恋愛操作2(蓮川愛)/リブロ出版・SBBC


相変わらず素直になれず憎まれ口ばかりの山代と、臆面もなく甘い言葉を囁き続ける奥村社長の恋。
だが、奥村の店のバーテン・笹谷がやけに山代に対して挑戦的で…? 笹谷の言葉に、山代はいちいち心をかき乱されしまう。(J)


じゃあな

 1巻を読んだ時に山代のことを「デートから帰ってきて自分のした事を思い出して『アタシのばかばか!』と枕を叩く人は多くても、デートに行く前からデートに行ったときのことを想像して、羞恥のあまり壁に頭を叩きつけて『行かない!』と結論を出す・究極のツンデレ」と評した覚えがあるが、二巻になってますます磨きのかかったツンっぷりである。
 特に今巻は、直接奥村の言葉を聞かずに、周囲や笹谷の言葉に振り回されてばかりなので、デレる暇もなく頭をガツンガツンとぶつけるばかり。もはやツンガツン。ツンデレのバッケンレコードであった。
 その反動なのか、後半に登場する新キャラ・一ノ瀬は素直で穏和。親切で粘り強いというまさに対局の癒し系。初めて山代に出会った一ノ瀬が「綺麗な男性だな」「僕と同じくらいの歳で(仕事も出来て)すごいな」と感心していたが、「違うわよー! その子は見かけだけよー!!」と飛び出していって説明したくなった。
 相変わらずキザでデレで前髪のウネった奥村社長もステキだし、もっと続刊プリーズな作品である。椅子の方はどうでもいいから。

★★★★☆


夢見る星座(草間さかえ)/リブロ出版・BBC


「うろたえるところなんて想像つかない」…新入社員の中でも、ずば抜けてクールで有能な久世だが、上司の柳沼から見れば結構かわいい存在だ。東北出身でたまに訛るし「上京したら新宿に行きたい」と言っていたのもなんだか微笑ましい。しかし「新宿」は「二丁目」って意味もあるんじゃないのかと指摘されて、柳沼は不思議なくらい動揺してしまう。(J)


じゃあな

 表題作がすっごい好きで、同じキャラで書き下ろしがあったのも嬉しいのだが、二作だけではモノ足りんのじゃー!! と続く作品に登場する人々に「チェーンジ! チェーンジ!」と大人げなく要請した。聞いて貰えなかったけど。
 草間さかえは何を描いても文句なく面白いから、何だって読んでしまうのだが、カップリングは意外と私と一致しない。お兄さん×少年みたいな組み合わせが多いからだろう。もっとリーマンとか、年下攻とか描いてくれないものだろうか。

★★★☆

蜻蛉と風守(逢坂みや)/心交社・ショコラコミックス


老舗茶荘の若旦那・祥吾は先代の正妻母子から命を狙われている。心配する社員によって、凄腕のボディガード・荻(おぎ)をつけられるのだが、おっとり、のほほんとしている割に奔放な若旦那は、自らの命の危険も顧みず放蕩三昧。荻は仏頂面のまま若旦那を警護し続ける。(J)


じゃあな

 やべえ。このコミックス、一冊まるまる痛さがなくって、もう「痛くなるんじゃないかな、危ないかな」と用心することすらせずに読み進んでしまった。戦場で油断するとは…これきっと逢坂みやの作戦だぜ。次に私が読む本に物凄いトラップ仕掛けてあるんだぜ。あやうくキバを抜かれた獣になるところだったぜ…。
 表題作の二人は結構好き。おまけ編まで合わせて楽しく読んだ。中東まで行く展開の唐突さは、何がどうなっているのか一瞬わからなかったが…。行くなら行くで、それを「思い切る瞬間」みたいなものが欲しいところだった。
 尖った才能を持つ若手映画監督と、そのパトロンを描いた「SCENE・ZERO」は、逢坂みやとロックという、一番出会ってはいけない二つが作中でぶつかってしまい、アイタタタ。痛くないけどなんだかイタイよコレ。なんかイマドキ、レッグウォーマーにサッシュベルトのダンサーとか見ちゃったときのイタさに近いなこれは。
 映画監督・翠のデビュー作は「零」という映画なのだが、第三弾の「零|||」まで行くと、ゼロなのか3なのかハッキリしろといい加減面白くなってしまった。

