MISTERジパング(椎名高志)/小学館・少年サンデーコミックス 全8巻

時は戦国、織田家の大うつけと名高い若き日の信長は、妙に頭の切れる農民の少年・日吉と出会う。信長の側近く仕えることなった日吉は、破天荒な信長に天下統一の夢を見る。(J)

じゃあな

 すげえぞ。誰も彼もが信長にラブだ。上様モテてモテてもう大変。私は以前コミケカタログでG・S美神のピート×横島というカップリングを見たときに「なんだこりゃ、何でもホモにすればいいってもんじゃないぞ。不純な目で少年漫画を見よって」と思ったが、今は自分がもっと不純な目で見ている。今にして思えばあれは「なによっ、ピートには雪之丞でしょ!」という不満のあらわれだったのかも知れない(じゃあなさん、腐りすぎですよ?)。
 それまではともかく登場人物が男ばかりだし、出てくる人出てくる人みんな殿に惚れていくので「またラブだわ、くすくす」とサラリとしたニア感を楽しんでいたのに、最終巻までたどりついたら「ラブすぎるぜ!!」と感嘆いたしました。なぜそこで蘭丸(帰蝶は?!)そして日吉も、どうしてそこでヒカゲと来る…(ヒナタとしあわせになったんじゃなかったんかーい)。
 なるほど、こんなに男にモテモテなジパングキングが天下を統一したら、そりゃあ500年後にはこんな立派なボーイズラブジパングワールドが出来上がるハズですね。定番カップリングとしては殿と日吉でしょうが、真打ち登場の森蘭丸も非常にかわいかったです。椎名キャラのかわいこちゃん系定番の、つまりはおキヌちゃん顔の男の子で来るかと思ったらやたらとがっしりした青年で、そのくせしょんぼりした表情がプリティ。手練手管で殿を自在に操る様がなんとも言えません。しかしやっぱり私のイチオシはお館様×殿でしょうか。最終巻の「来いッ!!」にはやられました…(そして行く殿にまたドキュン)。
 作品としては、いささか荒削りに終わってしまったが、キャラの魅力だけで星四つ。もっと時間をかけて、せめて10巻、いやさ15巻までいったら、もっと面 白かっただろうなあ。××××(ネタバレにつき国名秘す)編を待つ!!

★★★★


虚空の旅人(上橋菜穂子)/偕成社

新ヨゴ皇国の皇太子・チャグムは、相談役の星読博士シュガとともに、南海に浮かぶ島々からなるサンガル王国の新王即位 の儀に招かれた。そこで出会ったのは竹を割った様な性格の武芸自慢の少年、第二王子サルタン。そして精霊の歌声に魂を奪われてしまったという少女・エーシャナだった。しきたり通 り殺される運命だというエーシャナを案じるチャグムは、彼女を利用してサンガル王国を滅ぼさんとする呪術師の陰謀と対決することになる。(J)

じゃあな

 シリーズのファンの方ごめんなさい。ニアホモはホモじゃなくて、カッチョな男同士にヒューヒュー言うジャンルなんです。…と、いうわけで、ヒューヒュー言わせてもらいました。守り人シリーズの番外編! 本編はめちゃくちゃ強くてカッコイイ短槍使いの女用心棒・バルサが活躍する重厚かつハートフルな児童文学FTであるが、こちらはその第一作でバルサに守られる身の上だったチャグム皇太子が、ガツンとカッコ良く成長して主役を張ってくれた陰謀渦巻く冒険活劇である。
 私は本編ではバルサの義父・ジグロとその親友でありバルサの実の父・カンナの二人の関係を怪しむだけ怪しみ、一人でラブラブヒューヒュー言っていたのだが、これはニアどころかこじつけと言うか、二次創作のレベルだった。しかし本作「虚空の旅人」はちがう。チャグムがシュガを供に連れて外交に出てくれただけでもう十分喜んでいたのに、物語はスバラシイ展開を。あんなに小さかったチャグムがこんなに大きくなって…。私の教育の賜(ちがう)で、こんなに立派なニアになって…。
 高貴なチャグムに、苛立ちつつ惹かれていくサルタンも「いいかな」と途中まで思っていたのだが、やはりシュガ! 神聖であらねばならぬ 皇太子の身にありながら、他人の為に必死になるチャグムをハラハラドキドキ見守って、ついには自分もダイブしてしまうシュガに私の心はファイナルアンサー。
 シュガはかつてはチャグムを暗殺する命を受けており、殺す側と殺される側だったはずの二人なのに、今はやけに言葉が少なくてもツーカーで「…シュガ」「はい。」だけのやりとりにお姉さんの心は山火事です。「あれは忠義などではなく、もっと別 のものだった」って、殿下すみませんそこんとこもうワンプッシュお願いします。
 こんな腐った大人から、チャグムやサルタン、海の娘のスリナァのひたむきさと一緒になって冒険を楽しめる少年少女にも強くオススメしたい守り人シリーズ。本編の主人公バルサも最高にカッコイイので、ぜひハリー・ポッターで童心にかえったついでに、挑戦してみてはいかがだろうか。

