海ニ眠ル花(中村春菊)/桃桜書房・GUSTCOMICS 1巻


瀬戸内をシマとする海賊団「ヤタガラス」の頭目榊は、祖父の 形見の宝の地図の半分を持つ剣士御影と出会う。 祖父の御伽噺は真実なのか?二人の出会いが伝説を 信憑性のある物に変えていく。そしてそれは御影の家族を奪った者も狙っているのだった。 (O)

俺様

なぞ解きを上手く色々と残したまま、続いたので次がとても楽しみ。 隠し財産は豊臣で、埋蔵金はやっぱ徳川なのだろうか…。 心配なのは十郎君だったりする。サカキと幸せになって欲しいんだが。 そして右目を隠しているのはどうしてなんでしょう?きっと私好みの展開が待っている…はず…。子供は相変わらずヒラメ顔だが、 大人はなかなかにいいうえに、話の展開が良いので飽きない。 それにしても御影の世間知らず猪突猛進はどうにもならないものなのだろうか…。 色々な物を無くした御影がヤタガラスの面々と触れ合って癒される事を祈りたい。 ところでカラスなのに「アオーン」と鳴くシロクロのつぶらな瞳がたまらない。 カバーをはずせば御影ちゃん旅日記があるのだが、六月十三日の 緊迫感溢れる日記がお気に入り。

★★☆
じゃあな
 これまで読んだ作品どれも普通 の漫画として面白かった中村春菊であるが、今回はボーイズラブ度も高くて一番期待が持てる。イントロもドラマチックだ。時代考証や当時の風俗に造形の深い作家らしいので、財宝の隠し場所に関する謎ときも、それなりの仕掛けを用意してくれているのではないだろうか。楽しみである。御影は文句なく可愛いが、サカキのスタンスが気になるところ。御影はシード選手にしても…ぶつぶつ。
 御影ちゃん旅日記は俺様のコメントを読んで初めて知ったが、御影、アンタ何だか日々楽しそうだよ…。
★★★
愛恵
十郎とサカキのエッチ、おれにも見せろ! うおおお。ぜえぜえ。御影ちゃんと内藤数馬のはちょっと凄そうなので、遠慮しときます。内藤数馬との桜の舞い散る中での出会いのシーンは、正に一目ぼれの瞬間!ってな感じできゅんときました。が、強姦 はいかんよ、ちみぃ。時代設定といい、謎といい、今後が楽しみな展開だけど、絵がしょっ中崩れるのがほんとヤダ。カラーはバツグンに上手いのに、なんで顔が歪むのさ。わざとデフォルメしてるのとかは可愛くていーけど、デッサン狂ってるのは読んでていらいらするので、やめて欲しい。それと気になるのは、最終的にサカキ×御影 になると思うんだけど、サカキが受キャラなのがやだん。受はあくまでも受。相手によって変わるってのはちょっと…。と、まあ、文句ばっかり書いてるが、面 白かったです、マジ。
★★★☆



海ニ眠ル花(中村春菊)/桃桜書房・GUSTCOMICS 2巻


内藤数馬の追っ手から逃れられたものの、御影は 海賊団に捉えられてしまう。だが、島の皆と触れ合ううちに 御影の心に変化が現れ、頑なに閉ざしていた心を開き始める。 (O)

俺様

読む前にまずカバーを外した…。そこには御影ちゃん 旅日記はなく、ここがヘンだよ榊くんが載っていた…。 次巻では御影ちゃん旅日記の復活をお願いします。 御影はなぜもっと物事を前向きに考えないのだろう。 そして弱っちいくせに暴れん坊で短絡思考。顔が可愛い だけがトリエなのだが、何だか憎めないのはややヒラメ 顔だから?どこまでも不幸が追い駆けてくるのだが、前向きになったらなったでそれまで閉ざしていた心を あっという間に開き、喋る喋る。もしや御影はお喋りなのでは?そうか、思慮短絡だから言葉が追いつかなかっただけか。ところで内藤数馬はどうしてそうも御影の生い立ちに 関して知っているのか、謎はいい感じに引きずられている。 そして十郎はどうして榊が良いのだろう。それが最大の謎である。 最初はちょっとウケ臭さもあった榊だが、ヒロインは御影一人で良いという事なのか、今は立派な攻オーラを発している。 そしてシロクロとカニカニの友情は種別を越えられるのだろうか。

