怪盗クイーンの優雅な休暇(はやみねかおる)/講談社 青い鳥文庫

巨大飛行船「トルバトゥール」を駆る神出鬼没の怪盗クイーン。長い銀髪をなびかせる美貌の青年だが、その経歴は一切不明。変装の名人ゆえに素顔を知る者もほんの一握り。パートナーの東洋人・ジョーカーとともに、休暇と称して豪華客船の処女航海の招待に応じたクイーンだが、そこには彼に恨みを持つ者が勢揃いで…。(J)

じゃあな

 「名探偵コナン」でも、キッドのやらかす事が全て実際には不可能な様に、本作も同作者の探偵夢水清志郎シリーズに比べると実現不可能荒唐無稽な出来事が頻発するが、そもそもが児童向けのレーベルなのだから細かい事は考えず、奇抜なキャラと派手なアクションを楽しむのが正解。
 ロン銀髪美形のクイーンは、国籍不明・年齢不詳・性別おそらく男、という謎の存在。パートナーのジョーカーはどこの誰とも知れぬ孤児をクイーンが拾って育てたらしい。名前を与えたのもクイーンなら、変装も格闘術もクイーン仕込み。夢水清志郎シリーズにゲスト登場した頃から、なんてタイプなの! ステキ! スバラシイ! と舌なめずりしていた二人だが、本作ではジョーカーくんが反抗期。クイーンがいくら「友達」と言っても「仕事上のパートナー」と言い直すつれなさ。でも頭の腐ったじゃあなさんは「きっと『友達』じゃ飽き足らないのね、ジョーカーったら」「最後はこの冷たさに対するクイーンへのフォローが入るのね」と思ってたけどそんな事はなく。おかしいな、私の国の法律では、この設定だったらもうとっくにデキていないといけないのに…。
 次々と襲いかかる殺し屋をバッタバッタと倒していくクイーンがカッコ良ければいいほど、「強いご主人様受! ステキ!」と思いは暴走するのだが、肝心のジョーカーはどこまでもつれない。大体、命を狙われているクイーンを助けにも来ない。でもそれがまた良かったりして…焦らされれば焦らされるほど萌えあがる腐女子ゴコロってフシギ…。
 ご主人様受で養父受なのに片思いのクイーン。ごめんね、ジョーカーはまだ素直になれないの。自分の本当の気持ちに気づいていないだけなのよ、と勝手に言いくるめておく。そもそもクイーンは受なのか。いや受だよ。よく女装するし(それだけか)。

★★★


オリエント急行とパンドラの匣〜名探偵夢水清志郎&怪盗クイーンの華麗なる大冒険〜(はやみねかおる)/講談社 青い鳥文庫

怪盗クィーンが家出した! 手作りのおでんをジョーカーに食べて貰えなかった事に腹を立てたクィーンは「ジョーカーのばか!」と置き手紙を残して失踪してしまった。行く先はおそらくオリエント急行、獲物は秘宝「パンドラの箱」と目星はついているが、バカバカしくて探す気になれないジョーカー。しかし「パンドラの箱」に隠された恐ろしい秘密を知り「赤ん坊に核爆弾のスイッチを持たせているわけにはいかない」とオリエント急行に乗り込むことに。そこには名探偵、探偵卿、海賊、大富豪…とオールスターキャストが待ちかまえていて…。(J)

