HARD BOYS(青池周)/桜桃書房・ヴァリオノベルズ


誠也は祖父から一子相伝の忍の技を伝授された高校一年生。ある時、憧れの剣道部主将・菊池先輩に対して、ほんの出来心から"忍術"を使ってしまう。その現場を見られた少林寺拳法部主将には強姦され、そして騙されたと知った菊池先輩からも厳しい折檻を受ける事に…。(J)

じゃあな

 チャットで薦めて頂いて手に取りました。「ええ?!」「はあ?!」「もしもし?!」物凄い勢いで遠くの世界と交信しました。こんなに短時間であんなに遠くの世界まで行ったのはこれが初めてです。ともかく…主人公が自習時間に学内を探索(忍だから)していると、憧れの先輩が事もあろうにカタツムリに「カタツムリくん…きみの季節がきたね」と話しかけているところに遭遇。そして主人公は遠話の秘術を施し、カタツムリとして先輩の親友になる。どうだろうみんな、ここのところまではついてきてくれただろうか?
  そして先輩がなかなか親友のカタツムリに会えないで嘆いている事を知った主人公は、天井裏の梁に潜んで再びカタツムリとして先輩に恋のアドバイス。それも男同士の恋に思い悩んでいる先輩に、「僕たちは両性体だから関係ない」などと…。するとその姿を少林寺拳法部の主将で不良の先輩に見つかってしまい強姦。いやー少林寺の先輩、大物っスよ。「たまげたね、入ってくるなり、天井裏に跳びついてよ」って、そんな人といきなり始めてしまうアナタに私はたまげます。私ならいきなりトイレから天井に飛び上がってカタツムリとなった後輩を見たら、怖くて泣きながら逃げ出すね。とても「お口でご奉仕して貰おうかな」とは言えないね。だって天井からカタツムリだよ。ところでみんな、まだついてきてくれているかい。
 そしてカタツムリの親友を持った菊池先輩はと言えば、そのカタツムリが後輩の誠也だと知って激怒。真剣の居合い切りで主人公の制服を真っ二つ。おいおい、斬鉄剣かよアンタの刀は。そして「俺の胸は血を流している、この血は貴様が流させたものだ」などと言いながら誠也を責めるのであるが、どんなに今更文語調で喋られたって、アンタ登場第一声が「カタツムリ君」だからなあ…しかしカタツムリに対する菊池先輩の深いトラウマを知った誠也は、
自分の軽はずみな行動がどれだけ先輩を傷つけたかを知り号泣するのだった…って、おや?みんな、この感動的な物語に、どうしてついてこないのかな?

無星
俺様
私は最近あまりホモを読んでいなかった。それは日々色々と 忙しかったからだが、一念発起しよーし久しぶりにホモ読むぞーっ!! となったのは良かったものの、自宅にいるとどうしてもだらりと してしまうので、自分を追込むために近所のファミレスで ホモをむさぼり読んでいたのですが、思わずアイスティー吹き出し そうでした。みんなどうしてそんなにおかしいの?つーか、君達 本当に同じ次元で生きているの?それぐらいキャラクター色が 豊かで、笑いが止まりません。主人公達の通う学校も、ホモ界特有のホモに寛容な校風で、はいはい勝手にどうぞって感じなんですが、どうも 南くんにはがっかりさせられた…。もっと線の細い人かと思えばごっつ マッチョ…。菊地は一体奴のどこをどう可愛いと…。そして宮崎氏は 何者でしょう?だいたい高校生のあだ名で宮崎氏って、「氏」ってありなんか? 有吉にいたっては突然天井に飛び上がった誠也を強姦って…。 あんたスゴイよ。男だよ。俺ならそんな変な奴からはさっさと逃げ出すよ。 しかもそれが伏線とは…。さらに驚きだ。菊地にいたっては、 クールビューティで本当は荒川とデキているんだと、淡い期待を抱いてみれば 本当に淡い希望で、鼻息で軽く吹き飛ばされてしまいました。 しかし、俺が親でもカタツムリまみれの子供は気持ち悪く、机や カバン一杯のカタツムリは誰がどう考えても処分した親の方が 正しいでしょうし、正しいですっ!!そして誠也の死んだじーちゃんも まさか孫が強姦された傷を癒すのに秘薬を使うとは思わなかったでしょう。 何のために命懸けでお国に尽くしたのか、じーちゃん草葉の陰で泣いてるよ…。 色々と途中いい話もあるのですが、どうもおかしな事にしか目がいきません。 いやあ、久しぶりにナイストンチキでした。


