ふしぎの国の王子様(大槻はぢめ)/リーフ出版・リーフノベルズ


私の名前はジークフリード。コージの世界にやって来てコージとともに暮らしている。学生としての本分である学業と、コージの恋人を両立させながらクリスマスと年末の忙しさの中でもコージと愛し合う事はおろそかにしない。そんな時またあの光が私達の目の前に…。(O)


俺様

ああ、本当に「不思議」な国の話だもんな…。本のあらすじの「大変だ!大変だ!大変だー!」で全てが理解できました…。ああ、そうだね、大変だね。自分の引越しの荷物を作るために読んでない本を読んでしまおうと本棚を見たら、発売当初に買ったものの最初のページで疲れ果てて読むのをやめてしまったコレがあった。どーれ、久しぶりに鼻火王国を読むか〜あっという間に読み終わってしまいました…。
悪い魔法使いサガが封印された後はエスターを狙う奴はサガの身内ぐらいか〜と思ってはいましたが、本当にその通りになるとは、そしてバカ魔法使いの弟子はやはりバカでした。いや、まあ登場人物みんなパカだけどさ。しかし、コージのせいで歪んだ空間を完璧にふさげないので、あっちとこっちを行ったり来たりできるわけだが、その歪みをふさぐことは出来ないような事言ってたわりには最後にナギはちょちょいと閉鎖してましった。一時的にでもそうやってちゃんと閉鎖できるなら元から閉じとけよっ!と思ってしまうのは仕方ないのだが、一時的って事はまた誰か破るって事?またいつか続くって事?………とりあえずまんだらけに送る箱に入れとかないとな。



真空融接(びっけ)/ビブロス・BBC


ラエルとアレクシは供給者と補給者で子供の頃にパートナーとして定められる。エネルギーの受け渡しは唇だが、それは同性同士でもかわらない。エネルギーを受け渡すだけの関係のはずな二人だが、アレクシはラエルに依存していた。(O)


俺様

私は時々読了後いてもたってもいられない作品に出会った時、じゃあなちゃんに「いいのあったよ〜!」と時間も気にせずメールしてしまう迷惑な人です。この作品もそうしてしまいました。あらすじを読んでインディーズって、カリスマって…と書いてある言葉に恥ずかしさを覚えたのだが、ありがとうビブロス〜!同人畑からこの人を刈ってきてくれて〜!!読むうちにフガフガと興奮してしまった。俺様そろそろ初老にさしかかるイイ年した大人なのにベッドの上でジタバタしていました。(初老についてはトリビアの泉参照の事)
供給者と補給者のバランスが素晴らしい。それぞれがパートナーに依存しているサマも、キス以外何も進んでいない所もそそられる。もっと読みたい、もっと続きを!早く出せビブロス!っていうか、作者は馬車馬のように描き続けろ!あ、でも欲を言えば女の子同士のパートナーの話も読みたいかな〜。(趣味丸出し)そしてフロランが誰との間にアレクシを作ったのかも気になるのだった。その時ジルは何してたの…。
ところで作者の名前を見てからずっと、小さな海賊ビッケの主題歌が頭の中で回っている。ハルバル父さん怖いけどの後は何だったかの〜?確か海賊仲間の名前が出てくるはずなんじゃが…。

じゃあな
 裏表紙の作者紹介にあった「インディーズで高評価」ってのは私の国の言葉に直すと「同人で大手」っていう事だろうか。何にせよ、表紙と、あらすじを見る限りだと、たまたまこのアレクシとラエルが特殊な関係の様に受け取れるが、実際には彼らの国ではみんなパートナーと力の授受をしなければ、与える方も与えられる方も生きられない…という関係らしい。アレクシとラエル以外の組み合わせも登場するので、寄宿舎シリーズというよりはオムニバスSF作品集であった。
 隣国からの留学生・ハネスはそんな彼らの実態にいちいち驚いたり、結婚という制度がこの国にはない事を知らなかったりするのだが、なんという文化交流のない、国交の断絶した世界であることか。スターウォーズの様に、まったく違う種族ではなく、アレクシとハネスは見た目はどこも変わらない人間の少年なのだから、何故彼らの国の人間だけそんな枷があるのか…そして、ラエルの国と、ハネスの国の男女がそれぞれ結婚して子供を産んだら、産まれた子供はどうなるのか…などなど、なまじ世界観が大人しい分、斬新な設定が浮き上がって見えて、何かと細かいところが気になるのだった。スターウォーズの場合はアレだよね、人間型と非人間型の種族はそれぞれ、出身惑星が違ったりするから、環境の差からそのくらいの変化がついても仕方ないかなって納得出来るんだけど、「隣国」っていうのが近すぎるから不思議に感じるのよね、と。国境越えたら全然違う生物としての特性を持ってました、っていうのが…。ああでも、ラエル達の国はガラパゴス諸島みたいなもんなのかも知れないな…。
 俺様の熱い感想に対して、私が重箱の隅をつついているのは、彼女にはショタ特性があって、私にはないからでしょうか。設定とストーリーは面白かったし、キャラもかわいいけど、ラエル達が膝丈のズボンを履いている時点で、心の中の萌え大臣は休職中です。むしろティナや、アレクシのキノコ友達の女の子の方にときめきました。
 最後にジルとフロランが出て来た時に萌え大臣が慌てて国会に萌え議員を召集しましたが、ヒゲジルとフロランのキスシーンがなかった為、余り有益な話し合いは成されませんでした。

