カオルくん(茶屋町勝呂)/大洋図書・クラフトコミックス


諍いの耐えない父と母の間に生まれ育ち、度々の虐待を受けていた子供・カオルは、屋台のラーメン屋で働いている「ユニさん」と名乗る外国人の青年に出会う。生まれて初めてユニさんから優しさを貰うカオルだが、ユニさんのビザはとうに切れて不法滞在となっており…。(J)

じゃあな
 カオルくん(子供)の話はなかなか好きだった。続くシリーズは、画面が綺麗なのでスイスイ読み進むのだが、実際問題、叙情的すぎてよくわからん。カオルくんは感性が不思議なのか、ただ単にボケているのか…。登場人物同士が決して感化されあう事がなくて「何があっても自分はこの感性を崩さないぞ」と決めているかの様に頑ななので、殴り合ったりキスしたりしてる割には、距離感はずっと平行線である。いずれにせよ、カオルくんがお母さんと仲良くて良かったね。カオルくんの制服は、聖エルミン学園に似ているね。
 同時収録の短編「くもりとけむり」は、とりあえずあのガキは角材で12回くらい殴っとけ。子供だからって何してもいいと思ったら大間違いだぞコラ。
   
★☆


校則違反(祇園あゆみ)/芳文社・花音COMICS


タカオはゲイクラブの雇われ店長。店員のトモヤに一目ぼれ。 アプローチを繰り返すものの、全て無視される。トモヤの 友人ユキヒコのおかげで二人の関係に変化がおこる。 (O)

俺様
見た感じ絵がいいのだが、しょっぱなからゲイクラブって、 予防線張りすぎなのでは…。別に普通のクラブ(イントネーションに注意) でもいいんじゃないのー?って思った。作品集で続き物はないのだが どの作品も受もしくは攻が相手を意識しすぎな面はあるが、 粘着質な展開ではないのでサラりと読める。作者はヴィヴィアンの 服が好きなのかなぁ…。ホモはおしゃれであれという事なのだろうか?
   
★☆


祈る人(深井結己)/竹書房・BAMBOO COMICS


高校の映研に所属する深町と滝野は親友同士。密かに深町に想いを寄せる滝野だが、口にする勇気はない。卒業を間近に控えたある日、深町が女子生徒に告白されて…?(J)

じゃあな

 掲示板で「すごい終わり方をするのがあるので、ぜひ感想を」と書いて下さった方がいらした様に思うが…すみません、表題作以外全部すごい終わり方をしているので、どれの事だかわかりません。とりあえず、ホモと、近親相姦と、ホモで近親相姦だったらどれが正解ですか?「ホモで近親相姦」ぶぶー、それが一番ハズレですって感じか。まあ一番凄いと言えば「花葬庭園」か。あんなあの人達の為に、泣けるアナタが凄い。 しかしあれ相手か…。虫姦とか妖怪姦とかゾンビ姦とか、全ての伝説は麗人から生まれるな。
 表題作の続編は、きっと今だったらもっと爆発ギャグ仕立てになってて面白かっただろうなあ。ネームがぎっしり詰まっていて、書き下ろしに無理に詰め込んだのかと思ったらちゃんと雑誌掲載作品だったのは意外だった。

★☆
俺様
すまん、どれもこれも凄すぎる。作者がレディースを描いていたと きき、納得。そういや作風は一時期流行ったレディース風だな…。 花葬庭園は読んでて「俺は何を読んでるんだろう…」と呟いてしまった。 ただでさえ暖房設備のない我が部屋にピープーすきま風が吹き荒れる。 すげぇよ、人間あんな物でもたんぱく質を摂取すれば生きていけるのか? いや、違う、それは間違ってる俺。正常な判断力まで低下しているのか? しかしどれもこれも痛い話ばかりで、俺は滝野のばーちゃんにだけは 幸せな大往生を迎えて欲しいと心から願うのだが、孫はバチ当たりな…。
★☆


祈る人・2(深井結己)/竹書房・BAMBOO COMICS


長年に渡る片思いの末、ついに念願かなって恋人同士になった滝野と深町。東京の大学に進学する事になった深町の為に、二人は遠距離恋愛を強いられる。かつて母親に棄てられたトラウマから、失うことに怯える滝野だが…。 (J)

