弁慶とメロンパン(たけうちりうと)/小学館・パレット文庫


ケーキ作りに命を賭ける主計は、丹精したマカロンを新寮生の大男に「このメロンパン最高」と言われて憤慨する。一方、弁慶というあだ名のその男は、田舎から出てきたばかりで「東京には可愛い男がいる」と、主計をいたく気に入るのだった。(J)

じゃあな

 ボーイズラブというよりティーンズノベルだが、よく出来ていて読ませるものがある。登場人物の行動や心理に無理がないし、文章もセンスが良くて、壮大な事件が起こらずとも十分楽しめる。例えば弁慶の家族に関する記述。両親ともに山の人で、弁慶もまた山で育った…という文章の中の一言。「母は父より根性があったので、今も昇り続けている」サラリと書かれたこうしたヒネリが、随所で光る。キャラクターも、カップリング的に心に響くところはないが、弁慶は可愛いし主計も一生懸命頑張っている。お父さんもお兄ちゃんもいいね。時任先生は、一癖ありそうなのに見せ場がなく惜しいところ。あと私の注目キャラは生徒会長。脇役ながらも、非常に斬新な道徳観を持っていて頼もしい。私はマカロンというと、トリュフぐらいの小さなものしか食べた事がなかったので、パンサイズのマカロンというのを食べて見たいものである。

★★☆
俺様
まとまりはよく、読みやすい。キャラクターもよくお話としてのデキはいいのだが、 何に重きを置いているのかってとこかな。ボーイズとしては上手い作りだが、 キャラクター同士の意思の疎通がいまいち一方通行気味で、それぞれの 主観でしか物事を考えていないのはどうだろう。主計の兄貴の葛藤を書いたのなら、 父親の葛藤も書いてやれよ…。と、思うのは俺がおっさん好きだから? 結構重要な事がサラリと流れて行くのもどうだろう。 ボーイズラブ初歩の人には読みやすく入りやすい作品ではある。 ところで、私もマカロンは小さい物しか食べた事がなく、パンサイズの マカロンにお目にかかってみたい。
★★


この罪が許されるなら(芹生はるか)/二見書房・シャレード文庫


ニューヨークで暮らす由井父子と和宏。未だ離婚に応じない由井の妻に対して、和宏は日夜罪の意識に苛まれている。そんなある日、血友病を持つ由井の息子・俊幸が不慮の事故から体に傷を負ってしまう。由井の妻に責め立てられた和宏は、ついに帰国を決意するが…。(J)

じゃあな

 つらいよ、これは。いや、痛くて大変とか、切なくて大変とかそういう辛さじゃないんだ。登場人物を説得するのが大変。本当に疲れます。何しろどんなに話し合いたくても、向こうにはこちらの声が聞こえないのです。私がいくら和宏に「いや、まず、落ち着け。落ち着いて話しあおう」ともちかけても、「なあちょっとそこへ座れよ、いいか、人生ってのはな?」と語りかけても、彼は私の事をまるで無視して、一人で遠くの世界でキリキリ舞いをしているのです。最後には近所一帯に響き渡る声で「刑務所に入らない罪は罪じゃないんじゃー!!」と一喝してやりましたが、ちっとも聞きやがらねえあの男。まったく和宏医師は一体全体、どこの宇宙を生きておられるやら、様子がおかしいから注意してやれってあれだけみんなに言われてた洸が、二日も三日も現れなかったら「なんか変だな」とすぐさまピンと来てくれよ! 隣の家で何日も拉致監禁強姦されてんのに何で気付かないんだよお前は! 由井とも洸とも高梁とも、何度となく話し合いの場を設けようとしましたが、全員私の事をシカトしやがりました。この孤独感、寂寥感に、私の方がおかしくなりそうです。
 前作「この夜が明けさえすれば」を読んだ時は「スティール・マイ・ハート」を読んでいなかったので、篝の事をホモカップルに振り回された可哀想な人だと思っていましたが、今となっては篝も高師も、持ちつ持たれつって言うか、人間万事塞翁が馬って言うか、情けは人の為ならず。がんばりやがれと思いました。しかもこの時点では篝はまだフリーで、俺の為に生まれてきた相手とやらを絶賛募集中だった様ですが、物凄いの来ますよ〜、お客さん。ボーイズラブ界のマイトガイがアナタの元に!そう思ってまた本に話しかけるのですが、篝には届かず、うちのママが心配そうにドアの向こうから私をうかがっているばかりなのでした。