★★★★

魔術師2(岡野剛)/集英社・ジャンプコミックス 全2巻

ジャイアンのリサイタルも真っ青の下手くそなマジックを同級生に披露しては、マジシャン修行に励んでいた中学生のムサシ。実は初恋のマジシャン少女が忘れられず、いつか彼女に再会する日を夢見ているのだが、そんな彼の中学に金髪美少年の転入生・クロードがやってくる。クロードの天才的なマジックにムサシは焦るやら憧れるやらだが、実はクロードの正体は…。(J)

じゃあな

 ぬ〜べ〜をニアホモに入れた時は、まさか岡野剛がこんなに遠い世界に行ってしまうとは思わなかった。近くに来た筈なのに遠く見えるのはどうしてかしら…だって地球は丸いんだもん…?
 あらすじに書いた一巻の時点ですでに、狙いすぎたあざとさがミエミエの本作だったが、二巻になったら作者が何か悪いものでも食べたのか、これでもかとばかりにホモネタコンボ連発。美少年クロードはサーカスで虐待を受けていたらしいが、何故全裸で鎖につながれていたのかは謎だ。
 パトロンの意向によりクロードのパートナーとなる権利を勝ち取る為に、ライバル達と戦いを(ギリギリのページ数の中で)繰り広げるという展開もスゴイが、勝者であるムサシに祝福のキスを贈る勝利の女神の正体が実はクロードその人でした…って、全国のジャンプ読者の少年たちはどう対処すればいいのだろう。
 ちと古くさい学習漫画的なノリがあるのは否めないが、漫画力のある作家だけに、ここまでやらずとも女の子キャラの静ちゃんや法子ちゃんをからめながら、友情テイストで描いた方が、普通の面白い少年漫画になった様な気がするのだが、まあ途中から路線がこうなったわけではなく、もう第一回からこの設定だったわけだから、休載も本望という事だろうか。
 男一匹・岡野剛。ジャンプとホモネタという、莫大な財宝を守る巨大な竜…に見えた風車に、空手で突進して行ったラ・マンチャの男としてここに彼の健闘を讃える。…見当違いの健闘だったけど。

★★

秘密―トップ・シークレット―1・2巻 清水玲子 白泉社 ジェッツコミックス

「科学警察研究所法医第九研修室」通称「第九」では、日本で唯一MRI捜査を行っている。MRI捜査とは、死んだ人間の脳をスキャナーにかけ、生前に見た映像を全て映し出すことによって得る情報を元に、事件究明をする捜査のことである。脳が曝け出
す故人の全て。死んでも隠しておきたかった秘密も、赤裸々に映し出されるのだった。(Ai)


愛恵

清水玲子の力作、「秘密」でホモ萌えするのは申し訳ない、と思うものの、薪さん萌え。薪さん総モテで一つよろしく。その冷たい美貌で、青木や岡部さんその他さまざまな男どもを悩殺しておしまい!話はかなりヘビー。1巻以上に2巻はグロいので、決して食前食後には読まないで下さい、と使用上の注意が必要。脳みそとか内臓とか血痕とかこれでもかというくらいに描かれている漫画。ストーリーも救いが無い。どうしてこの人が死ななきゃならなかったのか。どうしてこの子が殺されるのか。泣いても喚いても容赦なく人は死に、その脳はMRIスキャナーにかけられる。目に映った物全て、そして脳に描いた幻想までが暴き立てられるのは、いくら捜査の為とはいえ、人間の尊厳を踏みにじっていることに等しく、第九への世間の理解は厳しい。その点については、青木の両親の話を絡ませたりして、清水先生って本当上手いなあと感心。輝夜姫のストーリーの辻褄の合わなさも許してしまいそう。
私が実際、MRIにかけられるとしたら……と考えると、どうかえろほもを読んだ直後だけは避けてください。ああそれだけは。ガクガクブルブル。