じゃあな

 クィーンと教授の夢の共演。あの教授がクィーンにプレゼントを贈ったりしていて、意外に親交が続いていたのに驚いた。
 企画を聞いたときから楽しみにしていたのは実は、美形キャラに間違いないのに日頃誰も賞賛してくれないクィーンが岩崎三姉妹に「なんて綺麗な人」と大騒ぎされる事だったのだが(一人フリーな美衣ちゃんが惚れてくれても良い!)…亜衣ちゃんたち日本から出ないなんて殺生な〜。
 さて、あらすじからして「暴走する足りないちゃん受」ぶりを発揮しているクィーン。教授にあっさり変装を見抜かれたり、ジョーカーとRDに見捨てられかけたりと、前半はボケっぱなしで気の毒な限り。
 でも元海賊・ビルとの、因縁たっぷりな大人トークはカッコイイ。何十年もまったく外見が変わらないのを「悪魔と契約してね」とうそぶいたり、ジョーカーのことを「我が子のように大切」なんて惚気るのもステキ。
そしてジョーカーを、彼の「後輩」である暗殺者養成組織(?)出身の少年・ヤウズとの戦いに送り出す時の、余裕たっぷりの年上養父ぶりがまたたまりません。
 「僕はあなたが思ってるより強いですよ」なんて威張ってみせても、ジョーカーはクィーンの「足りないちゃんモード」の時しか見てない(見ない)んだからまだまだコドモである。いつかクィーンの「本気美形モード」の時のフェロモンをくらってやられてしまうがいい。いや、やられるな。やられる前にやれ。
 このシリーズ、青い鳥文庫の企画本「面白い話が読みたい・白虎編」にも掲載されているのでお見逃しなく。そちらはクィーンとジョーカーの出会い編。白メーテルコートのクィーンが美人だ…!
 しかしなんか、夢の共演と言っても、教授はひたすら食べてばかりだったね。ラスト一行は含みがあってゾクゾクしたけど。。

★★★


スノウ・グッピー(五條 瑛)/光文社文庫

グッピーが海に落ちた!それは自衛隊や関連企業だけではなく、様々の国の思惑をも複雑に絡めて行く。三津谷は宇佐見二佐と共にグッピーの秘密を盗んだ男の足取りを追う。(Ai)

愛恵

スパイ小説は苦手なので読まずに放置していた本。暇な時にうっかり読んだら、ももも萌え!!あまりのホモ深さに悶えました。勿論話も面白かったです。オチは多分すぐ読めちゃうと思うけど、これは過程を楽しむものです。とゆーか、三津谷のモテモテっぷりを楽しめ!最初はミスリードなのか、宇佐見が受かと思うんだけど(年上だし穏やかに微笑んだり)途中、三津谷の泣きボクロ辺りから、違うことに気付きます。三津谷は怪しげな男から「ハニー」と呼ばれたりホッペにちゅうされちゃうほどのカワイコちゃんです。周りも三津屋に対して甘すぎ!特別視しすぎ!読んでてひーひー転がりました。巻末の文庫版書下ろしではナチュラルに宇佐見とお泊りしたりして、本当に怖いです。天然の魔性です。

★★★☆


しゃばけ(畠中恵)/新潮社・新潮文庫

江戸でも指折りの大店・長崎屋の一粒種は病弱な若旦那の一太郎。生まれつき身体の弱い彼を案じて、今は亡き祖父が彼の守り役につけたのが手代の佐助と仁吉。しかしてその正体は大妖怪の犬神と白沢。一に若旦那、二に若旦那、それ以下はないというぐらい若旦那大事の二人は、一太郎が人殺しを目撃してしまい、その下手人に狙われているかも知れないと知って色めき立つ。(J)

じゃあな

 今さら、ホモミシュランでご紹介するまでもなく、好事家の間ではもはや大評判、大定番の本作。「バッテリー」と同じくらいの腐女子公認度だが、ご多分に漏れず私も大好き! である。もう最初の数ページを読んでいるだけで顔が緩みっぱなし。ともかく誰も彼もが若旦那にラブ。こんなに愛されてインカ帝国! と、カラムーチョの老婆もびっくりの感嘆詞が口から飛び出すくらいの溺愛(され)っぷり。
 佐助(ガテン系)と仁吉(知的美形)は、言ってみればおじいちゃんが若旦那につけた青嵐なのだが、命令に従っているというイヤイヤさはなく、むしろ嬉々として若旦那の世話を焼いている。両親にも幼なじみにも、妖怪達にも愛されまくりの若旦那は、世間知らずのおっとりで、箸より重いものは持てない(持てても持たせて貰えない)くらいの過保護ぶりなのだが、自分でも自分の弱さをちゃんと理解しており、歯がゆく感じている。強くなりたいと願う男の子な姿勢がいじらしいし、実際、若旦那もやるときはやる! クライマックスの「効くねえ」には痺れました。おっとりした口調がいっそ色っぽい。ちなみに、もうここまで愛されていればそんな設定は蛇足なほどですが、若旦那は役者なら千両稼げる様な色男だそうです。確かに若旦那の素性を考えると、イヤでもそうなる様な気がするけど。
  愛され受大好きの貴女と私に必携の一冊。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞。