★★★
じゃあな
 おもちろいですー。御影もサカキもいいのだが、十郎と内藤数馬もかなりスキ。どこがどう組合わさってくれてもワタシ的にはOKだぞ! 十郎×内藤だってOKだ!!(それは多分作者の人が困るのだろう…)相変わらず絵は巧いのに、よくわからん崩し方をする。作為的なのかうっかりなのかは不明だが、やばくなるのはいつも御影や真琴らかわいこちゃん系なので、カッコイイキレイ系の受も描けるのだから「月は闇夜に隠るが如く」の半十郎×信乃みたいなカップルでいけば八方丸くおささまるのではないかと思ったりもする。でも御影かわいいけどね。
 本作は手塚治虫漫画賞にも推薦されていて(推薦されただけだが)作者もBL系以外でも活動の幅を広げ始めた様であるが、嬉しいような悲しいような複雑な心境だ。広い世界で羽ばたくに十分な魅力のある漫画家だとは思うが、その前に俺の満足のいくエッチを思う存分描いていってくれと本能が叫ぶ。自分に正直なワタクシ。ところで御影の父親はどこへ行ったのか。伏線かな。
★★★
愛恵
今回、面白いのになんかミョーに物足りない。なんでなんで?と読み進むにつれ、理 由が分かった。内藤数馬がなかなか出てこなかったからなのね。内藤数馬がいるだけで場が引き締まるよねー。結構お気にキャラです。話的には御影の生い立ちが分かっ た程度で、いまいち進展してないので次からは早いテンポで頼むよ。ただし、絵は崩 すなよ、ほんと、お願い。真琴ちゃんなんかちょー好みなのにしょっ中崩れて、よよ よ。けれどキンタマ欲しいは名言よね!御影の太くて黒いも迷言だけど…。 登場人物の目がかなり色っぽくて好きです。時代背景も好き。けれど何より好きなの は、執拗なまでの御影に対する内藤数馬の執着心!もー、ゾクゾクするシチュエー ションで困る。報われない異常愛っていいわー。内藤数馬には是非、壮絶な最期を遂 げて貰いたい。こんなに内藤内藤と騒いでるが、実は、一番好きなのはサカキだったりする。でも受がタイプなので完璧攻になったら、考えるなあ…。
★★★



海ニ眠ル花(中村春菊)/桃桜書房・GUSTCOMICS 3巻


御影を庇い銃弾に撃たれ海に落ちる榊。榊を追い泳げないのに 御影は海に飛び込む。無人の島に流れ着いた二人はお互いの 距離を縮める。無事島に戻った榊は宝を探しに出港する事を決める。(O)

俺様

御影ちゃん旅日記復活なんですね。中村先生ありがと〜。と、 思ったら最後はパラパラマンガって…。本屋で本巻を手に取り まだ読まない時に内藤×十郎ってどうよ?という話をしていたが キャラクター的に十郎受はちょっとな〜と思っていたのですが、 口絵を見た途端「内藤、十郎はどうなの〜?御影よりも征服 しがいはたっぷりあってよ〜」とあっさり内藤×十郎推奨派に転身。 いや〜十郎私を誘わないで〜。(オイ)御影ちゃんは最初に比べたら 人の話は聞くようになったし、人の好意を素直に受け入れられるように なってきて、ご両親も草葉の影でよろこんでいる事でしょう。 問題は榊はどうしたいかって所かね。宝も御影もと思っているのなら それはあんたとっても欲張りなのでは…。ところで、榊×十郎でも…と 思い出している私はやばいか?だって十郎も欲しいんだろ榊? ならばっ!!ところでシロクロとカニの友情の厚さには感動するのだが、 縦に走るカニって…。

★★★
愛恵
物凄く待ってた本巻なのに、もうこの話は終わってるんだと思うと悲しくて悲しくて 仕方なかった。4巻で終わるのかな。もっと続けて欲しかったよう。残念。内藤は活 躍するのか、ちゃんと壮絶な最期を遂げてくれるのかとそれだけが心配で(おいっ)。 サカキがすっかり立派な攻め様になっていてちょっとビックリ。物凄いタラシだよ ね。まるで私が口説かれてるかのようにドキドキしてしまった。これじゃあ御影ちゃ んがオチるのも無理はない。でもちゃんと最後までやれよな。指止まりはいけません。…まさか、こんな関係のまま終わるの?! いかん、それはいかんよ。内藤と一 緒に帰還したというもう一人が誰なのかも気になるところ。内藤様とイケナイ関係だったりして!! と乙女の妄想は広がるばかり。内藤数馬情報局に入りたいくらいだ。それはそうと御影ちゃんのパラパラ漫画のキャラクターって、あれ、関西のテレ ビ局のじゃ…。いいのか、引っかからないのかッッッ。中村先生自身が心配。
★★★★
茶右
 3巻になり、話の展開も面白いです。絵もキレイです。海賊の頭・榊もかっこいいし、 片腕の十郎も素敵。御影も可愛い。海賊仲間もいい奴等で、万事悪くない。榊と御影の 関係も受け入れてあげなくはない。だけども、私はどうしてもどうしても十郎×榊が 諦めきれないっ…!!悔しいので、半星減らしちゃる…。
★★