★★★★☆

水と器(山田睦月)/新書館・ウィングスコミックス

美しい人形師の作る人形はいつも「からっぽ」で寄る辺のない魂が宿り着いてしまう。人形のような青年と、悪霊退治を生業とする坊主の奇妙な友情とあやしの事件簿。(J)

じゃあな

 表紙の坊主に一目惚れした。いや、人形師と坊主のセットにというべきか。おお私のカップリングの黄金律。攻ががっしりしたオッサン(必須アイテム・無精髭・オン!)で受が子供っぽくない美形(必須アイテム・ロン毛・イン!)。グッジョブ。ありがちながらも惹かれてやまないキャラクターデザインだけでガッチリつかまれたが、ストーリーもちゃんと面 白かった。女の子と人形が可愛くて、ニア心さえもかすみそうである。
 過去の記憶がなく、感情の起伏も乏しくて、自分が人間かどうかすら自信のない人形師の無機物っぽさもいいのだが、その彼とは対照的な明るいヒューマニストとして描かれている坊主が、ただの「いい人」に終わらず、なんかワイルドな秘密を持っていそうなところがまたいい。
 しかし山田睦月、原作がない方が面白いと思うのは私だけか…?

★★★

最遊記RELOAD(峰倉かずや)/一賽社・ゼロサンコミックス

三蔵法師様ご一行は大変慈悲深く、民の為に妖怪を退治して回る旅をしてらっしゃる…なんて訳はなく。相変わらず自分勝手で我が道を行く奴らは、生まれてから死ぬまで「俺だけの味方」。 (Ai)

愛恵

かーッ。全くもってカッコいい。読み終えた後倒れ伏してしまいそうなほど。惚れ惚れしちゃう。妖怪どもをやっつけるとゆーよりも、もう殺戮としか言いようの無い冷酷さで殺して行く様は、お前ら悪役? と疑りたくなるくらいだ。確かに善人ではないけど。スカっとかましてくれた1話と違い、2話目の「snow drop」はただただ辛かった。異変の影響を受けていない子供の妖怪達を育てる耶雲。ただひっそりと暮らしたいだけなのに、出て行けと逆に襲いに来る村人達。いつ凶暴になるか分からない妖怪に近くに居られたくないという人間の気持ちも分かる。だからって何もしていない幼い妖怪を殺してもいいのか? 凶暴化する前に子供を殺していた耶雲。何が正しくて何が間違いなのか。4人の中で三蔵だけが人間だということを再確認させる話だったけど、悟空の言葉に「殺してやる」と言った三蔵に3千点。いや、全部賭けてもいい! いやー、俺、今日から三蔵×悟空! 鼻息荒くページをめくったら、巻末のオマケ漫画にノックアウト。ごめん。やっぱ俺、ただの八戒ファン…。八戒には是非、あの瓶底メガネでお約束の「メガネメガネ」とやっさんネタをやって頂きたい!

★★


UNKNOWNアンノン(古処誠ニ)/講談社ノベルズ

何人たりとも浸入不可の筈の自衛隊部隊長の部屋に盗聴器が仕掛けられた。誰が? 何故? どのように? 謎を解き明かすために基地に訪れたるは防犯のエキスパート朝香ニ尉。野上三曹が片腕となって事件に挑む。(Ai)

愛恵

「爽やか」という形容詞がピッタリくる朝香さん。彼が通り過ぎた後には清涼な風が一陣吹く模様。もう可愛くてたまりません。自衛隊ってこんな人居るの? 本当に? だったら私も入隊する! という勢いです。コーヒーが大好きで一日に何度も何度も飲む朝香さん。私も真似して何度も飲んでうっかり胸焼けしました。いつもニコニコ微笑んでいる朝香さん。私も真似して微笑んでみましたが気持ち悪いだけでした。
こりゃもう野上は惚れたね、確実に。私の勘に間違いはないわ。ストーリーは敵は外に居るのか内に居るのかも分からない不気味さや陸上隊内部の腐敗など、デビュー作とは思えない筆力で大変興味深く面白かったんですが、私としては朝香さんが野上と一緒に風呂に入らなかったのはひとえに身の危険を感じたからではないのか、ということに尽きます。次回作もあるらしく、二人で仲良く旅行してるとか。早く読み
たくてたまりません。お風呂は一緒に入れたんでしょうか、気になります。


