と吹聴しており…。(J)

じゃあな

 ボディガードと言うと、映画の影響か、警護対象とボディガードの恋を連想するが、本作はボディガード×ボディガードだった。ウイットに富んだアメリカンな会話が妙に芝居がかる傾向にはあるが、なかなか面 白い。しかーし、序盤の、偏屈なのか乙女なのかわからないグレイのずれ具合は可愛いのだが、中盤からジュンにつらくあたりすぎて腹が立つ。なにパンチくれてやがるこの野郎。あー、誰がお前なんかとつきあうもんかい。レーナだレーナ。あんな男と違ってレーナは綺麗で優しいなあ。私なら間違いなくレーナの豊満な胸に飛び込むぞ。
 ボディガードという職業柄、全編を通じて緊張感がほど良く、みんなに愛されるジュンはいい子だ。辛抱強いと言うか、のんびりしすぎているので貧乏くじは多いが…。トレーナーのオータとのやりとりも可愛い。グレイに苛ついているところだったので、オータの胸にも飛び込もうかと思った。ランディも可。私はボーイズラブにありがちな、一話目は受、二話目は攻、と視点が移る手法は最初あまり好きでなかった様に思うのだが(もう慣れたが)本作に関してはグレイの視点から、彼が嫉妬で煮え煮えになってトムやランディに当たり散らす話が欲しかった。そうでもなければ、パンチくれたオノレにジュンは渡したくないんじゃボケー。

★★



星とボディガード(たけうちりうと)/大洋図書・シャイノベルズ


ボディガード嫌いで有名な若き大富豪の警護を任されたジュン。ボディガードらしからぬ ジュンの愛らしさと優しさに、富豪のチャールズは心惹かれていく。勿論グレイがそれを見過ごすはずもなく、休暇そっちのけでチャールズの警護に参加するのだが…。(J)

じゃあな

 アクションも壮大で派手。ジュンは前にも増していい子で、鋼鉄の調子っ外れ男・グレイも可愛い、と、文句のない第二巻。一巻では今にも広川太一郎が喋りだしそうだったいんちき洋画的会話も、慣れたのか熟練したのか気にならず、しゃれている様にさえ思えた。エピローグの二人もいい感じ。
 一巻ではジュンにパンチをくらわせたグレイを憎みに憎んだが、私の憎悪の念が今回彼を思わぬ 窮地に招いた様だ。ざまあ見ろ。でもちょっとびっくりしたから、この前の事は水に流してあげるわ。どきどき。P3Sのスタッフや、トム、クリスら、レギュラーキャラクターが把握出来る様になってきたので、個性豊かなレギュラー陣や世界観を存分に満喫出来る。どんどん続いて欲しい居心地のいいシリーズである。
 事件を通して、ジュンは色々な人たちに励まされて成長していく(元からいい子なのであんまり成長する必要もない様な気もするが)のだが、一巻ではオータ、二巻ではシュワルツと、彼を支えてくれるアドバイザー達が実に人間味があって魅力的だ。作者の力量 を感じる暖かさである。
 ところで私は発行順とは逆に、魔性の男たらしトム・ショルティの活躍する「紳士とペナルティ」を先に読んでいたのだが、それから本巻を読むとランディはただの阿呆である。思うさまランディをひっぱりまわして恩を着せて、トムはさぞかしご機嫌だったに違いない。しっかりしてよピーター・オトゥール。

★★★



琥珀とボディガード(たけうちりうと)/大洋図書・シャイノベルズ


業務上唯一のミスとして、幼い子供の両親を誤殺してしまったスナイパーのシリル。隠遁生活に入って、遺児を我が子として育てる事に専念していたのにテロリスト集団からどうしても断れない仕事の依頼を受けるはめに。ターゲット抹殺の為には、何としても邪魔なPS3のボディガード・ジュンを先に始末しようとたくらむシリルだが…。(J)