WEST END(葵二葉・紅三葉)/ビブロス・SBBC 1〜5巻


近未来。人間に奉仕する為に作られた人造人間「デミウル」のトナミは、不死身の男・キリの手によって娼館から連れ出される。キリを新しい主人として、西を目指す彼とトナミの旅が始まった。(J)

じゃあな

 一言で言うと「やりすぎ」。ストーリーもそこそこしっかりしていそうなのに、Hシーンを入れる為に(と言うか、SBBCだからそちらが眼目なのかも知れないが)謎が明らかになりかけてはやって、また事態が進展しそうになってはやって、もういいっちゅーねん!西へ行け西へ!どうしてもと言うならやりながら進め!!
 娼館から連れ出されても、トナミはキリが毎回客をとらせているので、何ら救われたわけではないのだが、それにしてもこんなにバンバンやっていて大丈夫なのかと他人事ながら心配になる。デミウルは人間よりも免疫力が弱いと言われているのに、不特定多数とそこまで無防備な性交渉をもっていいのだろうか。厚生省に変わって私が指導したいところだ。更に、キリがなくしたナイフを買ってあげようと、トナミはキリが取った客以外に自分で営業してきて、こっそりお金を貯めてキリを喜ばせようとまでする。体を張ったこの誠意。O・ヘンリーもびっくりであるが、一日四人とっててまだ別枠ってのはアナタ…厚生大臣代理として、厳重注意だ。
 そしてこの世界で人はどうやって人間とデミウルを区別しているのか疑問である。首輪取ってしまえばわからない様な気もするのだが…。何か明らかに人間と違う身体的な特徴があるのだろうか。更に言えば、キリが不死身な理由についてみんな「わー不死身だねー」と納得しているが、不死身の人間の秘密を解明出来たら、世紀の大発見だと思うんだけど。もっとみんな真面目にキリの事考えてやれよ。「先生」にしたって、いくら自分の任務がトナミを連れて帰る事だからって、その途中で不死身の人間見たらとりあえずびっくりしてやってくれよ。嫌だわ荒廃した世界って。みんな感動する心がなくなってるんじゃないのかしらね。

★☆
俺様
なあ、ちゃんと女もいる世界なんだろう…。あんた達っていうか、 みんなが色んな意味でやりすぎです。世界が何でもありなので 不死身な人間がいても誰も驚きゃしねーよ。キリだってあれだけ 各地で暴れたおしているのに、なぜ指名手配とかならない? はっ、そういや警察機構はあったっけ?ないのか?なんて ステキな世界。そりゃ悪人はやりたい放題なうえに、デミの 売春なんかいくらでもありになるわなぁ。世界観がかなり傲慢な 広がりを見せているので謎が謎を呼ぶ。なあ、デミってなあに? それって美味しい?って聞きたくなるよ。謎が少し解かれると 次の謎が飛び出してくる。うーんびっくり箱?誰もがやり放題で、 こんな未来になるならやっぱり核は持たない方が良いんだなと 感心させられる。なぜホモを読んでそんな事を思うのか…。
フェネギー
けーっショタは好きじゃないんだよ、ぺっぺーっ!と思いながら 読みはじめたのだったが、読み進むうちにストーリーがちゃんと あることを発見!クールビューティーな先生がご登場してからは、 なんだかだんだん面白くなってきてしまった。 しかしデミウルは人間よりずっと弱くてすぐ死んじゃうって 言っているのに、トナミはちっとも死にゃしない。 他のデミが数名に輪姦されただけでバッタバッタ死んで 溶けかかってるのに、トナミは何人とやっても全然OK! 精力的に客をとっては「途中で気絶しちゃって」と平気で笑っていて結構コワイ。本当に不死身なのはキリではなく トナミなのか。もしかしたら最後にはキリが死ぬことが できて立派に昇天するのに、トナミは「やだ、ぼく生き残っちゃたよ、 どうしよ〜、しくしく」とか言いながらひとり荒廃した世界に 内股で立っているのかもしれない。 しかしこの世界の男達、どうしてみんなショタ好きなの? 美青年好きとか普通に女好きとかいないわけ? この荒廃した世界にも「女性型18禁デミ販売禁止!」とかいう 千葉県みたいな厳しい戒律があるのだろうか。