海ニ眠ル花(中村春菊)/桃桜書房・GUSTCOMICS 4巻


探し続けた妹・美登利との再会は御影にとって、とても残酷な形に終わった。 崩れ落ちそうな御影を救ったのは榊。榊や仲間に支えられ御影は内藤数馬への復讐を誓う。 (O)

俺様

俺様は今自分が不幸のどん底だと思っている。なので元気づけの ためにホモでも読むか〜と意気込んで見た。ごめん御影、おばちゃん 不幸ぶってて悪かった。あんたにはかなわないよ。3巻での引きを 見てそうだとは思っていたものの、美登利ちゃんの死には心が痛む。 畜生、内藤数馬め許さないぞっ!とほんの数ページ前の口絵で 「きゃー内藤数馬ステキ〜早く十郎をやっちゃって〜」と喜んでいた俺はいったい…。荒波のように不幸が押し寄せる御影だが、榊を はじめとする海賊の暖かい心に触れて自分を取り戻し成長していく。 何だか子供が立派に成長していくようで見ていて楽しいしホロリと してしまうの〜。それにしても、じっちゃんの亡霊(亡霊言うな)は とても格好良く言い感じの攻じゃったの〜。そしてあのミラクル黄金の島を見ても何一つ持ち帰らなかった根性に恐れ入る。 私ならタマのように我を忘れるだろう…。そして足の先だけでも存在感のアピール最高の内藤数馬。決着は5巻にてという事で 楽しみは先延ばしとなったが、完結が心待ちです。

★★★★
愛恵
最終巻へ向けての助走といった感じで、今まで程には燃えなかった本巻。せっかくサ カキと御影ちゃんの初エッチがあったというのに…。そうさ、確かに口絵の内藤数馬 にはときめいたさ。けどさっ、「あの方」って誰だよ。悔しい、内藤数馬の心を占める「あの方」が憎い…。
作画については今回さほど崩れなかったので一安心。しかし、御影ちゃんが異様にお 目目キラキラ少女漫画チックになってる様な。気になって仕方なく、なかなかページ が進まなかった。そうかー、恋をして綺麗になったのね、御影ちゃん。辛いことも多 いけど、優しい仲間達も出来て良かった良かった。サカキとその仲間達はほんといい 奴らで、おばちゃん何だかグッと来たよ。のほほんとしてたタマがお宝を前に豹変し たのにはおしっこちびりかけたけど。御影ちゃん日記10冊目が未来日記に変わって しまったのにも恐怖体験アンビリーバボーだけど。…犯人、まさか十郎?!
★★★☆



海ニ眠ル花(中村春菊)/桃桜書房・GUSTCOMICS 4巻


探し続けた妹・美登利との再会は御影にとって、とても残酷な形に終わった。 崩れ落ちそうな御影を救ったのは榊。榊や仲間に支えられ御影は内藤数馬への復讐を誓う。 (O)

俺様

俺様は今自分が不幸のどん底だと思っている。なので元気づけの ためにホモでも読むか〜と意気込んで見た。ごめん御影、おばちゃん 不幸ぶってて悪かった。あんたにはかなわないよ。3巻での引きを 見てそうだとは思っていたものの、美登利ちゃんの死には心が痛む。 畜生、内藤数馬め許さないぞっ!とほんの数ページ前の口絵で 「きゃー内藤数馬ステキ〜早く十郎をやっちゃって〜」と喜んでいた俺はいったい…。荒波のように不幸が押し寄せる御影だが、榊を はじめとする海賊の暖かい心に触れて自分を取り戻し成長していく。 何だか子供が立派に成長していくようで見ていて楽しいしホロリと してしまうの〜。それにしても、じっちゃんの亡霊(亡霊言うな)は とても格好良く言い感じの攻じゃったの〜。そしてあのミラクル黄金の島を見ても何一つ持ち帰らなかった根性に恐れ入る。 私ならタマのように我を忘れるだろう…。そして足の先だけでも存在感のアピール最高の内藤数馬。決着は5巻にてという事で 楽しみは先延ばしとなったが、完結が心待ちです。

★★★★



海ニ眠ル花(中村春菊)/桃桜書房・GUSTCOMICS 5巻


ついに豊臣の宝にたどり着く榊達。ところがそんな榊達の前に 内藤数馬が立ちはだかる。仲間を手に入れた御影と内藤数馬の 最後の戦いが始まる。(O)