じゃあな

 好きなホモを友人が受け入れてくれないとちょっと寂しい。私はこのシリーズを友達に貸したら「外人は寒い」という言葉とともに返されてとても寂しかった。しかしグレイの「君とともに溶け合ってひと粒の砂になってしまいたい」という台詞を読んだ時は確かに、外人って寒いと思った。友よ。
 で、ボディガードシリーズの三作目。琥珀って何だろうと思っていたらそういう事でしたか。愛はまっすぐな愛ではなく、憎悪もまっすぐに憎悪にならず、と、非常に人間ドラマ的には入り組んでいた本作。引きずられてかストーリーもゴチャついており、シリルもそんなに一生懸命ジュンを殺そうとしなくても、どっちかっつーと目撃者のレーナの方が邪魔なんじゃないの? とか、いくら人気のない森の中とは言え、人の家の門前でどうして突然強姦しようとするの(殺すなり、暴行するなり…自分だってリスキーなんだからわざわざ性行為に走らなくても…)? とか、あちこちちょっとずつ不思議だった。比較的整然としているたけうち作品としては珍しい感想である。
 ゲストのシリルに全部持って行かれて、グレイは居たんだかなんだか。珍しく本編の方に出てきた魔性の男たらし、トム・ショルティは、相変わらずミサキと続いているようで残念だ。ランディの役立たず。初恋の人の息子なんだから、クリスでもいいではないかとずっと期待しているのだが…(何が何でもトムには受でいて貰いたいらしい)。揃いも揃って役に立たない親子である。

★★★



Stand by me(暁 由宇)/雄飛・アイノベルズ


同じ広告会社に勤める営業マンの智昭とデザイナーの孝一。ゲイの孝一は初めて出会った時から智昭を意識していたが、酔った勢いで開放的になった彼をついに抱いてしまう。身体から始まった二人の関係は…。(J)

じゃあな

 読みにくい。文章も「BはCで、Eだったのだ、Aは。」みたいな形が多いのだが、構成も現在、三ヶ月前、現在、一ヶ月前…と、別 に意識してそういう手法(過去と現在を交錯させるため)ではなくただ単にぐるぐるしている為、読んでるこっちの頭もぐるぐるする。受は天真爛漫と言うか奔放と言うか非常に自分に都合のいい男で、初めて覚えた性行為に夢中になる中高生みたい。「オノレはお猿か」と思うほど快楽に貪欲なのだが、後から「これは愛だったのか」って気づかれても、ううん、ちがうちがう、アナタ自分のお猿ぶりを綺麗にまとめようとしてるだけー、と訂正したくなる。こんな男にうっかりひっかかった則子ちゃんの将来が気遣われる。「彼氏がホモで恵まれなかったあなたに」といって電話出来る場所はあるのだろうか。オー人事。オー人事。
 攻も攻で、何だか攻マシーン。受に思いを残しているわりには、他の人とバリバリなさっていて、ゲイの心に誠はないのかとふと夢壊れる。彼がもっと切なく智昭の事を思い詰めてくれていて、好き勝手にしていた智昭が彼の大切さに気づいて愛を自覚する…という展開だと、クライマックスのカタルシスが気持ちいいのだろうが、割と二人とも自分が壊滅的なダメージを受けない様に打算的に行動している為、割れ鍋に綴じ蓋という感がある。
 孝一の元恋人として「劇団に所属している舞台俳優で、一部の先進的な若者の間ではファッションリーダーとしてカリスマ的な存在」のミサキというのが出てくるのだが、劇団所属の俳優で、しかも舞台をメインに活動している様な役者は大抵ファッションとはほど遠い。今、基本的に舞台を専門に活躍していて、人気のある劇団の看板的存在の若手俳優というのを一人一人考えてみたのだが、橋本じゅんも岡田達也も阿部サダヲも吉田智則も、決してファッションリーダーにはなってくれないだろうと思った。

俺様
読み辛い。時間の流れを行ったり来たりさせるのなら もっと読みやすくしよう。話に面白味がないのだから せめて読みやすく。何もかもが都合よく転がっていく話で、特に大した事件なく終わってしまって肩すかし。 智昭の性的倫理はどうなっているのだろう?女でも気になったら 一度寝てみるって…。あんた最低やな。女でもその一回に 一生を賭ける女だっているだろうに、男同士ならなおさらじゃーっ!! 男のノーマル同士で「イッペンやってみない?」「そうしましょう」 って会話が成り立つと思っているのか?しかも気持ち良いから ずるずる続けて行くとは、無神経にも程があります。 せっかく働くホモなのだから、もっと仕事の事で大変な事が 起きるとか、そういう「ああ、ホモでもこの人達ちゃんと 働いているんだ」という感心をさせて欲しかった。 欲望の赴くままやっているだけの話だと何だか寂しく感じる今日この頃です。ミサキの存在も何だかなーです。 舞台を中心としている俳優が「一部の先進的な若者の間で ファッションリーダーとしてカリスマ的な存在」って、最近は私も 色々舞台も観に行いっていますが、今迄そんなステキな俳優見た事ありません。じゃあなちゃん同様色んな劇団の若手看板役者を思い浮かべても、30過ぎても舞台では若手がまかり通 るからなぁと悲しくなってきました。