★★★


NobodyKnows(SHOOWA)/芳文社・花音コミックス


人工知能を持つ愛玩用の「人形」をメンテナンスする工場で働くモドル。人に口外することを禁じられている職種だけに「モドル」は職場での仮名だ。よって、一緒に組んで作業をしている「ススム」の本名もわからない。寡黙なススムと一緒にいる時間に、次第に安らぎを感じ始めるモドルなのだが…。(J)


じゃあな

 表題作のみ、乾いた感じの近未来シリアスもので。「あー、雰囲気ある作家が出てきたなあ」と思うと、続く作品群でメッタ撃ちにされる恐ろしいコミックス。そうだよな、雰囲気のある知的な作家が、作者プロフィールの自画像にウンコ描かないよな…。
 暴走するブラックコメディ(?)の裏筋太郎はともかく、親友同士のテルちゃんとヒロを描いた作品はどれも、BLの型にはちっとも収まってくれないけど、パワフルで元気で面白い。特に素直で開けっぴろげなヒロがいい。「バカヤロウ!! 男はボッキしたらハメてこい! 即ハメてこい!!」って、なんでこの子、自称がタチなだけで、作中では全面的に受なんだろう…。こんな性格なのに…。
 読者の望んでくれるものを描いてくれるかどうかは全くわからないが、漫画力は確かな作家。キャッチャーミットに向かって投げてさえくれれば、スパンスパンとストライクが決まるだろう。今のところ、コーチボックスとか、外野スタンドとか、わけのわからない方向に投げがちではあるけれど…。

★★★☆

あの日僕らは校庭で(梅太郎)/リブレ出版・BBC


「1−A 桜井可積はあなたに惚れてます」。下級生の桜井から告白されたものの、受け入れられない高嶋。彼の胸にはクラスメートの遠宗への秘めた思いがあった。一途な桜井を眩しく感じながら、高嶋は遠宗への思いを押し殺そうとする。何故なら高嶋は遠宗の本当の気持ちを知っているから…。(J)


じゃあな

 かなわぬ恋を潰すことも出来ず、遠宗がとった行動に対して「ああ、デコトラ作る人ってそういう心境?」という納得の仕方をしてしまったが、ちょっと違っただろうか。
 男子校ホモ連鎖ラブ作品集。結論として「校庭には沢山のホモがいました」みたいな話。わりと苦手な設定なのだが、男の子たちがそれなりに色っぽく、楽しく読んだ。全体としての完成度も高い。梅太郎さんはいつも手堅くまとめてくるなあ。
 遠宗のシャツが、彼の思い人にだけ「秘密」を隠しておくためのものだったのなら、何も桜井をボコボコにする必要はなかったんじゃね? という気はするが。

★★★


永遠の七月(大槻ミゥ)/幻冬舎コミックス・リンクスコレクション


大学時代、突然姿をくらましてしまった先輩の龍介と飲み会で再会した橘。九年前、突然いなくなってしまい、喪失感に苛まれ、恨みもした相手だというのに、当の龍介は何事もなかった様に涼しい顔。人を翻弄する性格も相変わらずで、婚約者との挙式を控えた橘に、一ヶ月間だけ「恋人ごっこ」をしようともちかける。(J)


じゃあな

 奔放でワガママな受が、遊びで恋をしているふりをしていて実は…という設定は嫌いではない。クライマックスに向かっての展開もせつなくて好きなパターンなのだが、龍介のギャルギャルしさに、何だかのめりこめないまま読了した。せっかくのロン毛受だったのに美味しくいただけないなんて…自分の繊細な味覚が惜しまれる。
 「これって、受の名前を一発置換したらホモじゃなくてレディコミでいけるんじゃね?」とすら思ったが、龍介は首から下は意外とがっしりしていて、脱ぐとむっちりしているので、もうどう脳内処理していいのかわからなくなった。