★★★★


POPS ミッキー&一也シリーズ(立野真琴)/Gakken・ピチコミックス

みつきと一也は同じ事務所に所属する人気アイドル歌手。芸能科の高校生であり、クラスメートでもあるけれど、寄ると触るとケンカばかりの二人。皮肉屋の一也に素直で一直線のみつきが衝突して、芸能界を舞台に大暴れ。今回は一也が、楽しみにしていた筈の修学旅行に行かないと言い出して…。(J)

俺様

 発売を知った時、あんまりにも嬉しくて即じゃあなちゃんにメールした。この日を待っていたよっ!!とはいえ、なぜ表紙はミッキー&一也なの?(主人公だからです)POPSミッキー、ROCKS一也で、BLUESはあの人達だろっ!!なあそうだって言ってくれよっ!まさか次も二人なんじゃ…。裏表紙だけ?そうなの?ねえどうなの?(本気で心配)
引越しの時に「グリーンウッドが文庫化したんだから」と思ってまんだらけかブックオフに送り出したこの作品だが、いつまでたっても文庫化の話はない…。それがようやく文庫化ではないうえに他の出版社からだが出版とあいなかった。待ってたよ、とってもとっても待ってたよGet’s!ああそうさ、私の頭の中には朝丘とモリさんの事だけさ。作者の公認FCの会報で本人が描いた朝丘とモリさんの話の同人誌だけは手放さなかったさ。今の絵の朝丘とモリさんが見たかったのだが、ちょっとビックリした…。モリさんの顎が四角くないってどういう事?でも朝丘が美しいからいいさ…。
時代を感じる内容だった。懐かしさとともにうんうんと頷きながら読みふけっていたが、LPとかデモテープがカセットテープだと思うと文明の発達って凄いなと感じてしまった。で、肝心のホモ部分だけど、朝丘とモリさんはNY時代マジだったからそれでいいじゃん!(同人誌参照)みんなもそう思うでしょ?昔は何もない所からホモを生み出していたんだよっ!そういう時代が反映された良き作品なんだよっ!!
とりあえず呪文のように「表紙にGet’s!表紙にGet’s!表紙にGet’s!」さあ、みなさんご一緒にっ!!(強制です)。

★★★★☆
じゃあな
 「絶対に文庫になる!」と信じて手放したのにいつまでもならず、ヤフオクで検索したりして「もう一度買うべき? ねえ買うべき? でも信じるべき?」と躊躇しながら机の端を囓っていた作品。ウィナー。アイム、ウィナー(英語)。
 ミッキーも可愛いのだが(特にPOPSの表紙のミッキーはとても可愛い。スバラシイ)私のお目当ては勿論Get's。ガキ大将とマドンナ参謀という私の黄金の大好物パターンはこの二人によって刷り込まれたと言っても過言ではないな。一巻のタイトルが「POPS」、二巻のタイトルが「ROCKS」になると聞いて「一巻の表紙がミッキー、二巻が一也、三巻がGet'sでタイトルは『GETS』だ! Get's番外編書き下ろしだ!」と頭おかしくてして叫んだものだったが、ナンデスカ三巻のタイトル「BLUES」って。いいですけど、BLUESで表紙がGet'sでも。ええ表紙がGet'sなら何でも。
 書き下ろしイラストのGet's、朝丘さんは眩しいばかりの美人さんぶり。ああ、私はいい国に生まれた。この国が、この萌えが大好きですと日章旗を掲げたくなる。モリさんは…だれかー、モリさんの顎にシリコン戻してー。ダメじゃないモリさん、N.Y.で勝手に手術したら。
 発売前、俺様とおぼろになった記憶をすりあわせて「朝丘さんってキーボードだっけ?」「ちがう、ギターだよ」「えっ、モリさんもギター持ってなかった? じゃ、朝丘さんベース? 美人はキーボードじゃないの?」「いや、京ちゃんがキーボードだよ。潮くんもなんかギター持ってた」「じゃ、Get'sってドラムいないんだ」とまで言っていましたが…アラ? 何かいるじゃない、クマが。ヒゲのクマが。許してクマ。それで朝丘さんはベースなの、ギターなのどっち。その情報は何かの時に必要だから、3巻でちゃんと明白にしておいて。
 当時の担当さんとの、タイトル決めのやりとりが面白かったです。私は昔も今も、立野真琴のタイトルセンスはさほど突出してはいないと思っているのですが(すみません)確かに「アリーナに飛びこめ!」よりはいいと思いました。さあ三巻は12月下旬発売です。皆さんもご一緒に、表紙に(σ・∀・)σゲッツ!
★★★★★