俺様

ついに堂々の完結。読んでいて素直に楽しみな作品でした。 やっと内藤数馬と御影の対決に決着がついたのだが、それは御影の力によるものではなかった。嘘よ内藤数馬があれしきの事で死ぬ わけ ないじゃないっ!御影だってズボっと瓦礫の中から登場したんだから 内藤数馬だって蘇れるはずなのにっ!どうせならちゃんと御影の手に かかって死にたかっただろうに。結局肩すかしの宝の島だったが、 何度も破れた帆を仲間の手で修復し、榊達は本当の宝の島に向い帆を張り進み行く。彼等の冒険はこの先、希望に満ちたものだろう。番外編は内藤数馬物語。内藤数馬には内藤数馬の正義と進む道があった。 その道は実は御影と重なっていたのだが、御影は仲間を手に入れ、更に 進むべき明るい道を手に入れた。などと書くととてもシリアスチックな 感想だが、番外編読んで思ったのはスーパー攻は受だった!の衝撃事実。 冷静に考えてそんな凄い将軍様は徳川15代にいるっすか?一体どなたっすか? 私には思いつかないっすよ。(歴史を忘れているだけ?) 御影ちゃん旅日記も最終回ですが、あれではまるで同人誌ではないですか…。 そして11人目は内藤数馬だと思うのは私だけでしょうか。

★★★★
愛恵
キャラ、設定、テンポ、どれを取っても素晴らしかったシリーズが遂に完結。ところ どころデッサンが狂うのもご愛嬌で、ほんとにいい作品でした。わーん。楽しみが一 個減ったよ〜。番外編の上様と本家内藤数馬の恋愛は、まさに狂恋と呼ぶに相応しい 恋模様で、単純な私にはさっぱり理解できなかった。お互い好き同士なのにどうして 幸せになれないんだろうね。哀しい。まあありゃ上様がひねくれていったせいが多分 にあるんだろうが。おかげで可愛かった少年が、後年、内藤数馬に成長するんだけ ど…。スーパー攻め様が実は受けだったってのは凄いオチだ。でもサカキも元は受け だしねー。ってことは御影ちゃんもその内攻めに…?! いやさ十郎が受けになった りして。笑えないっての。
内藤数馬に始まり内藤数馬に終わった最終巻。実に大満足! …というと思ったら大 間違いッ。ノンブル打ってないからページ数分かんないけど、妖怪一つ目みたいな内 藤数馬はありゃ何さ。それと「何てこった」って。パンナコッタじゃないんだから。 内藤数馬なら「何てことだ」でしょうが。「こった」って「こった」って…。物凄く 引っ掛かって、死に様のあっけなさなんか全く気にならなかったくらいだ。「こっ た」って(しつこい)。
★★★★



若旦那・空を飛ぶ-こゆるぎ探偵シリーズ1-(たけうちりうと)/小学館・パレット文庫


大正時代。酒造屋の若旦那・楓を筆頭に、町家の若様ばかりが集まって出来た道楽探偵倶楽部は、素人集団ながらもあてに出来るとの評判で、今日も依頼が持ち込まれる。人格者で知られる教授の浮気疑惑に、楓の好奇心が頭をもたげるが、意外や親友の祐太朗はこの件から手を引くと言い出して…。(J)

じゃあな

 悪くない。かわいい。若旦那はホントに空飛んでいた。惜しむらくは、挿絵を変えるべきだった。パレット文庫、大正時代、今市子挿絵…と来ると、どうしてもかわいゆみこの「夢色十夜」の印象が強い。読んでみれば楓と祐太朗はあちらの二人よりも若いし、華族や軍人ではなく、町家の道楽息子であるから雰囲気も物言いもずっとちゃきちゃきしてい軽い。ハードルの跳び越え方も軽快なものである。あっちの二人もこのくらい軽〜くいってくれないだろうかと思わず夢を見てしまう。いっそ、もっと可愛くて元気のいいタイプの漫画家に挿絵をつけて貰えば(紫牙忍あたり)印象が変わって、こちらの魅力がわかりやすかっただろうになあ。
 探偵倶楽部という設定はまだ生かし切れておらず、楓と祐太朗の恋の行方の方が読んでいてよっぽど気になるし面 白い。探偵倶楽部は、メンバーの個性もハッキリ出ないうちに、留学するとか言っていなくなろうとする奴はいるし、もうちょっと一丸となって謎に取り組んで頂きたい。そこらあたりは次巻に期待か。
 楓と祐太朗はハタから見れば、非常に勝手で都合のいい将来設計をたてているが、世の中そんなにうまくいくだろうか。とりあえずそんな計画にまともに乗ってくれるとしたらサトさんだけなのだから、二人ともまずは死ぬ 気でサトさんにプロポーズするといいと思う。