WEST END(葵二葉・紅三葉)/ビブロス・SBBC 6巻


ハーヴェイの町を離れ、先生(ツヴァイ)とともに更に西を目指すキリとトナミ。新しい町ではキリと同じ不死身の体を持つという男が現れ、キリを狙う。「世界の全てを見渡す男」ミトウの見守る中、トナミの体に異変が…。(J)

じゃあな
 無駄なHがなければもっと面 白いんじゃないのか、コレ。濡れ場のトナミを見るたびに「人間男子の身体とはこの様な構造になっていただろうか…」と疑問を覚えるのだが「…デミだからいいのか」と自分で小さくフォローしてみる。ナイス、ナイスフォロー。風はアゲインスト。
 地殻変動が起きると人類は頭が悪くなるらしい。「この町の実力者のハーヴェイ医師に言う事聞いて貰いたいから、えーい爆破」「なんだこいつー。言うことなんて聞かないぞー、えーい殺しちゃえ」ってアンタ達、一体…?「不死身だったら死ぬ まで殺しちゃうぞ〜」(めちゃくちゃな日本語だが…)って発想も凄い。何を考えてるのかさっぱりわからん。「バカは相手にしない」を今週の目標に定めれば、この人達は西の果 てだろうがどこだろうがすぐに到達出来るだろう。
 個人的にはトナミよりずっとヤツカが好きだったのでちょっと困っている。そして困っている自分にちょっと困っている。
   
★☆


WEST END(葵二葉・紅三葉)/ビブロス・SBBC 7巻


「城」に連れ戻されたトナミ。重傷を負い、珍しい事になかなか回復出来ないキリとツヴァイはトナミ奪還に焦燥する。ついに姿を現したミトウは、二人を手助けするかの様な行動を見せるのだが…。(J)

じゃあな

 絵が大層不気味です。ツヴァイとミトウの恐ろしさは筆舌しがたいです。そしてトナミの軟体動物さも…。何でこんなに「おかしい」と思わせるんだろうと思ったら、トナミの関節の奇妙さか。直線な骨と骨を、蝶番になるパーツで組み合わせ、その上に伸縮する肉と皮膚がついている為に稼働するのが人間の身体なわけだが、トナミの場合わけのわかんないところが曲がったり曲がらなかったりする。ウェストのにょろりんさには疑問符の嵐。脚もリカちゃん人形みたい。魔法の呪文「デミだから」を唱えてみるも効果 なし。こんな葵・紅両氏のイラスト集が発売されるというのは、現代日本は荒廃した未来世界よりもずっとファンタスティック。
 エゴイスティックで高慢な「ゆんちゃん遺伝子」を持つキリとトナミには元より感情移入出来よう筈もなく、貴様ら自分の愛と欲望の為なら何してもいいと思っているだろう、と真っ向から闘いを挑みたくなるが(トナミの今巻のモノローグ「そんな事許さない」って…ケンカ売ってんのアンタ)ハーヴェイの動向だけはちょっと気になるところ。もし彼がヤツカへの思いを胸に、それでも前向きに生きていく事が出来たら「愛と欲望の為なら世界をぶっ壊してもいいし、勿論人間なんて何人殺しても構いません」のゆんちゃんウィルスを克服した新たな人類の誕生だ。それはトナミよりもよっぽど素晴らしい進化であろうと思うのだがどうだ。