真空融接(びっけ)/リブロ出版 下巻


供給者と補給者、異なる能力を持つ者同士で唇から力の受け渡しをしなければ生きていけない体を持つ人々の物語。アレクシは特に癇が強く、パートナーのラエルがいなければ昼も夜も明けない。なのにラエルが隣国への留学生に選ばれて…?(J)


じゃあな

 ホモは味付け次第。そんな事を考えさせられたシリーズだった。私はこういう「みんなホモ」「家族公認」みたいなのは恥ずかしくて仕方ないタチなのだが、このシリーズは天下無敵の「政府公認ホモ」でありながら、美味しくいただいてしまった。
 アレクシ誕生秘話は冷静に考えるとひどい話なのだが、イルゼの「ジルとフロランの関係の中で暮らす自信がない」という台詞の重みに「どうしようもない事だったんだ」という諦めと後味の悪さが残る。だからこそ現在のアレクシの幸福が眩しく、ラエルの存在が人々の心に暖かい。
 もっとパパカップルの話が読みたかったのだが、ジルの心中にはもう怖くて踏み込みたくない。ジル…よくぞ爆発せずに今日まで…。
 しかし、同性がパートナーになった場合、子供を持つことはハナから諦める(四歳の時点でか!)ほど「パートナー絶対」のお国柄。それぞれのパートナーは検査の上で決められるそうだが、もし私がこの国に生まれたら、絶対役人になるね。上り詰めるね。そして私のタイプの清潔そうなロン毛の子に、野性的なベタ髪を組み合わせるね。ちょっとくらい相性が悪くても知ったことじゃない。なーに慣れれば味なんて気にならないさ! そうして国中をロン毛受の楽園にするのさ…!! 
 問題は四歳児の時点では、その子が将来もずっと髪を伸ばしてくれるかどうかが読めないところだがな…。マインドコントロールについてもあわせて研究しよう。凄い恐怖国家になってきた。



思い知れ。(佐倉ハイジ)/角川書店・アスカコミックスCL−DX


山の中にある農業高校で寮生活をしている小川は、同室の先輩・本郷とヒミツの関係。けれど、本郷の卒業、上京によって約束もないまま離れることになり、小川は一人気持ちを持て余す。(J)


じゃあな

 なんかタイトルで期待しすぎちゃったせいか、本編ののんびりだらりとした空気に「…ふーん」という感じで読了。いや私、攻が思い知る話好きなんだよな…こう、わざと身を引いた受を恨んでいたら実は俺の為だったのかガビーン! なんて浅はかだった俺! でももう遅いよ本当に愛していたのは君だったのに受〜! みたいな。そういう話を勝手に期待していたらしく、感情の座標軸がうまく戻せなかった為に、笑いどころなのか切ながるところなのか、全編通してよくわかんなかった。何の先入観も持たずに読めばもう少し面白いと思う。でも、やっぱりのんびりだらだらした話だと思う。
 しかし、作者のあとがきばかりか、裏表紙でまで「リアルでルーズなハイジ流マイペース」と、何がなんでもトロくさい事を売りにしているので、読む方もそれを覚悟して、眠たい時に読むくらいの気持ちでかかるべきなのかも知れない。

★☆


恋する暴君(高永ひなこ)/海王社・GUSHCOMICS


森永は大学の先輩である宗一にずっと片思いしている。告白をしてキスまではさせてもらったものの、宗一は溺愛している弟を男に奪われた事もありホモを憎んでいる。キスの先に進みたい森永にチャンスが転がり込んできた。(O)