★★☆
茶右
 最近の私のお気に入りの時代設定と、心和む人々のやりとりで書かれているので、 楽しく読みました。
 ちゃきちゃきした楓が可愛いです。喋るときに相手の名前をたびたび呼び掛けるのが 何とも可愛らしいです。その相手が祐太郎だと、私の心は更に良い気分なのですね。 「遅いじゃないか、祐太郎」とか「およしよ、祐太郎」といった具合で。ああかわいい。 また、皆があれやこれやと楓を構いたがるので、楓若様人気者で嬉しい限り。 一癖も二癖もありそうな和尚も、もっと若い生臭坊主なのかと思ったら挿絵を見る限りそれなりのお歳のようで。 それで楓をどうこうしたいとは、なかなか世俗的で楽しませてくれます。
 こゆるぎ探偵倶楽部としての活動は、身の回りの小さな出来事をネタに、わいわいと集まって、おのおのができることを精一杯という感じにのんびり展開していくので、 事件解明や探偵倶楽部ばかりが突出することもなく、祐太郎と楓の色恋沙汰の様子とバランスよく読ませてくれます。若旦那衆が集まって、何か面 白いことはないか、 何か事件はないかな、とわきわきしているのを、何か他にこんなのがあったなと思ったら、有閑倶楽部な感じですね。どうりで。元々私の好きな設定なのですわ。 続巻も楽しみです。
★★★☆



若旦那と愉快な仲間たち -こゆるぎ探偵シリーズ2-(たけうちりうと)/小学館・パレット文庫


大手茶問屋の倉から茶葉が盗まれるとの依頼を受けたこゆるぎ探偵倶楽部。容疑者の筆頭にあげられるのは、元極道の使用人・坂谷だが、坂谷の人となりを見聞きした加納は彼の無実を主張する。(J)

じゃあな

 大変失礼しました。あれはワタクシの乙女心の嫉妬というものだったらしく、「夢色十夜」が完結したらこのシリーズが面 白くてたまらなくなりました。「なんで向こうはあんなにじれじれなのに、こっちはこんなにうまくいってんのよー」という私のジェラシーが「挿絵を変えた方が」などという先の暴言を生み出した模様ですが、いいえどうぞ永遠にこのままで。楓かわいいです。このままでよろしくお願いします。
 まあ、比較対象がなくなったせいもあるのだが、二巻になってキャラが立ってきた為に、やはりぐんと面 白くなった様な気がする本シリーズ。こゆるぎ探偵倶楽部の面々も個性が出てきており、みんな優しくて可愛くていい感じ。年少の中学生組がお利口で、就職若旦那組がドタバタしているのも面 白い。楓がモテモテで誰からも可愛がられているのがいいですなあ(私たけうち作品では毎回こんな事を言っている様な気も…)サトさんはちょっと楓を甘やかしすぎだとは思うが。なまじ優しい人々に囲まれて愛されている分、もし祐太朗と楓の仲が露呈して引き裂かれたら…という危うさが本シリーズにピリッとしたところを加えており、その切なさは味わい深いのだが、しかし祐太朗、まず布団を買え。
 たけうち作品に出てくる犬はどれも賢くて可愛いが本作のエリゼもその例に漏れない。小カットのエリゼもとても可愛いので必見である。

★★★★


若旦那・危機一髪-こゆるぎ探偵シリーズ3-(たけうちりうと)/小学館・パレット文庫


楓が行方不明になった? 何の書き置きものこさずふらりと家を出たきり帰らない若旦那を案じて、小由留木家は大騒ぎ。洋行の準備に追われる善ちゃんや失恋して顔もあがらない塙ちゃん、苦学生として勤労の日々を送る加納ら、探偵倶楽部のメンバーはそれぞれ多忙なため、郁は祐太朗と二人で楓捜索に乗り出すのだが…。(J)

じゃあな

 私はたけうち先生に手みやげを持って謝りに行きたい。先生は洗剤がお好きだろうか、紅花油の方がご入り用だろうか。第一巻を読んで私が感じていた不満、例えば楓と祐太朗以外のメンバーのキャラが立っていないとか、祐太朗が都合のいい事を考えすぎているとか。そんなのは全部、三冊読むまで黙っているべきだったのだ。
 探偵倶楽部のメンバーは一話ごとに個性を出してくるし、楓と祐太朗は二人の関係を育てるとともに、お互いに尊敬しあって成長していっている。キャラクターが成長してくれるってホント読んでて嬉しいし、更に、恋人と出会い恋愛関係になった事によって成長したっていうのが非常にポイント高い。最初カッコ良く、一人前の男として出てきた受が、最後は「愛されてるんで家庭に入って彼の為だけに生きまーす」みたいな終わり方になっちゃうのは、日本男子的にどうよと思ってしまうのだがその点、本作では祐太朗は楓の細やかさや周囲を気遣う気持ちを、楓は祐太朗の大らかさや視野の広さに憧れる事で、それぞれを思う気持ちを深くし、自分を前向きにさせている。見ていて清々しいじゃありませんか奥さん。男同士たるもの、こうじゃなくちゃいけません。
 最初から強力なキャラで登場したサトさんは、向かうところ敵なしの大物ぶりで有終の美を飾ってくれた。最後にちょこっとだけある描写 が良くて、ニヤリとさせてくれる。大島男爵は…おいおいバカだな。いるじゃないか、青い鳥は君の目の前に。年齢の釣り合いがとれて、気心が知れてた素敵なエンジェルが。しかも都合良くお互いフリーの独身ではないか。今から楓父との愛に生きる事を強くオススメする。この人は楓にお酒を飲ませなかった点でツメが甘かったね。
 三冊で終わっちゃったのが勿体ないくらいお気に入りのシリーズ。挿絵もどれも素晴らしかったです。不満があったのはタイトルだけ(作品の雰囲気と良さが出てない様に思う)。やはり先生に海苔のつめあわせをお届けにあがるべきでしょうか。ビール券がいいかしら。 ちなみに読みながら、ずっと、祐太朗はどうも誰かに似ているなあと思ったら、新しいもの好きで柔軟性が高く、女にモテて男前で色事に弱い…御宿かわせみの東吾に似ていたのでした。なんとなく。