★☆
俺様
前作からずっと罪だ罪だと和宏はのたまってますが、 何をもってして罪というのか?お前のそれはただの自己満足の 罪悪感じゃっ!せっかくアメリカまで行ってんのに何をそうグダグダ悩んでおるんじゃー。アメリカだそアメリカ。誰もがすれ違う他人に「ハーイ!」と明るく声をかける国だぞっ! (すいません偏見です)お前の悩み事なんか誰も気にしないし、 男同士でイチャついてても、日本人よりは理解力はある…かなぁ? またしても一番の理解力は子供の俊幸がダントツナンバー1だった。 ホモ二人に挟まれてあんなにいい子に育つのだから、子供に親の影響力は響かないと認識したね。あ、でもちょっとウオルターと 仲良すぎなのは気になるなぁ…。和宏も洸もなのですが、 設定年齢よりも考え方があまりにも子供です。相変わらず 「こんな俺なんか」とウジウジウジウジウジウジしやがって。 お前等それを何度繰り返せば気がすむんじゃーっ! そしてエグゼクティブ攻二人もいい加減気付いたれやーっ! バカップル2組は永遠にくっだらない事で悩みながらラブラブしてれば いいじゃないっすか。俊幸は心配ないよこの中で一番立派な大人だよ。 さて、個人的に気になっていた高師と篝ですが、この二人がくっついたら すげーだろうなーと思いながら、実は期待していたのですが、なんと篝には運命の相手がいるとな…。高師よやはりお前には幸せな結婚あるのみっ! 読みながらどっちが受攻かで悩んでいる時が一番楽しかったかも…。 そして正美ちゃんは今度もまた名前だけ…。石田育江が正美ちゃんを 描いてくれていたら、星の数はもう一つぐらい増えたかもしれません。
★☆


いまどきの思春期 (門地かおり) /ビブロス・BEBOY COMICS


 小6だがすっかり背の伸びた団蔵はセーラーカラーと短パンの制服がもう恥ずかしい。 そして団蔵は、そんな制服がまだ似合っている幼馴染みの庄ちゃんが可愛くてしょうがない。 ある日団蔵は無理矢理庄ちゃんを犯してしまい、以来2人は疎遠になってしまう。 (C)

 傷つけて傷つけられて、でも何とかして仲の良かった頃に戻りたいと2人とも思ってるのに、庄ちゃんをまた傷つけてしまうのではと怯える団蔵 と、なんとなく気づき始めた団蔵への気持ちをどう受け止めたらいいのか悩む庄ちゃんが、あぁ切なかった。2人とも中1ってのが余計に切なくさ せるのかも。中1にはもっとのんきにのほほんとさせてあげたいものです。 でも3回読んだら慣れました。っていうか好き。切ないままでなく、ちゃんとシアワセになれたからかな。 両思い後は、2人共可愛いなぁ…とほのぼのと読みました。描き下ろしで入った表題作が良く、庄ちゃんの団蔵へのちょっとした独占欲が可愛いく て。この話で本当の両思いになったかなと思うので、この話が入って全部の話がまとまったような気がしました。  
★★★
フェネギー
うずうずとした訳のわからない情熱に突き動かされて 突飛で強引な行動に出てしまう攻は、なんだかとってもツボで大好きだ。しかも二人の気持ちがすれ違って傷つけあったりなんかしちゃった日にゃ、もう、 たまりませんよ、旦那。え?中1ですかいお二人さん、 若さって偉大ね。決して団蔵がショタなわけではないと匂わせる締めくくりがまたよろしい。ああ、でもこの二人の10年後はつまらない普通のホモなのかしら。この切なさは『思春期』 だからこその味わいなのね。門地かおりの描くエッチシーンは、 冷静に考えればかなりえげつなくてひどいことをしていたり するのだが、なぜかとっても好き。私はどうやら門地エッチ電波と 波長が合うようだ。
★★★☆