ダレン・シャン(ダレン・シャン、新井隆弘)/小学館・サンデーコミックス 1〜3巻

平凡な少年のダレン・シャンは、親友のスティーブとともに見た不気味なサーカス「シルク・ド・フリーク」の世界にすっかり魅せられてしまう。中でも興奮したのは毒蜘蛛マダム・オクタの存在だ。
しかしスティーブの狙いはまったく別。彼はサーカスに本物のバンパイアを見つけ「自分をバンパイアにしてくれ」と申し入れる。思いも寄らぬスティーブの行動に、ダレンは…。(J)

じゃあな

 「外人ってこえーな」と思わず呟いてしまうダーク・ファンタジーシリーズのコミック版。ハリー・ポッターの「ほとんど首なしニック」も、日本人じゃ考えつかない設定だが、ダレン・シャンはそんな、子供の持つ残酷さ、闇に魅入られる感じをうんと増幅した雰囲気を持つ。と言っても、あくまで児童書レベルなので、大人が読んで気分が悪くなるというほどでもないが。
 数奇な運命によって、ダレンはハーフ・バンパイアに。そしてバンパイアになりそこねたスティーブは「必ずお前を殺す」と、バンパイア・ハンターになることを誓い、二人は離ればなれとなる。
 「敵味方に別れた親友同士」ということで、萌えどころはこの二人なのかな。ハハハ、別にムリに萌えなくてもいいけどな…などと一巻を読んだ時点までは思っていたのだが…。
 よく考えれば、スティーブがバンパイアになれなかったのは、「本物のバンパイア」であるところの、クレプスリーが彼を拒んだから。そしてダレンが半バンパイアになったのは、何の根拠もなくクレプスリーが彼を望んだから、である。
 一事が万事この調子で、このラーテン・クレプスリーさん。ダレンのことが好きすぎるんです。
 その思いと純情たるやもはや一目惚れの初恋レベル。
 物語はスリルいっぱいの冒険ファンタジーだ。ダレンは人と魔の境界に立って、様々な苦難に直面する。しかしその波瀾万丈の大冒険の、枝葉を切り取って整理すると「クレプスリー、ダレンが可愛すぎて色々ナイショに。それに気づかずダレン空回りで大暴れ。クレプスリーが真実を告げると、ダレンが知恵と勇気で全て解決。クレプスリー、ダレンの意外な包容力にうっとり」…こんな話にならねーか? コレ?
 ダレンを「子供だから」と言って蚊帳の外に置きながらも、結局ダレンが真実を知ってそれを受け入れると、彼の成長ぶりにいちいち惚れ直してしまうクレプスリー。この人、どういう種類のツンデレ? 新ジャンル「過保護デレ」?
 三巻でダレンに「信じる」と言われてドギマギしてしまうクレプスリーに「おいおい、原作にはまさかこんなシーンないだろ、脚色してるんじゃないのか」と思って原作を手にしたら、もっと萌え場面でびっくりした。もうクレプスリーの乙女ぶりから目が離せませんね。

★★★★



ホモミシュラン
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