オトコノアイシカタ(櫻井しゅしゅしゅ)/オークラ出版・PIXYCOMICS


探偵をしている吉田の元に一人の男が現れる。 知人からの紹介でやって来た響は探偵としての 能力は最高だが、性格は最悪だった。吉田は 不採用を告げたのだが、響は引き下がらず…。 (O)

俺様

右目の虹彩炎の原因かもしれん…。とはいえなぜ買ったかというと 「人魚の棲む海」の絵を見て「ほほぅ」となったから。内容はバラエティに 飛んでいるのだが、この人はショタよりも大人同士の方が良いと思うな。 巻末の普通の男女物を読んだ時「女の子いいじゃん、イケるイケる」と 間違った感想を持ってしまった。この本が発売された当初、 コミックステーションでは原画展をやっていた。それは毎日のように ステーションに寄る私への挑戦だと思っていた。でもその挑戦は 展示されている時には受けなかったがな…。

じゃあな
 アクアコミックスは本が固くて(しならなくて)読みにくいんですばい。電車の中でカバーつけて読んでる人がいるとしたら、飛ぶね。カバーが外れて手から飛んで行くね。まさか電車の中で桜井しゅしゅしゅを読むほど剛毅な人もいないだろうが、飛んでいったあとも平静を保てたとしたら、男の中の男だな。
 で、本作。んー。今にして思うとこの人は初コミックスのギャグが路線的に正しかったな。水戸泉作品を漫画にした様なショタもギブギブって感じだし、本コミックスの様なシリアス(?)も、「なんだそりゃ…」な展開が多かった。俺様が「人魚の話は良かったよ」と言い、確かにキャラや雰囲気は好きだったのだが、登場人物の名前がむちゃくちゃなのが残念無念。「なあ太一」「はい」って、あんたが太一だろう…。「あんたはミズホって呼んでくれた」呼んでません。他の作品でも「お親父が倒れてから」とか妙な日本語が目立つ。小説の中に一カ所、二カ所おかしな場所があっても「まあなかなか全部はチェックしきれないだろうし…」と思って諦めるが、漫画でここまで無法ってのも。編集、読んでないんじゃ…と思うだけでなく、作者も読み返してないんじゃ…。



ひいては共に暮らそう(大竹とも)/コスミックインターナショナル・キュンコミックス


突然父親に運転手がついた。旭はその運転手青木を 胡散臭く感じるが、青木は上手く家族に馴染んでいく。 青木を自分の部屋に居候させる事になってしまい、 旭は平穏な生活が崩されると思っていたのだが、 気付ば青木のいる生活に慣れていた。 (O)

俺様

何か中途半端なんだよなー。旭が青木の事が気になって 惹かれていくのはわかるんだが、普通に結婚していた 青木が旭に惹かれて行くってのが、表情がないせいもあるのかあまりよく伝わって来ないんだよなー。 そしてもう一つ、青木の仕事の事とか、旭の父親との関係とか、 会社の事とかちゃんとわかるように説明を入れて欲しい。 誰にでもわかるようにそれが書けていたら、もっと評価は高かったと思う。千乃ちゃんは思わせぶりに引っ掻き回してくれたのだが、 中途半端な引っ掻き回し状態なので、もう少し押しを強くした方が おもしろいキャラになったのではないでしょうか。

★☆
じゃあな

 最近は「そこまで説明してくれなくていいです」というマンガが多いが、本作はもう少し親切になってくれても良かったかも。何となくわかるが…雰囲気はとてもいいのだが…一番の不満は受攻が(私の心と)逆だった事だが…。
  青木は奥さんの事を愛していたのか。一種自暴自棄になるくらいだからやっぱり愛していたんだろう。夢に見るあたりにもそれはうかがえる。それなのになんで旭に惹かれていくの…? と、考えるにつけ、青木の曖昧なほほえみの背景をうかがってしまい、彼は真性ゲイで自分の心を偽ってなんとか結婚したものの奥さんにそれがばれて叱責され、ついに邪魔になって殺した。その罪の意識にとらわれているのでは…などとありもしない物語まで作ってしまう。その場合青木は旭の父に惚れていて…いかん、だんだんその気になってきた。

★☆



恋の片道切符(高井戸あけみ)/芳文社・花音コミックス


幸太の一番上の姉が子供を連れて出戻って来た。あっという間に 女達にいとこの夏樹の家に追い出される。夏樹の家に行くと 幸太以外にも居候が2人いて、夏樹を含むその3人には秘密があった。(O)