愛の言霊(紺野けい子)/MOVIC・ダリアコミックス


高校卒業後、恋人同士になり一緒に暮らす立花と大谷。 同じ大学に通う二人の前に高校の時の同級生ゆきが 現れる。立花とゆきの間を疑っていた大谷にとってそれは あまりおもしろくない再会となる。(O)

俺様

 ゆきちゃんの視線から見た大谷と立花の関係が一番よくわかる。 大谷と立花は二人で勝手に幸せになるがいい。恋愛でもなく 友達でもなく、それでも二人の関係を理解してしまったゆきちゃんは、 もしかしなくても男運悪い?ホモなんか好きになんなくてもいいじゃん。 カワイイんだからすぐらかっちょいー彼氏が出来るよと、思わず ゆきちゃんを応援している俺って何?「世界の果てまで」の佐和子ちゃんも 男運ないよな。大好きな幼馴染が元カレ好きになったあげく、二人が 盛ってるとこに出くわしたあげく、誰も来ないように見張ってるって そんな事出来る女子高生って…。話で一番良かったのはしょうくんの話かな…。 やっぱりホモの友達はホモなのか…。ところでしょうくんってまさか翔くん? って事はまさかアルは…。いや、違うって信じてるわ紺野けい子ーっ!!

★★☆
じゃあな
 幼なじみの男の子が元カレに惚れてしまい、その間に立たされて…という、非常に不毛なシチュエーションで始まるわりに、「世界の果てまで」は少女漫画としてもかなりの秀作。Hシーンがやけに生々しいのも見所か。 表題作はゆきちゃんに肩入れしすぎて疲れた。第一話は唐突に始まって唐突に終わるので、もう少し説明して欲しい。いっそゆきちゃんの話を巻頭に持ってきた方がわかりやすかったかも。若者の日常的に使う言葉遣いを意識しすぎて「つーか」と「てゆーか」が非常に多いのが気になる(これって私が年寄りって事か?)しょうくんの台詞「チーズ ガーのっけて」も口語としてはわかるが、文字になると、何だか廃れゆく日本語を偲ぶ気持ちが沸き上がるなあ。ちなみに私は昨今のアイドルに全く詳しくないので、モデルについては全く気にならずに楽しく読めました。ところでゆきちゃん「Happy」はメンズも出てるけど、あえてレディースを貫くの?
★★☆
茶右
2人の間にゆきちゃんやらしょうくんやらが絡むのがちょっと目に付きすぎた。ゆきちゃんの登場はもう1回くらい少なくても良かったかな、と。 2人の日常の1コマとか誕生日を気にする様子なんかは可愛らしくて、私はすごく気に入ってしまったので、もっと2人ばっかりの話も読みたかっ た。その点からも、部屋を引っ越す引っ越さないの4話目は結構好き。(この話にしょうくんが絡むのだが、しょうくんが出てくる前までが好き) 大谷と立花の関係に、ラブラブなわりに長年連れ添った夫婦の様なまったり感を感じたのは、2人とも内ではいろいろ葛藤しているが外にそれを表さないため、結果的に感情の起伏が淡々と描かれているせいなのかな。
★★☆
フェネギー
やーもー、作者ったら超わっかーい。アタシもうついていけないってカンジー?って ゆーかーイマドキの若者そのまんまっつーの?等身大でいいんじゃなーい?ハナシは 結構イケテルしさー、アタシ的には好きかなって思うわけ。シリーズ続いてるみたい だしー、これから読み進めばハナシに厚みもついてくんじゃん?次巻に期待ってとこ かなー?
★★☆