じゃあな

 寡作な作家である。初出を見たらほとんど一年一作のペースであった。 「北の国から」じゃないっつーねん。 久しぶりに見たら、へー、滝野はホモにいじいじしただけの人ではなく、全てにおいてうじうじした人だったのだな。 幼少期の彼のエピソードはなかなか切ないので、まあ無理もないと同情する気にはなるが。
 そんな彼を男気で包み込む猪突猛進の火の玉受・深町はお似合いであった。そうそう、深井結己って、表紙裏も仕掛けがあったよなーとうきうきカバーを外してみたが、これもがっくり出来て良い、か。ちなみに深井ファンの友人の、読後の一言。「スネ毛が減ってたね!」。ファン心ってよくわかんねーな…。

★★★
俺様
滝野のばーちゃんが可愛く見えてしまう。そんな私はただの年寄り好き。 山田ユギの描く強烈ジジババに比べるとインパクトは少ないが、ナイスボケ (本当にボケ?)ばーちゃん。何となくばーちゃんは何でもわかってそうな気がする。 シリーズが一冊にまとまっているので読みやすいのだが、回数を重ねるごとに 深町がどんどん男前になっていく。深町が滝野を攻めた時、思わずこのままでもよしっ! と俺は心の中で今の技一本とばかりに深町側の旗をあげてしまった。何となくその方が この二人も幸せなような気がするしな。人魚姫というよりは女王様としか言いようの無い深町。(たとえ人魚姫でもきっと王子と刺し違え、ただでは泡にはならんだろう…) 駅のマイクも乗っ取るとんでもない女王様がついているのだ、滝野もトラウマで 悩んでいる場合ではないな。しかし、あれだけ色々どすこい男気一本な事をしておいて 最後に深町をラブリーキャラに収めようとしても、無理があるのではないだろうか…。
★★☆


シークレットラブサービス(桜川園子)/桜桃書房・GUST COMICS


「顔と口で乗り切れる仕事なら何でもござれ」が謳い文句の秘密稼業・SLS。敏腕コンサルタントの綾人は、一見美少女・実はニューハーフ…の相棒・アキとともに、社長令嬢と交際中のエリートビジネスマン・風間を別れさせる依頼を受ける。首尾良く仕事を終えた筈の綾人だったが、何故か風間が再び彼の前に現れて…。(J)

じゃあな

 買ってから、何で買ったのかと後悔してしばらく読まないでいたのだが、いざ手に取ってみたら意外と面白かった。絵は古いし話の展開もパターンではあるのだが、勢いがあって読みやすい。綾人が風間に全然なびかないのがいいね。ああいう性格の青年が、いきなり風間の様な男にラブラブ惚れて、ホモハードル簡単に跳び越えたらその方が変だ。みんなこのくらい慎重になるべきだ。
  元気のいいアキちゃんのおかげでダレないのもいい。登場人物に相当の火力を持たせられない場合、オカマほど便利なものはない。「ちょっとこのストーリー(キャラクター)自信がないな」と思った場合は、とりあえず作中にオカマを配置しておくといいだろう。オカマは物語構成上の"機械仕掛けの神"だ。物語上のオカマはモラルを超越した発言をしても許されるし、「心は女」の言い分から、読者の気持ちを簡単に代弁させることが出来る。一冊に一人オカマを!! …とは言え、本作のアキ
ちゃんの場合、別に彼が本当に100%女の子でただの美少女でも、あまり問題はなかったかと思うが。
 綾人・アキコンビ以外に、もう少しSLSのエージェントが出てきても良かったか。それにしても、ひとつのジャンルに必ず一人はいるタイプの絵柄だ…。

★☆
俺様
絵の古さにいつ頃出た本かなぁ?と思っていたら 2000年発行だった…。島あさひと比べるのは何だが まだボーイズラブとして納得出来るかな。話の古臭さは あるものの、綾人の風間になかなかなびかない所が良い。 アキちゃんのキャラは普段ならちょっとと思うのだが、 あれだけキッパリしているのなら、構わん。そして攻なのもOKです。おかまな攻…それって佐和さん予備軍なんじゃ…。


愛をちょうだい(かぐやま一穂)/ビブロス・BBC


母校のバレー部でコーチをしている八代は、強面で無愛想な部員の日比谷に、我が儘放題の奉仕を命じている。八代に弱みを握られているせいなのか、いつも唯々諾々と従う日比谷に、何故か苛立ちを覚える八代だが…。(J)