俺様
あいかわらず表紙が派手じゃの。ところで不死身なキリが肉塊から 復活するのも怖かったが、何よりも怖いのはトナミの体じゃ。いやトナミ だけじゃないけど、何か子供の頃にリカちゃん人形の間接をヘンテコな方向に向けて振り回して遊んでいた時の事を思い出した。 私も魔法の呪文「デミだから」を唱えたのだが、やはり効果はなかった。 先生の中からメリメリと現れるミトウだが、キリだけじゃなく誰もが驚くわ。 肉塊からみょーんと手足が伸びて復活したキリの一言で狂気から 我れを取り戻したハーヴェイだが、今後の動向が気になる。 そして終幕直前と帯にあったが、それは本当なの?
フェネギー
これを面白いと感じるなんてくやしい〜っ! 6巻7巻を続けて読んだが、なんかもう訳もなくワクワクしながら読み進んでしまっ た。訳わかんない世界だけどパワフルだわ〜。そして邪魔だーと飛ばしてしまったの はHシーン。この私がHシーンを飛ばして読むとは・・・。確かにショタは嫌いだ が、いつも嫌い嫌いと言いつつもHは読むのに。しかし本作はHシーンが減れば減る ほどストーリーが面白くなっていくような気がする。わたしゃキリの不死身さ加減が たまらなく楽しいのよ。肉塊になろうが指一本になろうが絶対復活してくれそうなアメーバ生物なところがステキ。トナミは邪魔だな。キリとツヴァイの話ならもっと面 白いのにな(それならHシーンも読むよ、きっと)。この物語、そろそろ終わるらし いが、どんな結末をつけるつもりか実に興味がある。パワフルなオチを期待する。
★★☆


WEST END(葵二葉・紅三葉)/ビブロス・SBBC 8巻


ついにミトウの口から語られるデミウルと人類の秘密、そして「キリはトナミに殺される」という予言…。だが二人は運命に屈して自分の意志を曲げる事なく、ツヴァイもまたトナミの為にある計画を実行する。(J)

じゃあな
 やはり壮大にちっぽけな物語だった。とってつけた感はなく、作者は最初からこの終着地点を想定していたのだろうが、それにしてはデミウルの基本設定がそもそもどうだろう。そういう事だったら「城デミ」はもっともっと大事にされて然るべきだったのでは。更にトナミに至っては、ツヴァイも、見つけた瞬間すぐさま城に連れ帰るべきだったのでは。そんな呑気に街頭商売させてる場合じゃないよホント。
 「デミウル」と「人間」の価値観が覆される最終巻だが、デミよりも死なないキリの方が便利でスゴイと思う。それに、私が全てを計画した人物だったとしたら、ミトウという個体だけにプログラムのデバッグを任せたりはしないぞ。ミトウって一応有機体なんでしょ。もしもの事があったらどーすんの。それこそツヴァイみたいに、ミトウもいっぱい作っておくがな。
 ミトウとトナミとキリが、平行線の自分の主張をわあわあ怒鳴りあう事に終始した最終巻。「俺の命は俺のもの、トナミの命はトナミのもの、だからトナミは俺のもの」って、ごめん、そのジャイアニズムちょっと理解出来ない。
 トナミが全然可愛くないのがいただけなかったが(殆どぽかんと口を開けて怒鳴ってるだけだし)エピローグは結構好きだった。頑張ったね、ハーヴェイ。
   