愛の言霊(紺野けい子)/MOVIC・ダリアコミックス 2巻 


大谷は秋月と付き合っているのだがなぜだか今一つ 関係を先に進められない。同性の立花といる事の方が 気楽で楽しい大谷は秋月に立花との事をからかわれ 怒ってしまう。(O)

俺様

2巻を読んでまずした事。1巻を読み直した。だって覚えてる事って 言ったら「ユキちゃんは可愛かったな〜」だけなんだもんよ〜。 なるほどね時間軸が戻るのね。そんなわけですっかり自分の中では 主人公はユキちゃんだった。マジな話1巻はそうだったしね。 立花も大谷も普通 の高校生だったんだねぇ…。ヒロインはユキちゃんだけじゃなかったんだね。秋月さんはヒロインと言うよりは凛々しく男らしかったな〜。受身だったから大谷と上手くいかなかっただけかもよ。でも一番のヒロインは大谷か…。 何だかとても大谷のダメダメさが浮き彫りになっていたような気がする。 毎度おなじみな台詞で申し訳ないが、ユキちゃんにもようこちゃんにも 良い男が出来るからっ!だからこんなホモの事は忘れて幸せになるのだよ。そしてショウくんとアルにも続きがあるとは…。 しかしここでも叫ぼう、北垣さんには絶対良い彼氏出来るからっ! ところで冷静に思うと立花って女の目から見ても相当良い男だと 思うんだが…。そういう人に限ってホモなのはボーイズの中では仕方ないことよのぉ。

★★★☆
じゃあな
 どんな話だったかすっかり忘れて、ゆきちゃんの事しか思い出せなかった。「こんな時こそホモミシュラン」と思って、前巻の自分の感想を検索してみたけれど、やっぱりゆきちゃんの事しか書いてなかった。…意味ないじゃん…。今回も私はゆきちゃん狙いだったが(か〜わい〜いん)大谷と立花もまあ、頑張ってしあわせになっておくんなさいな。
 素直で不器用でちょっと純情で、愛すべき等身大の男の子たちがLIKEからLOVEへの道をたどりつつ、立派にホモになっていくシリーズ。爽やかさといやらしさが絶妙で読み応えアリ。しょうくん、「彼としかしてない」からゲイと呼ばれるのには抵抗があるって、海を越えてテレホンセックスしてればもう十分ホンマモンです。
  北垣さんには「なんていい子なんだ!!」と絶叫しました。もうこうなったらアタシが君を嫁にもらう! 幸せにするよ北垣さん! 紺野けい子の女の子の何が可愛いって、たとえば「少女漫画のボーイズラブなんだから女の子は可愛いスカートはかせときゃいいだろ。どーせお目当ての彼にはフラれちゃうんだから、ただ『女の子』であればいーや」じゃなくて、ちゃんと意志と存在感を持っている。にぎやかしの為に、ありていに可愛い格好をさせてるんじゃなくてスウェットやジャージを(かわいく)着ていたりする。「女の子」というファクターではなくて、ちゃんと現実感を伴った「水沢雪子ちゃん」という人間であるという点を高く評価したい。
★★★★


せつなさを微笑みにかえて(緒方志乃)/プランタン出版・ラピス文庫


 営業部で最低の成績を誇る磯島は、同僚に連れて行かれた合コンで、ハンサムな男にナンパされる。柏崎というその男は、実は本社から派遣されてきたエリート営業マン。コンビを組む事になった磯島は、成績アップの代償に柏崎と体の関係を持つことに…。(J)