三日月、朔月、十三夜(テクノサマタ)/新書館・ウィングスコミックス

孤児だったカーズが流れ星の夜に拾ったアンドロイドのルウ。成長したカーズの側にも変わらずにいるルウだが、最近カーズに笑顔がない事が気がかりで…。(J)

じゃあな

 私はこういう、育ての親に下克上(身も蓋もないな…)みたいな話が設定的には大好きだ。大体、少女っぽい受よりはお母さんタイプの「マドンナ受」に弱いんである。と言っても本作は一応ディアプラスではなくウィングスなので、粗筋に書いた「獅子座、蟹座」以外はさしたるボーイズラブ色もないのだが。ルウも男の子に見えるがセックスレス(やってないという意味ではありません、この場合)らしいので少女漫画と言えば少女漫画なのだが。いいの、だってこういう設定には燃えるの。ルウの気持ちはルウの気持ちでずっとカメラが追っていくのだが、最後に吐露されるカーズの事情というのがまた燃える。そしてりんごちゃんには違う種類のパッションが湧くな…。か、かわいいじゃねーか。
 何というのか、このテの作風としては、竹美家ららよりは読みやすい。表題作にはほろりと来ました。いい話です。まともに、リリカルな少女漫画の短編集としても面白い



三日月、朔月、十三夜(テクノサマタ)/新書館・ウィングスコミックス

孤児だったカーズが流れ星の夜に拾ったアンドロイドのルウ。成長したカーズの側にも変わらずにいるルウだが、最近カーズに笑顔がない事が気がかりで…。(J)

じゃあな

 私はこういう、育ての親に下克上(身も蓋もないな…)みたいな話が設定的には大好きだ。大体、少女っぽい受よりはお母さんタイプの「マドンナ受」に弱いんである。と言っても本作は一応ディアプラスではなくウィングスなので、粗筋に書いた「獅子座、蟹座」以外はさしたるボーイズラブ色もないのだが。ルウも男の子に見えるがセックスレス(やってないという意味ではありません、この場合)らしいので少女漫画と言えば少女漫画なのだが。いいの、だってこういう設定には燃えるの。ルウの気持ちはルウの気持ちでずっとカメラが追っていくのだが、最後に吐露されるカーズの事情というのがまた燃える。そしてりんごちゃんには違う種類のパッションが湧くな…。か、かわいいじゃねーか。
 何というのか、このテの作風としては、竹美家ららよりは読みやすい。表題作にはほろりと来ました。いい話です。まともに、リリカルな少女漫画の短編集としても面白い


神父と悪魔〜カープト・レーギスの吸血鬼〜(志麻友紀)/エンターブレイン・B's-LOG文庫

カープト・レーギスに新しくやって来た美貌の神父ヴェドリック。人当たりよく優しく、恵まれぬ者にも分け隔て無く接する彼だがそれは表向きの姿。その実は毒舌で、邪法も恐れぬ破戒神父だ。早速誘惑しに来た悪魔のアンシャールをも軽くあしらうが、闇の者だからと毛嫌いするわけでもないらしい。妙にウマが合ってしまった神父と悪魔に、ヴェドリックの守護天使・オフィエルは一人ハラハラするばかりで…。(J)

じゃあな

 なんだよ、「乙女のための最強文庫」って、日本語に訳すと「ホモ」って意味じゃないのかよ…というわけで、新創刊のB's-LOG文庫の記念すべきファーストラインナップ。毒舌オレサマ神父と彼を誘惑しに来た奔放な悪魔、という設定はイイのだが、残念ながらお色気度はライトノベルどまり。まあ、志麻友紀の、無敵最強型主人公は好きなので、読んでいてそれなりに楽しかったが。
 唯我独尊のヴェドリックと、彼のやることなすこと面白がってキャーキャーしてるアンシャールは女子校的なノリ。「そんな!」「ひどい!」と、いつもオロオロめそめそしているオフィエルはさしずめ「そ、そんな事してると先生来ちゃうよ!」とハラハラしている気弱なパシリっ子であろうか。
 「神はいかなる者にも平等です」「教会も無料奉仕してるわけじゃねぇしなぁ」とヴェドリックの豹変ぶりが見ものなので、ドラマCDになったら面白そうである。CVは緑川光でどうかな。




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