★★



この世異聞2(鈴木ツタ)/リブレ出版・BBC


半人半獣、異形の存在・セツに代々護られてきたという山根家。その最後の一人、昭雄は、不治の病をセツに救われ、以来いっしょに暮らしている。もはやセツのいない生活は考えられなくなってしまった昭雄だが、その気持ちをどうすればいいのかわからなくて…。セツと山根一族との因縁を描いた第二巻。(J)


じゃあな

 くそー、二巻は魔性の中年・館長の話だと信じていたのに、セツの過去話になるとはな…。代々、男の趣味が私と合わないセツ。森羅+万象=セツだと考えると、あれ? 森羅の生真面目な性格はどこへ行っちゃったの? という気はする。話の展開からいくと、万象が森羅に吸収された様な雰囲気だったが、結果が逆になっている…。
 ZERO収録のBL色薄い「異視見聞録」は短いなりに密度があった。何となく、実力と書きたい物と書いているものが一致しないような気がする鈴木ツタ。いい方向に向かって欲しい。つまらなくはなかったけどパンチのない一冊。こんなに派手な設定なのにな…。

★★★


おそらでガーデン(桑原祐子)/リブレ出版・BBC


天国で暮らすちっちゃい「神様」は、いつも孤独を感じていた。ある時、人間界で、今まさに死のうとしている男を見つけ、思わず天国に連れて帰ってしまう。俗世での名前を捨て「白」と呼ばれるようになったその青年は、お気楽で女好きで脳天気。ずっと一人でいた神様に「家族」を作ろうと言いだし、人間界から好みの美女を連れて来るのだが、後に「黒」と呼ばれる様になるその「美女」は実は男で…。(J)


じゃあな

 黒がロン毛ストイック美人の為、表題作は結構好きだったのだが…。アレだなあ。どんなに面白い未完の作品よりも、完結した作品を描いてこそ漫画家だなあと、久々に痛感した一冊。
 ファンロードコミックスとか、こういうの多かったなあ。設定だけ凝ってて、話が動き出したと思ったらフェイントでかわされて終わって、後書きで「〜の話にはまだまだ続きがあるので、機会があったら書きたいです!」みたいな。
 このコミックスに関して言えば、作者はどれもこれで終わった気になっているらしいので、潔いのか手に負えないくらい重症なのか、よくわからない。

★★


はちみつ光線大作戦(南野ましろ)/新書館・ディアプラスコミック


生徒たちに絶大な崇拝を受ける大人気の生徒会長・絢人は、後輩の生徒会役員・久我とヒミツの関係。献身的に絢人に尽くす久我なのに、実はカノジョがいるらしい? 
誰からも愛される絢人だけど、久我の本当の気持ちはわからなくて…。(J)


じゃあな

 ロン毛で美人さんのあややのビジュアルと、忠犬腹黒攻の久我はとってもタイプなので楽しく読んだけど、内容はさっぱりわからなかった。いや、わかったけど…人間はそんなに馬鹿なのかどうかを、認めたくなかっただけだろうか…。
 「どんなに愛されても、恋していると不安なの」。理屈ではわかるが、あやや! ここまで変質的に愛されているのに、これで不安になられても! もうこれ以上どうしろと?!
 相変わらず、ましろ作品のヒロインは頭にテンピュールの詰まった奴らばかりだぜ、と思ったけれど、あややの弟さんが誰だか知った瞬間「お兄さん、まともじゃん!」と感動してしまった。なんかもうここだけの常識観によって力ワザで納得。
 エッチシーンも多いし、繰り返しになるがカップル総合のビジュアル得点としてはましろ作品一、二のランキングで好きかも。
  次は仙住の話かな。ホモ男子校作品にはよく出てくるタイプのキャラなのに、この学園では何だか新鮮に感じる人だ。