★☆
俺様
口絵のミトウを見て「この変な物はえている人、誰?」と言った私をじゃあなちゃんはボケていると思っていたらしい。いや、マジに聞いてました…。登場人物みて初めて「ミトウ?」と確認。それでも疑問系…。だいたい7巻ってどんな話だったっけ?と思い返しても頭に浮かんだのは先生をバリバリやぶって現れたミトウと肉塊からにょーんと再生したキリの事ばかり…。とても大切な事を絵ではなく言葉で表現している所に終わらせるために急いでいるんだなと思うのだった。世界がやばい状態になったら救世主が現れるか遺伝子操作で人間作り出す事しか人って考えられないのだろうか…。そもそもあれだけ大変な事になってて完全体のヒトってのはトナミだけって事? それも進化するかしないかいちかばちかな状態で?
そもそもキリと出会わなかったらトナミは成長する間もなく溶けていったのでは…。偶然が世界を救ったって事か…。キリの言葉にジャイアンだと思った人は少なくないだろう。って事はトナミはのび太?そうか、この物語はジャイアンとのび太の物語なのねっ!そういやのび太にはドラえもんみたいなロボットもついてたしな…。エピローグはいい感じでしたね。ハーヴェイは老衰なのかポックリなの微妙なとこでしたが、最後までがんばりましたね。でもなぜ先生の幻影と語り合っているのですか? 最後ぐらいヤツカの幻見ても罰は当たらないぞ。
★☆


管制塔のラプンツェル(ふゆの仁子)/ビブロス・ビーボーイノベルズ


腰まである長い髪と美貌から「管制塔のラプンツェル」と呼ばれる管制官の松橋は、かつて航空大学で同期だった大澤の事が忘れられない。大澤との恋の為に妻子を失い深い心の傷を持つ彼に、グランドハンドリングマンの田中は熱烈なアプローチを仕掛ける。(J)

じゃあな

 どうも私は「働くホモ」が好きなので、気になっていたシリーズなのだが、粗筋で見たところこれまでの主人公達よりも受攻の力関係が年下×クールビューティーでタイプだった為、いきなりここから読み始めてしまったのが失敗だったかも知れない。どうもキャラクターに入っていけず、33歳にして、かつての恋人(男)に「長い髪、似合うな」と言われただけで腰まで伸ばしてしまう松橋が「コイツ女だったら地雷女…」と思うと恐ろしくてたまらなくなった。しかも攻の田中が一度やった後恋人気取りで現れ、ラプンツェルが嫌だっつってんのに「俺の背中に刻まれた傷痕が訴えていた」だからあなたは俺に惚れてる筈だと迫ってくる姿に「こわいー、こっちも地雷男ー」と思って泣きそうになった。
 雨の中傘もささずに執拗に待っていたかと思えば、刃物を振り回して刃傷沙汰。良かったね両思いになって。もう一歩で刑事訴訟だったね。空港内部の描写などは非常に興味深かったのだが、地味派手な登場人物の心の変遷に戸惑ったまま終わった一作であった。地味と言えばどうも本作に入り込めなかった最大の理由は、登場人物の名前が全て地味すぎて、誰が誰やらよくわからなかった事かも知れない。松橋、田中、山仲、内藤。今日び野球選手だってもう少し派手な名前をしている(よくわからない偏見)。紫苑と綺羅まで行かずとも良いが、せめてザコかそうでないかわかる程度の名前をつけて頂きたい。



レンアイ爆弾(バーバラ片桐)/リーフノベルズ・リーフ出版


竜太は学校では真面目な優等生である天野の夜の顔を知りトリコに なってしまう。天野を絶対モノにしてやると一人で盛り上がる竜太に、 数々の過去の行状を知っている親戚の井原は頭が痛い。竜太の魔の手から 助けるべく、井原はそれとなく天野を見守るが、実は天野には秘密があった。 (O)

俺様

空腹でまともな思考力のないまま購入。ただ、空腹が解消されるとどうして 自分でこれを買ったかわからなかった。自分の部屋で本屋の袋から取出し 呆然とする俺様。絶対トンチキだ。危険信号が鳴り響くものの、読まなきゃ トンチキかどうかわかんないもんねーと、勇気ってより好奇心が動いて読んでみた。 トンチキは常習すると感覚が麻痺してきますね。うーん、一種の麻薬?てなわけで、 市東亮子よどこへ行く?と言った方が早いかもしれない。絵は綺麗。 キレイだけにお話が辛いかもね。井原と優等生天野の話はいいんじゃなーい? と言ったところかな。なんか結構理想的な段階を踏まえたカップリングだった。 しかし、やはり男子高。どうしてホモを簡単に受け入れるのだろう…。 竜太の一人盛り上がりっていうか、悪の天野に対する想いの暴走はかなり 笑わせてくれる。ここまで一人で突っ走れるなら、それはそれで見事である。 ただ、優等生天野も竜太ほどではないが、物静かな一人盛り上がりだった。 しかし、ワルのかぎりを尽くしているのはいいんだが、天野のワルレベルは 幼稚園児並みじゃった。竜太に対する放置プレイは笑える。