★★★★☆


野原のロマンス-こゆるぎ探偵シリーズ番外編-(たけうちりうちと)/小学館・パレット文庫


小田原中の生徒で、物理学をこよなく愛する偲は老舗旅館の次男坊。跡取りだった兄が出奔してしまった為にあこがれの楓先輩に心で別 れを告げて、休学し旅館の若旦那として奮闘することに。男にも女にも手が早いが、腕は一流という板前の斗志を迎えて、何とか再出発をきった廼原楼だが前途は多難。(J)

じゃあな

 あっかけらかんと言うよりはすっからかんな偲のヌケサクっぷりが可愛らしく、楽しく読んだ。大好きだったシリーズの番外編だけに、あちこちにちらちらと仕掛けられた本編からのゲストと設定に思わず顔がニヤニヤ。偲、海棠様が駄 目でも、まだ大島男爵がいるぞ。楓が蹴散らした美少年好きの金持ち紳士からいくらでも搾り取るがいい。
 しかし偲もいいのだが、やはり成長して色気増量中の楓にメロメロ。これは祐太朗も気が気ではあるまい。清純な美少年時代でさえあれだけあちらこちらのおじさま方を骨抜きにしてきたのだから、今後はどれほどのフェロモン爆弾となるのか、ああそんな彼の活躍が見られないのが悔しくてならん。先生、おこめ券でどうかひとつ…。
 どこかの後書きで岡本綺堂について書いてあった様に思うが(ん? それはかわいゆみこだったか…?)
、まさに綺堂的というか黄表紙的な性表現で、ボーイズラブのフィールドで見ると何となくオヤジギャグ? これが苦手でダメという人はいるかも知れないが、まあヤロー同士ならこのくらい直球でもいいんじゃないの。
 瑕瑾としては、番外編ながらもせっかくシリーズの完結編なのだから、善ちゃんの出番も欲しかったところ。しかし気になったのだが、祐太朗は一体桜坂の家をどのように改装しているのだろう。愛の大邸宅を造っているんじゃないかと少々不安なのだが…。

★★★★



飼育係・理イ火(本仁戻)/ビブロス・SBBC 上・下巻


 兄の死の謎を追って、学園に編入した夏目ヒロ。そこはサロンと呼ばれる特権階級の生徒が権勢を振るう弱肉強食の世界だった。学園のセックス・シンボルであり、サロンの次期会長とも目される理イ火と同室になったヒロは、不可解な理イ火の陰謀にとりこまれていくのだが…。 (J)

じゃあな

 一時期とても薦めて頂いたのだが、読まないまま今日まで。そして読んだ。すみません私はパスです。この学校はコータローまかりとおるの鶴ヶ峰学園より凄いです。漫画なのよ、マ・ン・ガ、そういう設定なの! といくら言われても、世界観についていけませんでした。学生の本分は勉強だ…。
 特権階級だとか、権力だとか言っても所詮高校の中の話ではないか。自分で食い扶持ひとつ稼いだ事もないのに、親の支払ってくれる学費でここまで好き勝手な事をするとは笑わせてくれる(いやそういうね、独特な世界の設定なのでしょうがね…)ヒロだけは正論を言う事もあるのだが、あとの全員は宇宙人だった。何を考えて何をやって何を言っておるのか、さっぱりわからん。そんなリンチだらけの高校、みんなさっさと転校してしまえ。
 しかしながら私は作者の実力は信じているので、謎のまま残されたテツの死や、理イ火の思惑などは、最後まで描いてくれたらそれなりに納得出来る程度に仕上がったことと思う。もしかしたら最後にはこの狂気的な世界観を吹き飛ばす程の感動が待っていたのかも知れない。でも第一部完のままストップなのね…そして個人的には、この続きが来るよりも、作者にはもっと他の作品を描いて頂きたい様な気もするのだわ…。