★★★


シグナル(日高ショーコ)/芳文社・花音コミックス


メニューの「一番下のカクテル」を頼むことは、その店のオーナー・芦原と一夜を共にすることの隠語。
会社の先輩の友人でもある芦原と、秘密の関係を続ける村上だが、やがて「大勢の客の中の一人」である事に耐えられなくなってきて…。(J)


じゃあな

 掲示板でオススメしている方がいたので読んでみた。「一番下のカクテル」の設定は、基本的に「それで乗ってくる村上もどうなの…?」と思わないでもないが、そこはドンマイでいこう。
 年上で余裕があって経験豊富そうで誘い受の芦原は非常にタイプだった。もっとも、余裕がありすぎて第一話以降は村上どころか読者まで「そんな殺生なー!!」みたいな目に遭わされる。少しは芦原側も煮え煮えしてくれないだろうか…久しぶりに手強い、難攻不落の女王様受である。そう思って見ると、ベッドシーンですら芦原は結構平然とした表情をしていて、この人、もう枯れてんじゃないかしら、とすら不安になる。
 シリーズ化して、二巻ではもう少し芦原がアタフタする様な状況になる事を夢見る。ツンデレとかクーデレと言うより、クール&平常心。余裕ありすぎだろ芦原さん。

★★★


四号警備−シングル・マインド−(葛井美鳥)/海王社・GUSH COMICS


身辺警護のスペシャリストが集うS&Dセキュリティ四号警備(ボディガード)部門。室長の滝は極道にまで一目置かれる「デキる」男だが、その彼をスカウトしようと、極道見習いの少年・勇希が執拗に迫る。
滝が組に来るまで、絶対に諦めないと言い張る勇希を滝は、からかい半分に自身のボディガードとして側に置くことに。(J)


じゃあな

 来た来た、葛井美鳥のターニングポイント。バランス感覚のいい作家なので、いつか絶対面白いもの描くと思っていたら、ようやくキャストオフ。やり手の美青年×捨てられた犬系少年と、カップリングの設定は好みではないのだが、楽しく読んだ。滝や、S&Dスタッフらのビジュアルが年齢層高めで非常にオイシイ。
 「人の嫌がることが大好き」というドSの滝。いつもからかってばかりの勇希が、組長の榊のことを盲信しているのは面白くない様子。「あれの頭の中は愛しの榊組長のことでいっぱいだろうからな」と皮肉るのも、普通ならジェラシーでちょっと切ないシーンなのに、滝室長なんだか楽しそう。ドSでドMという、総合変態ぶりを見せてくれた。
 フジの「SP」より早く出版出来たのは良かったねえというところだが、二巻以降は初出順序なんてわからなるから、「ああ、『SP』萌えの人ね。同人もやってるんじゃない」とか思われそうでちょっとお気の毒かも。

★★★★


鋼鉄の大天使(水上シン)/芳文社・花音コミックス


たった一人の肉親である兄が戦死してしまった…。ハンス少年の許に、兄の訃報を持ってきたロスナー大佐は、天涯孤独のハンスの後見人になる事を申し出る。
親切な申し出は有り難いが、大佐ときたら傲慢で奔放。敬虔で慎ましい神の信徒であった兄とは正反対の彼に、ハンスは反発しながらも惹かれていく。(J)


じゃあな

 さすが水上シン。どんな始まり方をしても最後は「ズコーッ」という懐かしの擬音とともに(読者が)ズッコケて終わる作品ばかりだ。いや、私はどれも好きでしたけどね。
 水上シンの受傾向は「少年かロン毛美人」なのだが、今回は残念ながら前者ばかり。
 一番タイプだったのは、最前線でも俺様ぶりを発揮する大佐に、飴を与え餌で釣って、何とか人並みのことをさせようと努力する健気なミュラーさんだった。あの人どうして休暇の間もついて来てたんだろう。多分放っておけなかったんだろうな。

★★★




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