★☆
じゃあな

 なんか表紙が一番イタイって言うか…。小さな悪の限りを尽くす天野を追いかけまわしては「ワ、ワルだ…」と感動する竜太には笑った。天野へのラブレターの電波ぶりもキョーレツだ。性格の歪んだ竜太に狙われた天野を心配して見守る井原が、彼に惹かれていく様子も無理がなくていい。井原と天野の話はいいんだけど、一冊それだけじゃダレるところを、竜太の悪の道への突進ぶりがいい息抜きになっている。リーフとは思えぬクォリティよ。終わり方も納得出来たし、面白かったよ。



Release(月村奎)/白泉社・白泉社花丸文庫


一流企業に就職したばかりの安西は、トラウマから接触嫌悪症を持っている。営業に配属されて、体質に合わずボロボロになっていた彼は、同窓会で旧友の森と再会する。森とその幼なじみのはるひに連れられて移動した二次会場は、忌まわしい記憶を思い出させる男、奥村が経営する喫茶店だった。(J)

じゃあな

 一人称なのに自分の不幸を淡々と語らせるのが巧い。殆ど他人事の様である。ストーリーは巧いのだが、キャラクターがどうも似通っているのが残念な月村奎。主人公達がどうも意味なく美形な気がして気になる。今回の場合は「キレイだから触られる」という悪循環を生み出す為というのは理解出来るのだが、作風や舞台が地味なのに、主人公だけ美形って言われてもな。アイドルの様な美形でなくとも魅力的なキャラクターは作れる筈と思うのだが。
 とは言え、読みやすい綺麗な文体と、無理なくデリケートな登場人物の心の動きで、十分読み応えはある。終盤の急展開は意外てだったが、なるほど、こういう展開にでもならなければ、私達はあやうく接触嫌悪症克服闘病記を永遠に読まされるところだった。そして安西と並んでダブルヒロインと言ってもいい、はるちゃん。いっそ本編よりも、はるちゃんが主人公の短編の方に力を入れて読んでしまった。はるちゃんも安西に負けず劣らず、健気に一生懸命生きて切ない恋をしているのだが、これがボーイズラブである以上、ホモは幸せになるだろうがはるちゃんはどうだかわからないという不安が私を惹きつける。はるちゃん。頑張れはるちゃん。それなのに心の片隅で、森はどうして当て馬になんねーんだよ、使えねー男だなと呟く自分がいる。人の心には夜叉が棲んでいる。ああ恐ろしい。

★★★


王様は、今日も不機嫌(神奈木智)/徳間書店・徳間AMキャラ文庫


親友の敦史との賭けで深夜のオフィスビルに忍び込んだ季沙は、そこで風変わりな二枚目の朗に出会う。名前しか教えなかった筈なのに、高校の前で待ち伏せしていた朗は季沙に恋をしたと言ってキスを迫る。強引な朗に惹かれていく一方で、朗の秘書・楸と彼の関係が気になり始める季沙であったが…。(J)

じゃあな

 駄目。失敗。本作が作品としてどうこうじゃなくて、朗の秘書の楸(ひさぎ)が私の心を捉えすぎたせい。美形でクールで有能な秘書!どう考えても季沙より楸の方がいいじゃん!そう思ったが最後、目が文章を横滑り。そして敦史が楸に惚れ始めたので「よし、本編早く終わっちまえ。書き下ろし短編、敦史と楸の物語に期待しよう!」と思ったのだが、そんなものは収録されていなかった…。
 朗と楸の秘密が明らかになっても私の不満はおさまらない。「そんなの別に大した事じゃないっ!」「なんと小さい男だお前達は!」怒りのせいか、尊大だ強引だ王様だと言われている朗のキャラクターも「そう?普通の攻じゃん」と、思えてしまい更に減点。しかも「今日も不機嫌」というタイトルだったが、彼は全編を通して概ねご機嫌であった。これならば楸が主人公で「女王様は今日も不機嫌」にすべきではないのか。季沙が男を狂わせるタイプ?えー、私全然狂わない(そりゃ女だからでは…)楸の方が絶対魔性のフェロモンだってば。楸に男前の攻絶賛募集中。敦史でもまだ役不足だな。高校生には勿体ない。私の希望は桐谷政信。きゃーステキ。さあこれで続編いってみよう。