じゃあな

 買った俺もバカだが、これを白夜書房からひきとったラピスも大バカだ。緒方志乃は「ホットラインで恋をして」を読んで、つまらなかったが何かこう光るものがありそうだと思って再挑戦してみたのだが、また玉砕。タイトルと表紙(挿し絵緋色れーいち)に騙された。もう再挑戦はしない。いつまでもタイトルを防衛し続けてくれ。ユーアーチャンピオン。
 ともかく、磯島が、受としてとか攻としてというより、人としてあんまり好きになれないタイプ。開発部志望だか何だか知らないが、営業成績が悪いのに真面目に働きもせず、それで柏崎のおかげで成績があがったのに「俺は影でエリート様の腰巾着と呼ばれている」などと一人で憤慨しているが、その通りじゃないのか? 勤労意欲がないリーマンばかり描くのはやめて貰いたい。そして柏崎との関係は、いつから恋愛になったのやら、どこまで打算だったのやら、何が何やら。ベッドシーンもちっとも色っぽくないしなあ(男のM字開脚ってどうよ) 。「顔もあてられない」って言い回しってあるんだっけ?

俺様
なんつーのかな、リーマンラブにありがちなんだが。 こんな会社員いねーよっ!自分の望む部署に配置 されないのは当然だろ。それが会社だ社会だ。何でも 理想通りに進めば誰も苦労しねーっつーの。 エピローグを読んで、もうリーマンになって何年か たつのに心の成長って、君達大人でしょ?としたくもない 突っ込みをした。何といってもキャラクターにも話にも 魅力を感じなかった。ボーイズラブに分類される話には あまり起承転結がないのだが、起にもいってないのは どうすればいいのだろう。俺の夏休み読書ウィーク 第一弾がこれなのだが…。先行き不安だ。
無星


音楽室(日輪早夜)/芳文社・花音コミックス


合唱部のピアニストである内村に一目惚れした弘貴は 先輩とお近付きになるために合唱部に入部する。先輩を やりたいと思っていた弘貴だが、逆に先輩にやられる羽目に?(O)

俺様
中学生、しかもホモっ!学校で盛らないでお家で盛りなさい。 内村くんはやられ専なのに弘貴やっちゃうんですね…。 って中3でやられ専って何でしょうね…。しかも、ピアノ弾きながらって あんたぁ…中坊だよね?何で買ったのか自分でもよくわかりませんが、 きっと表紙見て受攻間違っちゃったんでしょうねぇ。 弘貴の同級生松元が出てきた時は、よし、これで内村を弘貴と取り合いだーっ!と思ったら、弘貴を取り合うとは…。 まったくもってトホホです…。思わず内村と義父でピアノの先生 の関係の方を応援してしまいました。ショタが駄目なわけではなく、 クールビューティ年上は受という私のポリシーが許さなかったようです。 とはいえクールビューティに年齢制限を設けた方がいいと思う今日この頃です。絵はショタですが、内容は結構シビアな作品集です。
★☆
じゃあな
私にはショタの血が一滴も流れていないのでなあ…。ろころしたキャラクターの体型からして既にギブ入っているのだが…。表題作シリーズがたっぷり描かれているので、まだ読み応えはある。作者の絵が好きならそこそこ楽しめる…かも知れない。とりあえず西森は背も伸びた事だし、さっさと形勢逆転しちまって下さい。


ピンクナポレオンフィッシュ(緋色れーいち)/ソニーマガジンズ・ルチルコレクション


ダイビングショップで働き始めたチャッピーこと西原は、インストラクターの夏に片思い中。オーナーの金城は知ってか知らずか、そんなチャッピーを面白がっている様だが、その彼は幼なじみで共同経営者の伊織と秘密の関係にあった。(J)

じゃあな

 無茶。…あ、ごめん、一言で終わらせちゃった。東大卒美形ホモ野球選手も、長髪美形ホモホストも出てこない、宮古島の(またも島民大ピンチか…?)ダイバーズショップのダブルホモカップル物語なんであるが、設定で爆発しないと、どこか他のところで火種がくすぶるらしく、何だか全体的に火だるま。いつバックドラフトが起きるかと気が気ではない。表紙を見てチャッピーが受かと思ったら、夏が受なのはお手柄だと思ったが、とりあえずそれはそれだけで。伊織のクールさは一瞬いい様な気もしたが、それもまたそれだけで。心の竪琴イントロ歌合戦。続くメロディーを奏でたいものである。今回何だか抽象的な事ばかり言っているが、つまりそういう捕らえどころのない全体的に「あれっ?」なお話なのである。どう続くんじゃコレ。