じゃあな

 日比谷の人体はちょっと怖かった。たとえて言うなら首から上がリカちゃんで、体がG.I.ジョー、みたいな迫力があった。でもボディビルダーの人とかってみんなそうだから、意外と現実的な描写力なのかも知れない(いや、どうだろう…)リングス2000を見てから読み始めたら、とてもマッチしていてイヤだった本作。相変わらずかぐやま一穂は筋肉と筋肉のぶつかりあいで、愛の交歓(あらロマンチック)というよりは「激突!」という感じだな…。
 大してヒネリはないのだが、かぐやま一穂の場合、40Pあったら32Pくらいまではそれなりに、まあ楽しいのである。それが激突! が始まると、全てがなしくずしになり、それまで悩んでいた事も問題になっていた事も、全てが忘却の彼方に消え去ってしまう。登場人物は気持ちよく昇天、そして読者は置いてきぼりでひとりぼっちさ…。
 ところで、精液と血液が同じ成分で出来ているって本当なんですか先生。それを読んで「へえー! そうなんだ! じゃ、献血ってもっと楽しく出来るんじゃないの?!」と一瞬考えてしまったが、500mlは大変だろう…。

俺様
スポーツマンを描く場合、筋肉を描くのはとても重要な ポイントとなるのだが、たいていの場合間違った人体が 描かれている。日比谷もかなり間違った体をしている。 バランス悪っ!と思ったら八代の同級生松坂もかなり 間違っていた。ボーイズラブというよりは、オッス先輩! オッス!って感じで、色気を感じない…。ところで血液と 精液は同じ成分だとは知りませんでした。同じ体液の一種とは 思うのですが、私の身体にタンパク質が流れていると思うと、 かなりイヤ。


Eternal Heart(高群 保)/桜桃書房・GUST COMICS 1巻


離島で父親と二人きりで暮らす少年・しぶきは、片足が少し不自由な事から学校にも通わず、他人を見たこともない。そんな彼は、浜辺で見つけた記憶喪失の青年・透と出会い、心を通わす様になる。どこか妄執的にしぶきを愛する父に、古くからの友人の新條は不安を覚えるのだが…。(J)

じゃあな

 私が問題にしたいのは、離島なのに、新條がワンドアのスポーツカーに乗って現れた事ではなく(フェリーで持ってきたのか?!)、登場人物のボディラインだ。何故だ。何故胸があるのだ。細すぎるほど細い腰は、しぶきの場合「少年だから」と片づけてあげてもいいし、古来より星野架名や片山愁みたいに、ウエストがくびれてヒップが殆どないという人体を描く少女漫画家は希にいたわけだから、それはいい。それはいいが胸はどうだ。登場した時のパパでも思ったが、137ページの新條はどう考えてもBカップは超えている。こうなると気になって気になって「ここも、ここも、あっ、ここもっ」と、女子生徒のバストが気になってたまらない男子中学生みたいな気分になってしまった。
 画面は綺麗なので些末な事を気にしなければ読みやすいし、ストーリーもまあこの作者なら破綻しない程度にはまとめるだろうという安定感はある。しぶきがショタ年齢なので私の守備範囲からは大きく外れるなあ。たかがお揃いのペンダントを作る為に手を傷だらけにして熱まで出して倒れられるくらいだったら、ホント作ってくれなくていい、と言いたい。透は当然のように島にいて、自分を追い出そうとするしぶき父は、しぶきを独占しようとしてておかしいーっ、と不審に思っている様だが、働きもせず食費も納めない居候を、しかも不自由な離島暮らしで歓迎する人間がどこにいるだろうか…。ダンスが踊れて英語が喋れて、人に養ってもらう事を当然と考えている透の正体は、多分白馬のプリンスって事だろう。早く国から馬車で 迎えに来てもらいたまえ。