俺様

再び会える日を待っていたよ宗一兄ちゃん!巴と黒川の話はどうでも良かったので、4巻は無視していたチャレンジャーズ。そこに出てきた宗一兄ちゃんが最初の頃に比べてゴツさがなくなってきていたので、あらあらいい感じじゃない?どうなの森永!と思っていたのだが、まさか宗一兄ちゃんで連載がはじまってたとはね〜。ホモを憎んですらいる宗一兄ちゃんが男の前でパンツ脱いで足開く日がやってきただなんて、お母さん嬉しいわ!お赤飯炊かなくちゃ!(嬉泣)
色気のかけらもなかった宗一兄ちゃんにも色気っぽいものも出てきて、ホモマンガの受っぽくなってきたのが嘘のようだと思っていたら、どんな状況でも宗一兄ちゃんは宗一兄ちゃんなんですね…。森永はずっと耐えてきていた所に、ちょっと美味しいエサをもらってしまったら、もっと美味しいエサが欲しくなるのは「犬」の本能として正しいと思います。しかも宗一兄ちゃん自分が悪いんだし…。
最終的に脅迫にならない脅迫に押し切られてしまった宗一兄ちゃんですが、最後の捨て台詞に感動すら覚えました。宗一兄ちゃん、あなたはいつまでもそののままの暴君というよりも女王様でいてください。

★★★★


恋する暴君(高永ひなこ)/海王社・GUSHCOMICS 2巻


長期間の片思いの末、何とか宗一と体の関係を持った森永。ところがその後二ヶ月の間全くそういう気配がないまま日々は過ぎていく。お預け状態に煮詰まった森永が取った行動とは?!(O)


俺様

あ〜、久しぶりに感想書くな〜。読んではいてもなかなか感想を書く時間が取れないのは私の時間の使い方が下手なせいなのだが、誰かウマイ時間の使い方を教えてくれと思わずにはいられない。いや、その前に逃避でやってるトルネコやんなきゃいいだけどね…。
さて、どんなに頑張っても心を通じる事は無理な宗一兄ちゃん相手に何とか体を繋げる所まではこぎつけた森永。次は心を繋げるよ〜とばかりに頑張るものの、研究者独自の頑なさでホモ否定&自分が男とエッチしてしまった事すら無かった事にしようとする宗一兄ちゃんに、「あれは夢?幻?」とドーパミンの分泌がおかしくなってきている森永。あれだけ毎日のように一緒にいるのにどうして宗一兄ちゃんは暴君にありがちな打たれ弱い人間だという事に気付かないのだろうか…。いつでも自分がキレた時にあっさり陥落している事に気付こうよ森永。
森永兄登場に「ほう、ほほう。弟兄もいいものね」と一瞬鼻息が荒くなってしまったのだが、なんだよ作者の中では兄は攻かよ。しかも兄を好きだったけど弟と付き合ってた兄の同級生・真崎くんはどんなステキなナイスガイ?と思ったらキラキラした感じの普通の受だし。なんか台無しよね。
それはともかく、とにかく自分一番、自分真っ直ぐな宗一兄ちゃんにかかれば他所様の兄弟喧嘩だって見過ごすわけには行きません。断腸の思いで弟がホモになった事を認めた宗一兄ちゃんです、自分に出来た事が他所の兄に出来ないわきゃないって…だからって他人の兄をグーで殴るのはどうなの…。そりゃ森永兄も弟がホモなのは仕方ないけど、アレが相手だと辛いわよね。まだ真崎の方がマシかもって思ってるわよね…。
恋愛という感情を忘れ去っていた宗一兄ちゃんだから、自分が嫉妬している事はもちろん、森永の事を好きだと思っている事にすら気付いてないけど、そこがあなたのチャームポイントなので、それはそれで何時までも変わらない君でいて欲しい。
まだ続いているようなので、今後は森永ぐらいしかイイって言わないはずの宗一兄ちゃんを狙ってくる元同級生のリーマンとか院の先輩ちょっとがっちり系とか、普通のボーイズらしい展開も期待しつつ、今巻も宗一兄ちゃんは宗一兄ちゃんらしくて安心しました。
さっ、全プレも応募するわよ〜!!。

★★★★


恋する暴君(高永ひなこ)/海王社・GUSHCOMICS 3巻


一週間に一回の約束をうやむやにされ、夢精してしまうほど宗一におあずけをくらっている森永は、酔った宗一を送り届ける途中で強引に襲い掛かってしまう。それを偶然磯貝に見られていて、その事をネタに宗一は磯貝からとても恥ずかしい事を強要される。(O)