Die Karte-カルテ-(かわいゆみこ)/徳間書店・徳間AMキャラ文庫


リース会社の営業マン・上月は、厄介な取引先を抱え、胃痛に悩まされる毎日。医務室の看護婦に勧められてカウンセリングを受ける事になり、精神科医の佐伯と出会う。(J)

じゃあな

 Hはない。「しかし買ってくれ」とあとがきで作者が懇願していた通り、ないなりに楽しく読める。むしろ簡単にそういう事にならない人間関係の無理のなさが常識的で好感度高し。上月は年の割にはモーレツサラリーマンすぎるかなとは思うが。25歳にしては、断崖の世代みたいな覚悟で生きているなあキミ。
 一話の最後で呆気なく上月に看破されてしまった佐伯には「インテリならこのくらい、すかさず誤魔化せよ」と思ったが、おかげで第二話から二人のテンポが良くなったので、まあ良しとしよう。第二話は薄幸のOLちゃんの為に二人が奔走する話で、更にボーイズラブ度は下がっていくのだが、皆一生懸命生きていて敢闘賞。しかし作中、欧米ではカウンセリングは当たり前の事だと再三言いながら、アダルト・チルドレンのOLちゃんを「こんな(特別な)病気にかかってしまって可哀想に」と扱ってしまったのだけが残念なところ。第一話の上月のワーカホリックの方が、症状としては問題があった様にと思うのだが…。
 どうもかわいゆみこは最初に読んだのがトンチキだったので作風を誤解していた様だが、まともなものも書けるんだなあ。「いのせんと・わーるど」もタイトル以外はまともだったもんなあ。それともこの人はトンチキとノントンチキの二刀流なのだろうか。

★★★


ジーン・ジニー(花郎藤子)/白夜書房


天衣無縫なジーンは、北米を牛耳るシンジゲートのボス・ロスタンドの跡取り息子。『スチール・ジェイク』の異名を持つ銀髪の大男・ジェイクに惚れ込んで、彼のアパートに転がり込む。愛情に飢えたジーンが、ところかまわず引き起こす騒動に巻き込まれる災難なジェイクだが、一方でジーンによって妻を亡くした心の傷を少しずつ癒されていく。(J)

じゃあな

 癒されているのだろうか…しかしここまでバカなジーンに、まともにつきあってやっているのだから、ジェイクは物凄い忍耐力の持ち主か、そうでなければ心の底からジーンにラブラブなのだろう。私なら耐えられない。二次元の上、遠いニューヨークにいると思うからまだ許しているが、もし彼が私の弟か何かだったら今頃スマキにして目黒川に捨てているところだ。途中でジーンが成人している事が明らかになったが、これがまだ14歳かそこらなら、若気の至りで済むものを、21では正真正銘の純バカではないか。ジェイクがどんよりするのも無理はない。
 とは言っても、元々基本的な世界観に共感が持てる作家なので、バカと言ってもよその、とんでもないメガバカ受達から比べれば、ジーンなど可愛いものであるが。単に花郎作品にしてはバカだなという程度。何か物凄い事件が起こるかと思われながら、実は大した事は起こっていない。良くも悪くもまだ素人臭の残る一作。作者の「味」が好きな人向け。松崎司の漫画で読んだ時が一番面白かった。お金は欲しいから誘いには乗るけど、セックスをしたらそれは売春になるからイカンというジーンに、とりあえずBまでしてみて「これはやっぱりセックスなのでは…」と悩むブリッジレコードの社長はちょっと好き。




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