★☆
俺様
次のトンチキはどんなトンチキ?って事で待ちどうしかったのだが、 緋色れーいちは外さないでいてくれる。あなたが俺を大嫌いでも、 俺はあなたが大好きです。そんなわけで相変わらず何かしら 大切な説明がないままにお話は進んでいる。そしていつも思うのだが キャラを詰め込みすぎなうえに、主役じゃない人達に入れ込みすぎ。 今回も主役であるチャッピーとナツはほったらかしになっている。 それが味っちゃ味なんだがね。でもさー、チャッピーはともかく、 ナツはなんであの店にいるの?素朴な疑問なんだけど、 もしかして重要問題?トカちゃんにはどっからか人魚でも流れ着いて幸せになってくれ。
★☆


ピンクナポレオンフィッシュ(緋色れーいち)/幻冬舎・ルチルコレクション 2巻


宮古島のダイビングショップで働く西原(通称チャッピー)は、インストラクターの夏に片思い中。しかし夏を追いかけて、セブからやってきた恋敵のブリットに引っかき回されてなかなか二人っきりになれない。花火の夜、ようやく夏と抜け出す事に成功したチャッピーだが、彼の口から大変な決意を聞かされて…。(J)

じゃあな

 どんな霊験があるのか知らないが、あの不細工な魚を追い求める事に幸福を見いだせるの夏の気持ちがさっぱりわからない。作品の主題そのものに同調しかねるが、ホモに満ちあふれた宮古島が最後に救われたので、日本国民としては安堵すべきだろう。ホモがいけないというわけではないが、屋外ですぐにおっぱじめる人たちは例えヘテロであろうとも公衆道徳に反する。
 つか、天然で影の薄い主人公と、その片思いの相手(年上ちょっと無理目)。こっちの気持ちを知ってるんだか知ってないんだかわからないけど、なかなか一線を超えられない二人…は、さておいて、その脇キャラのすでに出来上がっちゃってるカップルが、画面をところ狭しとやり放題〜、という図式はそろそろ食傷気味なのですが先生。
 何となくパンチの弱いまま終わったシリーズだが、トカちゃんを見るとそのあまりのザコぶりに、何故か聖闘士星屋の邪武を思い出す。 一巻はソニーマガジンズ発行だったこのシリーズ。雑誌の腰が据わらないのだから話の腰が据わらないのも致し方ないのかも知れない。
  しかし幻冬舎と幻冬舎コミックスは殆ど別会社らしいが、幻冬舎発売・幻冬舎コミックス発行のバースコミックスルチルコレクションってのは、もう太陽神戸三井銀行みたいですごいなあ。ボーイズラブ界のコングロマグリットである。

俺様
夏が何であの不細工な魚(?)を追い求めるのか全くわからないうえに、それまですっかり忘れていたかのような日常だったのに突然パラオって言われても…。
ところで夏が見たピンクナポレオンフィッシュは江口寿史が締め切り前によく見た白いワニと同じなのでは…。最近色々と雑誌がなくなっていくが、流れ着く先は幻冬舎が多く、またこりゃまた美味しい所をさらっていくのはお得意ケンケン社長。ケンケンが通った後はペンペン草も残らねぇ。つーかこれからもやばそうな所は救ってやってくれ。ところで今回も主役カップルはとても影薄く、相変わらず脇役に全て持って行かれている。それが先生の味っちゃ味なんだが…。
★☆


はな、さいた(石田育絵)/二見書房・シャレードコミックス


求職中の瀬川が紹介されたデザイン事務所は、中年デザイナー・村尾が一人で切り盛りしている卯月舎だった。新しい上司に「あのこと」を知られない様にと懸命に頑張る瀬川。一方で能面の様な無表情で笑わない瀬川の事を、村尾も気にしている。そんなある日「あのこと」の引き金となった高校時代の同級生、泰則が上京してくるという電話が…。(J)