俺様

よっ!久しぶり!ものすごく久しぶりに感想を書きますな。なぜならばメガネ受スキーな私には不遇なメガネ攻時代が長く続いたから。
それはともかく、暴君3巻です。宗一兄ちゃんはあいかわらず自分の発言で首を絞めまくっています。その結果往来で強姦未遂…。なぜ何度も同じ事を繰り返してはどんどん自分の立場を追い込んでいくのか…。
磯貝がノーマルで良かった…というよりも、突然往来であんなモン見せられて可哀相になってきた。これがピアスとか麗人だったら絶対宗一兄ちゃんは磯貝に脅迫され、やられまくっていただろうと思うと、掲載される雑誌ってもの凄く大事だなって思いました。脅迫のネタはまだまだ引っ張れるうえに、磯貝の楽しそうな笑顔に果てしない夢を見てしまいそうになりました。磯貝ってそんなに重要なキャラだったっけ…。
森永はキレて強引になるといい攻なのですが、それ以外がダメダメくん(夢精する成人男子ってどうよ…)なのと、宗一兄ちゃんの事をよくわかっているからこその信頼の無さってのが私もチョップくれてやりたくなるぐらい面倒臭いです。でも宗一兄ちゃんを任せられるような大人で物好きな男子はそうはいないだろうし…。
ああ、くそぅ、宗一兄ちゃんが幸せになれるのはたぶん森永だけなんだろうが、くれてやりたくねぇ〜!!と、思っていたら番外編での宗一兄ちゃんの可愛さに「宗一くんそこに座りなさい!お母さんあなたをそんな風に育てた覚えないわよ!」と焦りまくった。可愛ければ可愛いいで不安になるキャラって凄いね…。

★★★★


前世と現世と君と俺(水上シン)/ビブロス・BBC


高校生の隆志は、雨宿りで立ち寄ったのは喫茶店のマスターに一目惚れしてしまう。初めて出会うのにどこか懐かしく感じる彼に、突然現れた占い師が「前世から縁があるのかも」と不思議な水晶玉で占いを始めると、隆志は見知らぬ世界へ…。(J)


じゃあな

 水上シンの前世物だから、と江戸時代あたりを想像していたら、いきなり古代エジプトなのでびっくりした。永遠にホモで三角関係をくりかえしてきたのかと思ったら、男女だった人生もあったらしい。しかし、時々は報われているらしいタカシはいいが、ずっとこの二人に振り回されっぱなしの様なミツハは気の毒だ。何度生まれ変わっても…。ミツハ、哀れ。
 マスターが学生時代に遭った差別に比べて、タカシは同じ逆境を難なくスルー。それだけマスターが説得力のある美人だったという事か(オーナーには説得力がなかったというべきか)、それとも日本がどんどんおかしくなってきているのか、どっちだろう。
 併録の「玉鏡の君」は、私の好きなロン毛マドンナ受。素敵な「神秘的な若奥様」(どんなんじゃ)で良かった。キツネたちが、お金は作れるけどしばらくすると木の葉に戻ってしまう…という理由から、身を粉にして働いているのを見て「速攻ATMで両替してしまえば…」と思った私は汚れているだろうか。

★★★


今宵、天使と杯を(英田サキ)/成美堂出版・クリスタル文庫


平凡なサラリーマンの柚木が、飲みすぎた後に目覚めるとそこはラブホテルの一室で、隣には入れ墨を背負ったヤクザの男が眠っていた…。慌てて逃げ出したものの、四方と名乗るその男は柚木と「二週間、恋人でいる約束をした」と言ってつきまとってくる。とんだ災難を背負った柚木だったが、次々と悲惨な出来事がふりかかってきて…。(J)


じゃあな

 四方はそれなりに可愛いのだが、柚木の良さがもっと早くから出ていればもっと面白かったのにと惜しい感じがした。リバな経験もあるらしいし、私は四方受の方がタイプかも…。何しろ柚木にはまともな男としての魅力が一切ない。自分勝手で不誠実で、思いやりも情熱もない。おまけにアル中でEDである。サイアクだ。
 しかも物語は彼の視点から語られているので、柚木のいいところがなかなか見えにくい。柚木自身が自分をまったく評価していないので、冴えない流され型の男がいつまでもうろうろしているばかり。いっそ、冴えない柚木が酒を呑むと男気溢れるアニキになる、最後には酒がなくても自分で克服して勇気を出せる…という典型的なパターンにしてくれたら、もっととっつきやすかったかも。四方がいい分、柚木が何とも惜しかった。
 それにしても四方の「二週間だけつきあってくれ」の理由が明らかになるのはようやく最終話。二話までで未完になる筈だった、というあとがきを読んで、雑誌掲載時の読者は「だから二週間ってナニ!」とイライラさせられたに違いない(まあ何となくわかるけど)。