俺様
いかん、どうしても、どーしても気になるっ! 登場人物は男ばかりなのに、どーして全員胸があるんだ? そして巨乳だったりする…。ねえ、君達は不思議な人種なの? だから離島に住んでいるの?そう聞きたいぐらいじゃ…。 ところで透はどこから流れ着いたのだろうか…。 記憶のない人間を病院に連れて行かなくていいのだろうか? 生物学者だから人間は範囲外だからって、頭打ってるかもしれないのに 応急処置だけでいいんかい…。ラジオから音楽が流れワルツを踊る 透としぶきだが、ワルツが流れるって事はNHKダンス教室とか そんなラジオ番組なんだろうか?そしてなぜ記憶がないのにワルツは 踊れるのだ?まあたいていのマンガの記憶喪失は覚えていなくても いい事ばかり覚えているものだが、ステップ踏めるなら記憶の一つや 二つ蘇るんじゃないのかなぁ。


ダイナマイト・ダディ(桜川園子)/桜桃書房・GUST COMICS 1〜3巻


元・ヤリ手のホスト、今はホストクラブ経営者の藤堂は、恋人の玲二と、高校生になる息子の裕太の三人暮らし。9年間も家族三人の生活を送ってきたが、最近裕太が玲二を避け始めている様子。それが二人の仲を知られたせいだからではと不安になる玲二だったが…。(J)

じゃあな

 「シークレットラブサービス」を読んで、なんとこっちのシリーズではホストクラブオーナー×ホストに息子がカラむとな? それはとても私の好みの設定ーっ! と、思わず本屋に走った。ついでに三巻の粗筋を見て吹き出して鼻水がたれてしまった("そのまま誘拐され監禁されてしまう"って凄いよな)そこまで興奮した購入した割には、玲二がホストではなくフロアマネージャーで(藤堂が大事にしすぎて接客はさせないんだと。つまらん)息子が受だったのでときめき激減。だから何だという事のない、出てくる人みんなホモで、主人公カップルがメロ甘で、起きる事件の全ての原因は痴話喧嘩っていう、そういう物語であったが、テンポがいいので退屈はしない。ただ「人間はそんなに年齢を隠せない」「人間はそんなに性別を誤魔化せない」という二点だけは強く意見したい。レディだけでも相当な物なのに…アンタ…森光子だってこうはいかないよ。
 しかし裕太は一体、いつ二人の関係に気付いたのだろう。第一話では何だか曖昧だったが、その後はバレバレだ。自分が淫行ホモなのを棚にあげて、息子に諸手をあげて祝福しろと強要する藤堂の面の皮の厚さたるや、確かにダイナマイトである。
息子が立派なホモになるのも無理はない。

★☆
俺様
裕太の子供の頃がカーイー。えっ?何か間違ってるか? 出て来るのはホモばかり、たまには普通の男も出て来たって いいんじゃないのか?と思うぐらい。そして女は化け物ばかり…。 あのさあ、日本には森光子っていう超スペシャル妖怪がいるんだけど 物事には限界ってもんがあってさ…。ホモだけでもうイッパイイッパイなんだからその他の人は普通に行こうよ。藤堂と玲ニはもうラブラブなので何も気にならないのだが(気にしたくもないし…)、館脇と裕太はどうなっているのだろう? それはまだこれからという事なのだろうが、あまり期待していないのはなぜだろう。



月は闇夜に隠るが如く(中村春菊)/桜桃書房・GUSTCOMIC


少年テツは信乃が人を切る所を見てしまう。人を切った事を 口外されたくなければ、剣を教えろというテツだが、信乃は 相手にしない。テツは自分の恨みをはらすために信乃から 剣を習いたかった。(O)

俺様
表紙を見てこれはボーイズに分類されるのかちょっと 疑問だったんだが、しまった考えていたカップリングは 逆だった。三白眼の半十郎を受って思った俺はいつでもチャレンジャー…。大人はちゃんと描けているのに、 どうして子供はヒラメ顔?テツの話のくだりはもうでもいい。 半十郎と信乃の出会い編ありがとう。顔はヒラメだけど。 若さゆえの暴走というよりもバカさゆえの暴走。っていうか よくある設定で、男子が女子として育てられるのは多いのだが、 常々思うのだが無理ないかそれ?結局信乃は男子に戻るのですが、ラブリー期もいいのですがウキウキ信乃ちゃん受難の巻をぜひ読ませて下さい。半十郎の爺のキャラにちょっとヤられてしまいました。爺のメガネ、スキップ、そして屋根の上をひょいひょい 歩く爺はどうも宙に浮いているような気がするのは俺だけ?
   