俺様
すまん敵前逃亡してよろしいか?この学校は凄すぎるよ…。 学生は勉強が本分です。こんなに学ばない学校はCLAMP学園なみです。 (鶴ヶ峰に勝てる学校を探してみたが、クロマティ学園がCLAMP学園しか 浮かばなかった…)エスカレーター式の学校なんだが、普通こんな学校 みんな逃げ出すんじゃねーのかよっ!!逃げ出してOK、俺が許可する。 高校というより、どっかの収容所のようだ…。話的には収まりが全くついて いないので続きというか、どう終わるのかとても興味があるのだが、 世界が違う方向に広がり過ぎていて、描いている側以上に 読む側は混乱しているのではないだろうか…。狂気の世界は度が過ぎると 一種のギャグのようだと思ってしまう。世界的には下巻に一緒に 収録されている話の方が好きだ。わかりやすいから。



東山道転墜異聞(中村春菊)/桜桃書房・GUSTCOMICS


義母により命を狙われる修理は、自分をかばって亡くなった 平九郎にそっくりな弟郡司に助けられる。平九郎とはまるっきり 正反対な性格の郡司に修理は反発するが…。 (O)

俺様

修理子供なのにヒラメじゃない…。若様の面倒を見るのは 大変なのに、郡司が楽しそうなのが何とも。クマちゃん登場に より、すっごい事件がおきるのか?と期待したのだが、相変わらず跡目争いだけかい…。才蔵という謎めいたキャラも出て来たのに、 これで終わりってどういう事ですかーっ!この人はもっと長く話を描いた方が絶対面 白いと思う。ほのぼのと信頼関係を築いている 二人だが、一線越えるのはいつじゃろな。

★★☆
じゃあな
 面白いね。にこにこ。修理も郡司も可愛いです。あと一冊くらい続いてくれても良かった。もう少しくらい二人の仲が進展してくれても良かったな。才蔵様の正体も気になるところだし…。中村春菊、絵も綺麗だしテンポもいい。着物で身体の線が見えないが、ひょっとして凄く頭がでかい時があるんじゃ…? と心配にもなるが(おかげで修理の年齢の想像がつかない)BL作品と言うよりも、普通 に漫画として面白くてエライ。男の子でも楽しく読めるのでは。しかし平九郎と郡司はそっくりらしいが、私には全然別 人に見える…。人間中身が容姿に表れるということだろうか。
★★★



雨の結び目をほどいて(松前侑里)・新書館/ディアプラス文庫


雨の日に円が駅で見かけ憧れていた人物は、母の再婚相手の子供で、 自分の通 う高校の教師だった。恋人がいるも知っているのだが、周の 事を知れば知るほど大好きになってしまう。母が亡くなってしまい新しい 家族の中にいるのも辛くなった円は留学を理由に家を出る準備を始める。 (O)

俺様

私にしては珍しくほのぼのした話を選んだものだのー。 円はカワイイ。あんな子に慕われたらそりゃ悪い気はしないだろう。 まあトンチキホモ義兄弟ならソッコーやっちまいますか?てとこだがさすがにそうは行かないらしい。行かれても困るけど…。新しい家族が みんな円に気を遣い、懐いてもらおうと必死なのに、自分の事し 見えずまた勝手な思い違いをしているところはやはり子供なんだが、 それは母親との環境がそうさせるものなのかもしれないのだが。 元関西人として気になるのは関東っ子はそんなに大阪弁が 嫌いなものなのだろうか?そりゃ好きな相手が使っていて 相手が自分の事をなんとも思っちゃいないと勘違いしていれば しょうがないのかもしれないが、そんな理由で嫌われても 困るんじゃよ。あー、でも夏目家の人達は嫌われてもしょうがないかもなぁ。エンちゃん一人がキーキー言って 話が進むのだが、私が気になるのは律のマンガであったりする…。 どんな人気マンガなんじゃ…。そして口絵を見た時に夏目家の人数と口絵にいる人数が合わず、キャラが丸分かりな円・周・律以外の どれが父親なのかとてつもなく気になったが、それは間違いであった 事をあとから知るのだった。

★★
じゃあな
 かわいいよなあ。松前侑里の描く男の子はみんなかわいい。あとり硅子の挿絵も手伝って、この私が「もうっ」とか「〜てばっ」とか「〜だもんっ」とか言われても目尻を下げて全然許しているのからマジカルマジカル。実写 だけは勘弁して欲しいが。たとえスタジオライフでもイヤだね。篠井英介でもダメだね(それは元々ダメなんじゃ…)。
 しかも、エンちゃんには私の大好きな必殺技「思い詰めると病気になる」があるので嬉しい限り。私は素直になれない受がこらえにこらえて病気になり、攻、とても心配、攻、そして反省…というシチュエーションが異常に好きだ。ベタと言われようとも、世の意地っ張り受はもっとどんどん病気になるべきである。
 実は苦手な「一つ屋根の下」恋愛物だが、エンちゃんの葛藤がかわいいので、「まあまあ皆さん、この若い二人を許してやって下さいよ」と応援したくなる。周も飄々としているが包容力があっていい感じ。高尾滋の漫画に出てくる、癖のある二枚目系。しかし一番カッコイイのはなんだか、ちらりちらりと出てくるお父さんの様な気もするが。
★★★★