★★☆


ラブトレ(かいやたつみ)/東京漫画社・マーブルコミックス


母親の再婚を機に、義理の兄弟になる双子が通う学校に編入することになった晃司。持ち前の明るさと熱血で、両親の再婚に乗り気ではない義兄たちを説得しようと張り切る晃司だが、双子のかたわれ・仁はいきなりキスしてくる様なふざけたヤツで…。(J)


じゃあな

 すみません。ぶっちゃけ吉野ルカと間違えました。じゃあかいやたつみって誰だっけと思ったら、みんなが割と誉めてるのに私だけが気に入らないとブツブツ言っていた人だった。当時の印象は全く覚えていないが、感想を読む限りでは非漫画的なものを感じていたらしいけど、今はそういう前衛的なところは何にもない。ただ、フツーに平凡なホモ漫画だった。
 ホモばっかり男子校、しかも全寮制、連鎖的にカップルの話が動いていく…というよく見かけるタイプのシリーズ。すっごくつまらないわけでもなく、読んでいる間はそれなりに楽しい。三話目あたりは「校内売春。ありえねー」なんて思いながらも結構ジンときたかも。読み終わると印象に残らないんだけどな…。
 仁と良はそっくりな双子なのに、一度も「なんであんなヤツと仲良くしてたんだよっ」「それは仁で俺は良だ」みたいな展開がなかったのは、あまりにもありがちなので禁じ手にしていたのか、単に良の出番が少ない為にその機会すらなかったのか、どっちなんだろう。

★☆


月暈(佐々木久美子)/幻冬舎・幻冬舎コミックス


武士を捨て、町医者の助手として働く吾妻のもとに運び込まれたのは刀傷を負った隻腕の男。曰く因縁の深いかつての幼友達・黒重との五年ぶりの再会に動揺する吾妻。共通の友人である定廻り同心の辰巳は、黒重が盗賊の仲間だったという情報を掴むのだが…絵に書いたような義侠人だった黒重に、五年前何があったのか?(J)


じゃあな

 作品としては凄くタイプで面白かったのだが、事実だけを単純に追ってみると黒重の人生が気の毒でならない。五年前の真実が明らかになった中盤以降は「それでそこまでされちゃたまらんわな…」「そりゃ傷ついた目もするわ…」としみじみ黒重に同情してしまった。懐の大きな男相手で、吾妻も幸せだったことだ。
 竹馬の友のはずの辰巳と吾妻と黒重。辰巳だけ十歳以上上に見えるのは気の毒な限り。そんな彼のその後を描いた書き下ろしは微笑ましかったが、ボーイズラブラブな幼なじみ二人との距離は拡がるばかりなのだった。
 タイトルは「つきがさ」と読むらしいが、「暈」の字が「眩暈」でしか見たことがなかったのでつい「つきまい」と読みたくなる。ちなみに調べましたところ「月暈」とは月の周囲に見える光の輪のこと…だそうです。2へぇー。
 吾妻の長襦袢があったりなかったりするのが不思議だったが、中ゾリを描くのが巧いので、中村春菊、直野儚羅らに続いてどんどん時代物を描いて欲しいと思う。

★★★☆


今日こそプレイボール!(つづき春)/幻冬舎・幻冬舎コミックス


野球少年だった克利の最大のトラウマは、憧れの甲子園でサヨナラエラーをしでかした事。おかげで期待のエースだった幼なじみの健人は初戦敗退の憂き目に遭う。今は同じ商店街の草野球チームで野球をする二人だが、克利は健人への淡い思いと甲子園での苦い記憶でいっぱいいっぱい。そんな中、健人に迫るニヤけた教師が現れて…。(J)