★☆
じゃあな
 H度はきわめて低いが、私はこういうのは好き。絵も綺麗だしキャラクターもいいじゃない。元気のいいテツと、一癖アリの半十郎が物語に勢いをつけてくれるので、テンポ良く読み進める。なんかもうちょっと信乃の色っぽいシーンがあればなあ(テツは陰間茶屋出身という事で、時々ピンチになっているが、本当に色気がないのでなあ)と、思うにつけ、やはりウキウキ信乃ちゃん受難編が待たれるが…。
 俺様も書いているとおり、大人は巧いのだが、子供の顔がなんだかムーミン。せっかく信乃が可愛い筈のところが大して可愛く描かれていないのが非常に惜しいのだった



ONE TWO THREE(朔田浩美)/芳文社・花音COMICS


征太は生徒会室で出会った充に一目ぼれをする。 充は兄との関係に疲れているが、それから逃れるすべを もたなかったが、征太の猛烈アタックに少しずつ心を 動かされていく。 (O)

俺様
カワイイ絵に似合わず厳しい話だった。征太の一途さが 救いだったのだが、一途にも程がある…。充を蹂躙していた 兄春樹を止めるのにキスしたあげく今度はこれじゃすまないぞって、 それって私的にはカップリングOKなんですけど…。 兄の部屋を訪れた征太に嫉妬する充は可愛かった。 大神家に避難していた充に征太の弟将太もなつくのだが、 セックスしてるのを見せ付けるのはどうだろう…。 充の兄春樹にはぜひとも素敵な攻募集。君は攻なんかよりも 絶対受が似合う。1冊で綺麗に一つの話でまとまっているので 読み応えもあるのだが、やはり春樹が幸せになる話も入れて 欲しかった。
   
★★
じゃあな
 出だしはつらそうで重かったのだが、大神兄妹の破天荒なパワーの前にそんなものは吹き飛んでしまった。「いつでもいつまでも」で主役だった弟の将太も大概にパワフルだと思っていたが、兄もすげーなこりゃ…。そしてさすがこの兄弟を育てた母。朔田作品の女性キャラらしく「でもこんなブサイクでもそれだけはできないの」って、かーちゃんいつもながら男前ですな。
 追いつめられて切羽詰まっていた高林弟が、大神兄の明るい強さに救われていく姿は、読者にも救いを与えてくれて非常に気持ちいいのであるが、高林兄も憎めないキャラクターな分、幸せになって欲しかった。
★★★



ビター・スイート・ドット(水無月さらら)/ビブロス・ビーボーイノベルズ


両親の顔も知らず施設で育ち、男女を問わず、ヒモとして生きてきた要は、ある時酒場で意気投合した晃司の部屋に転がり込むことに。身体の関係を持っても恋人同士ではなく、ただの同居人に過ぎぬ関係に、晃司も要も内心では焦れているのだが、どちらも言い出す事が出来なくて…。(J)

じゃあな
 物語が始まってすぐは、「おっ、こーなってあーなって、こんな感じかなっ?」と期待に胸をときめかせたのだが、「ああ、そーなるの…へえ、そういう感じ…」と流されつつ読み進むうちに、気づいたら何だかずいぶん遠くまで来てしまいました。着飾って夜の街に女漁りに出かける、色悪の美青年二人連れだった筈なのに、何故要は近所のスーパーからエプロン姿で全力疾走して逃げるはめになるのだろう。私は結構楽しく読んだのだが「何じゃこりゃ」と怒って放り出す人がいないとは言わない。「これはこれで」と思うか「いつまで呑気なお茶の間やってんの」と怒り出すか、評価は完全に二分するだろう。
 見た目は堂々たる美丈夫なのに、中身は甘ったれで単純な晃司を、手の中で転がしながら巧みに甘やかす要。二人のラブラブぶりを見ているのは結構楽しかった様な気もするのだが「いつまでこのままなのだろう…」という疑問は捨て切れなかった。歌を聴きにコンサートに行ったらMCがそのうちの半分以上を占めていて「面白かったけど、なんかヘン?」と思う様な気分。作中で登場人物がしりとりを始めるのはかなりの最終手段では。そして第一話のラスト一行はかなりの脱力パンチだが、水無月さららと思えばそれも味だと諦めるか。
   
★★




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