俺様

夏樹がホモで同居人も全員ホモなのに、危機感ゼロなうえに 流され過ぎだぞ幸太っ!気持ち良かったらいいのか? 夏樹達との同居を止めないばかりか、ホモに理解のあるイイコなんだかバカなんだかわかりゃしねーな…。 もっと夏樹家での話が読みたかったりするんだが、章あんたが 六郎のなの?!うわー、前作2冊読まなきゃわかんないじゃんよ。 しょうがねー、買うか…。総合して言うと「章の暴れん坊将軍乱れ旅」って感じでしょうかね…。結局章の本命って誰なんだろう。 子供達はとても素直で可愛い子達ばかりなのに、みんな魔の手に…。

★★
じゃあな
 最後の二作(表題作と書き下ろし)は良かったのだが、そこまでがなあ。みんなストレートの、普通 の高校生だったのに、にこにこしながらホモに襲われててそんなもんかしら。六ちゃんの原体験は興味深かったが…。中学生デビューで(まあそれ以前って事はなかなかないだろうけど)高校生になった頃にはあんなに立派なホモになっているとは。六ちゃんはずいぶん一気にスターの階段を駆け上がったのね。
 俺様も書いているが、章という共通の攻がそこかしこで無表情に少年達に手を出し、どうも潜在的にそのケがあったらしき少年達が(それとも章がそんなにフェロモンなのだろうか)にこにこしながらバッタバッタと道を踏み外していくという「トーヤマンの食いしん坊万歳」という感じだった。表題作は高井戸作品の魅力満喫で良かったのだが…目次下のカットもなかなか味わい深い。あれは書き下ろしなのか本誌予告カットか何かで使ったのだろうか。ところで六ちゃん、圭ちゃんって誰?
★☆



吟遊詩人の恋(CJ Michalski)/芳文社・花音コミックス


高校生の祐馬は、たまたま歩いていた公園で奇妙な男に一目惚れされてしまう。自称・吟遊詩人ののぼるは祐馬の事を「地上に舞い降りた最後の天使」と言葉を尽くして褒め称える。変人だと思いつつも、顔を合わせるうちにのぼるといる事が楽しくなってきた祐馬は…。(J)

じゃあな

 作者が基本的にショタ国の国籍を持っているらしいので、オヤジ国の私にはそれがちょっと残念だったのだが、ギャグのテンポも良く面 白かった。のぼるはかなり頻繁に人間ではなくなってしまっており、どうして祐馬が彼とつきあっていけるのかはわからないが。「LOVE FOR YOUMA」が書籍ホモミシュラン一位をとってしまうというのは早乙女先生(この人のペンネーム大好き)ならずとも憤りたくなるだろうが、祐馬母よ、アンタはそれを読んで何とも思わないのか…(映画も見るのか…?)
 表題作シリーズ他、短編を三作収録。最後の最後だけリーマンだったので私はちょっとトキメキッス(BY早乙女先生)

★★
俺様
祐馬はちょっと流されやすいが良い子だと思う。 なぜならのぼるをちゃんと人間扱いしているからだ。 時折のぼるは一体どこの星の人なのか気になっていた…。 いきなり吟遊詩人ですとなのって良いのは「マリウス」とか そういう名前がついている人間で、決して時折人でなくなる 日本人ではない。それにしても通 りすがりの少年に欲情したあげく、それが作品意欲に繋がるから襲うってどうなのよ…。 祐馬母は息子が地獄の崖っぷちに足をかけていても、 いってらっしゃいと快く見送ってくれそうな気がします。 息子の気持ちをもう少し考えてあげて下さい。
茶右
 爽やか顔が好きな私も最近は、無精ひげもいいよね、と思い始めていたのですが、のぼるはムサイ。髪切って髭剃ってさっぱりすると 結構イイ男だったのに、祐馬が元のがイイって言ってしまったもんだからまた髭も髪も伸ばしちゃって、見た目にポイント減。 絵はキレイで祐馬は可愛い顔でしたが(好みとは違いますが)。最初はどたばたとした流れを楽しく読んでいたのですが、祐馬があんまり あっさりのぼるに落ちてしまったので、拍子抜けしてしまって、後はふ〜ん、ほぉ〜、へぇ〜とトコトコ読んでしまいました。 ま、テンポよく話が進んで読みやすかったのは良いのではないでしょうか。




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