じゃあな

 表紙は素朴だが(中身も充分素朴だが)読むと健人が美形に見えてくるから不思議だ。途中から登場する、蕎麦屋の若旦那・厳さんも色っぽく見える。イマドキでない画面と作風ながらも、確かな魅力がある。ボーイズラブ界の桑田乃梨子である。
 特に本作は、恋とも自覚できず、手も握れないような克利の視点で描かれるので、ひたむきで一途ながらも引っ込み思案でウロウロ…みたいな、彼の性格そのまんまの可愛いラブストーリーに仕上がっている。作者お得意の「本業ゲイ」泉先生もちゃらちゃらと健気に頑張っていた。ほのぼのハートフルな克健カップルと、含みがあって素直になれない泉先生と厳さんの対比が見もの。受二人の「野球オレサマ」ぶりが痛快。こんな人達相手じゃ、攻二人は到底敵わないわ…。
 物語終盤の対戦相手、草野球チームの「ブラックピッグス」の皆さんは、確かにみんなでっちりしていた。たまたまなのかも知れないが細かい仕事ぶりに感心した。

★★★☆


ぎゅってなるのぎゅって(大出なつみ)/オークラ出版・アクアコミックス


会社員の丸山はストレスによる偏頭痛持ち。男同士だけどつきあっている相手もいるし、会社の秋川係長は無口で無表情だけど別段いじめられているわけでもないし、ストレスといってもある様なない様な…。気分転換の為に引っ越しすことにしたが、新しいマンションの隣のボロ家から現れたのは愛想の良いドテラ姿の、まるで別人な秋川係長だった。(J)


じゃあな

 あらすじに書いた「優しい領分」は面白かったが、表題作はキツかった。これが丸々一冊続くなら放り投げるところだ。最後の同人誌初出作品もかなりツラかった。何というか心のやわらかい、恋愛いつでもアイエヌジー! みたいな。机にシャーペンであゆの歌を彫ってたら涙が出てきちゃった☆ みたいな(ちなみに私の時代は圧倒的にプリプリの「M」でした。呪いの様にあちこちに刻まれていたものです)そういう読者ならハートわしづかみなのかも知れない。おばちゃんにはかなりたまらんものがあった。
 それなりにストーリーのある商業誌初出作の方はまあまあ。特に「優しい領分」は秋川係長の大奥様みたいな喋り方が好きだった。でも「本当のセックスを教えてあげよう」って、係長、高彦が凄いテクニシャンだったらどうするつもりだったんですか! と、あまりの自信満々ぶりにこっちが焦った。

★★★


恋はGOGO!(山本小鉄子)/海王社・GUSH COMICS


大学生の塁は年下の幼なじみ・拓也の初めての学ラン姿にときめいて以来、ずっと片想い中。受験生の拓也の家庭教師を引きうけたのはいいけど、毎日会えて着替えも見ちゃって、意識する気持ちが止まらなくなって…。(J)


じゃあな

 収録作の殆どが、真性ゲイのカワイコちゃん受(でも未経験)が、無愛想なノーマルの攻に片想いして…みたいな設定だった。このパターンの好きな人はメモをしておくとよろしいぞ。
 「ブラザース」と言い、あーこの人の受は苦手だーと思いながら読んでいたのだが、芸能人になった憧れの先輩を追いかけて、押しかけ付き人にまでなってしまう「1クール」だけは割と好きだったかな。つくづくお手伝いさん受に弱い私…。
 見た目も可愛いし、読みやすいし、一体私はなんで作者の受が苦手なんだろうかと不思議だったのだが、本作品集に関して言えば「頑張って頑張って恋してます!」というオビが示す通り、恋しかしてないからいかんのだなという結論に達した。
  「あの人好き好き好きー、でもダメだよね僕なんか、人知れず赤面涙、そこにプリンス登場」って、イマドキ少女漫画でもあり得ないって言うかむしろ、少女漫画だったら読むに耐えないというか。読んだことはないが、最近よくあるティーン向けアンソロジー(「初体験特集!」とか「夏の思い出ラブ」とかそういう見出しのついてるヤツ)にはこういう話がいっぱい載ってるんではないかと想像した。

★★★
俺様
受はみんな可愛い。が、それゆえにイライラする。男ならドーンと告白して振られるときは振られる、両想いの時はさっさとやっちまう!!ホンモノはともかく、ボーイズの中じゃ常識でしょっ!!となぜに私はマンガに説教しているのかね…。
表題作だけではないが、隣家の幼なじみに恋してる場合、その彼をおかずにしているところを本人に見られてしまうというのは、ボーイズ界でお約束なのだろうか?
青年誌はともかく少女マンガではあまり見られないシーンだよなと思うのだった。そして女子以上に激しい妄想に浸るのもな。今回はブラザーズの礼ちゃんのように味のあるキャラがいなくてお話にインパクトをつける事もなく終わってしまった。
★☆


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