1Kアパートの恋(富士山ひょうた)・桜桃書房/GUSTCOMICS


酔った勢いで夏と寝てしまった河野。それ以来セックスフレンドの ような関係が続く。だが河野は夏の事が好きで、体だけを求められる事が 苦痛になってくる。だが河野は夏に気持ちを伝える事が出来なくて…。(O)

俺様

私は夏と河野よりもお隣の景と直道の方が好き。しかし、同じ 1Kアパートにホモ2組って、世間て狭いっすね…。 直道の景に対する気持ちの変化ってのがなかなかに楽しい。 河野と夏の悩みもわかるが、それってデキちゃったモン同士の 悩みであってこれからホモにならなくてはならない人間の悩みでは ないものな。さて、隣の部屋でやってる声が丸聞こえなアパートですが、 って事はその隣はもちろんの事、下の階にも丸聞こえだと思うのですが、 他の住人からクレームはつかないのでしょうか…。それともアパート全部 ホモなのか?はっ、オーナーとか大家もホモ?

★★
じゃあな

 私は夏と河野の方が好き。って言うか、景と河野なら一番いいんだが…(じゃあなさん、せめて人間らしく…)夏はキレイで色っぽい分、むしろ私はノーマルだった景が、どうしてカルトにも直道を選んでホモの世界にまで身を投じたのか甚だ疑問だ。作中に出てくる直道の魅力は、人類愛ならいざ知らず、恋愛、性欲対象とするには結構特殊かとも思うのだが…。
  片方のカップルだけだったら大した事はないのだが、二組出てくるおかげで読み応えがあった。それにしてもGUSTコミックスよ、何故こんなに重いのだ。それは紙が厚いから。何故こんなに厚いのか。それは謎に満ちている。

★★★


やさしく愛して(姫野百合)/茜新社・オヴィスノベルズ


家を飛び出してナンパ代行業で生計をたてている陽の心の拠り所は、裏路地に住む一組の優しい老夫婦。彼らの土地が倉橋観光の開発区域にひっかかって狙われていると知った陽は、若き社長・龍昇に憤然と立ち向かう。しかしやり手と噂の龍昇は、「一晩俺の物になるなら」ととんでもない条件を出してきて…?(J)

じゃあな

 作者が後書きで「これを描いている時は色々あって」「ワープロのデータがふっとんで」「難産で」という時は、大抵作品も相応につまらないのだが、これは面 白かった。裏街道好きな最近のワタクシとしては、ナンパ代行業の陽、その友人でポン引きの至、いつも不機嫌なソープ嬢のセシル、ヤクザまがいに強面 の龍昇…ら、少々日の当たらない場所を歩いている面々が、もっと生々しくあってくれたらもっと良かったか。結構みんなヌルいんだな。ボーイズラブ用にソフトにしてあるというか…。もう少々下品でえげつないと、老夫婦を慕う陽の気持ちとの対比が更に面 白くなったかとも思うが、さじ加減が難しいところであるな。
 作者の作品どれにも共通する事だが、出てくる人たちが皆、暖かく優しいので読後感は非常に良い。毎回男どもはともかく、女性キャラを絶賛してきた作者であるが、本作のセシルもなかなか。セシル、そういう時はキャッツアイよ! と、一瞬思ったが、セシルはあの三姉妹よりよっぽど堅実的で現実的であったらしい。

★★


恋愛化学実験室(梶本 潤)/(株)マガジン・マガジン ジュネコミックスピアスシリーズ


女性を愛せない自分に思い悩んだ化学教師の越谷は、夜の盛り場をふらついているところを、生徒の学に見られてしまう。化学室で学に、自分の性癖について示唆された越谷は…。短編集。(J)


じゃあな

 トイレの水が流れなかったり、流れすぎたりすると、貯水タンクのフタを開けますね。 そうすると中にボールみたいな「浮き」があって、それの調整がうまくいっていないとトイレがおかしくなるんですよね。…局部のボカシがその「浮き」にそっくりで 、思わずそんな事を思い出してしまいました。
  ともかく一冊どこまでもパワフルに人々がなさっているだけなので、そういうのが読みたくて、重量 級がお好きな方はどうぞ。最後の収録作品の先生カップルだけはちょっと好きだった。





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