じゃあな

 いやん、雑誌で連載の途中を読んで「これは面白そうだ」と思って本屋さんに走ったら、面白いじゃないの石田君。先生、君ならやれるって信じていたよ。みんな石田君を胴上げだ。わーっしょい、わーっしょい。作者の魅力のあるキャラクターデザイン(おっさん、うまいうまい。芹生はるかの挿し絵で鍛えられたおかげか?)と、繊細で優しい世界観が生きている。なんか村尾が素敵におっさんでいいねえ。やる事結構唐突で幼稚なんだが、外見がこんなにナイスおっさんならそれも許す。羽田空港に行けなかったのはそのせいか…サングラスでもかけていけよ、繊細な奴め。
 いつも眼鏡で地味な反動からなのか、裏表紙や口絵に突然瀬川君お色気サービスショットがチラホラあるのは何事だろうと思うが、本編でもあのくらいのフェロモンをもって、いたいけな中高年(ん?)を翻弄して欲しいものである。村尾の前妻、勢津子さんは村尾に手厳しいが、まんざらでもない様にも見えるんだけど…今後の動向が気になるところだ。

★★★★
俺様
絵は確かに上手くなっているのだが、お話はどうも 私には合わない。面白くないわけじゃないのだが、 何かがダメなんだな。村尾も瀬川も自己完結が激しく、 はなっからダメだと決め付けている部分が恋愛面以外でも多くみられる。トンチキ好きな俺には正統派チックな話はいまいちなのかもしれんがな。村尾は瀬川の事を子供だというが、出てくる人物は誰もが子供のような 気がする。それとみんなまず自分の気持ちを確認したら、 相手の気持ちも確認しようよ。これからいくらでも話の展開を広げる事は出来るとは思うのだが、今終わっても 影響はないような気がする。村尾の前妻勢津子と 花ちゃんの動きには注目したい。あと、瀬川の神経症に ついてはちゃんとした解決を待つ。



はな、さいた(石田育絵)/二見書房・シャレードコミックス  2巻


ついに胸の内を伝えあった筈の瀬川と村尾だが、日々の忙しさに紛れその後の進展もない。あと一歩のところで縮まらない距離、村尾の前妻・勢津子の存在、そしてデザイナーとして伸び悩む自分自身に焦れる瀬川だが…。(J)

じゃあな

 私の好みでいけば瀬川君は非常に地味なのだが、地味なりに私服や小物はいつもさりげなくおしゃれで、デザイン学校を出た男の子の雰囲気がよく出ているなあと思った。さすが桑沢(?)出身。高校時代の方が髪が長くて派手だったんだよなーと思いながら二巻を読み進んでいたのだが、アラー書き下ろしの瀬川君たら、きれーで大人になっちゃって。こりゃいかん。こんな子が田舎から出てきて手つかずでふらふらしていたら、頭からパックリだ。先物買いした村尾氏の勝ちー。
 勢津子さんはもっと色々含むところのある人なのかと思ったが、引っかき回すだけ引っかき回したらあっさり撤退してしまった。しかし実際問題、バイの男と別 れた女が、昔の恋人にちょっかいを出すなら、あんまり長々引っ張ってても自分が馬鹿馬鹿しくなってしまうかも知れんのな…。
 瀬川君の神経症が、一巻のラストあたりで小康状態になったので、このままなあなあになるのかと思ったらそんな事はなく、彼なりにじたばたしながら成長していってくれたのが非常に好感度高かった。バツグンの包容力で彼を完全に守りきってしまった場合、瀬川君が成長出来ないので、その分妙にツメの甘い人になってしまった村尾氏だが、まあ年下でもカミさんがしっかりしている方がうまくいくというから、ちょっとくらい情けないのもご愛敬というものだろう。

★★★☆




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